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2023/12/11

50代男性 「左下の奥歯が痛い」根っこが割れた歯を抜いて「インプラント」で治療した症例

ご相談内容

「左下奥歯が痛む。特に噛むと痛い」とご相談いただきました。(BEFORE画像)

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、左下の奥歯(第2大臼歯/7番)は神経を取って銀歯で治療済みでしたが、噛む時はもちろん軽く刺激を与えるだけで痛みが出ていました。
レントゲン撮影をすると根の周囲は細菌によって骨が溶けた痕跡が黒く映っており、歯周病検査でも歯茎と歯の間の溝「歯周ポケット」の一部がかなり深くなっていました。

CT撮影でさらに詳しく調べたところ、歯の根の周囲や分岐部に骨の破壊像が見られ、ヒビ割れている可能性がありました。これは噛みしめる癖や硬すぎる銀歯が原因で、神経を取ったことによりもろくなっていた奥歯に負担がかかりすぎていたと考えられます。

また、手前の歯2本(第2小臼歯/5番、第1大臼歯/6番)にも根の先に黒く写る病巣が確認でき、あわせて治療が必要と診断しました。

行ったご提案・治療内容

<治療1回目>
周囲の骨が破壊されている状況から、左下奥歯の保存は難しく抜歯が必要で、手前の歯2本も被せ物を外してから根の内部の病巣を取り除く「根管治療」を提案しました。

歯を失った後もしっかり噛む機能を維持するための修復方法として、入れ歯、もしくは人工歯根を埋め込む「インプラント」の選択肢があります。
噛む力は低下するものの奥歯がないままでも左側で噛めますが、左上奥歯(第2大臼歯)が噛み合う相手を探して下に伸びてくる可能性があり、その場合、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなって虫歯のリスクが高まります。また、噛む力を肩代わりする隣の歯の寿命も短くなるおそれがあるため、歯がない状態のまま放置するのは避ける必要がありました。

患者様に左下奥歯の現状をお伝えしたところ、抜歯にご納得され、入れ歯以外の方法での治療を望まれました。
費用面から、インプラントは左下奥歯のみで、隣の歯2本は見送っています。

通常、歯を抜いた後には大きな空洞が残り、時間とともに骨が内部から回復して空洞が埋まっていきますが、全体的な骨の量は減少してしまいます。
歯と骨で支えるインプラント治療は、周囲に残った骨の量が多いほど有利なため、今回は左下奥歯を抜くと同時に「造骨治療」を行いました。
造骨治療は骨に似た人工の材料を空洞部分に埋めることで骨の回復を促進しつつ、骨全体の減少を最小限に抑えられる治療法です。

歯を抜いて6ヶ月後にCTスキャンを行い、インプラントができるかどうか、最も適したインプラントの種類や入れる位置・角度をパソコン上でシミュレーションし(治療中1枚目)、その治療計画に基づいて実際にインプラント手術を行いました。
手術当日は埋めたインプラントを歯茎で覆って縫合し、翌日と3日後に消毒、1週間後には縫い糸を取っています。

骨とインプラントが結合するのを4ヶ月間待ってから「2次手術」を行いました。
2次手術では、歯茎の下に埋まっているインプラントの頭出しをして、上の被せ物とインプラントをつなぐ土台も作っています。手術後は消毒、1週間後に抜糸を行い、1ヶ月後には土台の上に仮歯を装着して実際に噛んでも日常生活に支障がないか確認しました。

患者様側からも歯科医師側からも問題がなかったため、歯型を取得してから、白くて艶がある素材「セラミック(カタナ)」で作製した被せ物をインプラントにネジで固定し、左下奥歯の治療が完了しています (治療中2枚目、3枚目)。

<治療2回目>
1回目の治療から5ヶ月後「岩塩を噛んで以来、インプラントの1本手前の歯が痛い」とご来院されました。
拝見したところ、痛みが出ている左下第1大臼歯の頬側の歯茎が腫れて歯の破折も疑われましたが、確証が得られなかったため、まずは歯を残すために手前の歯(第2小臼歯)とともに根管治療を行いました(治療中4枚目)。

左下第2小臼歯は順調に改善が見られたため、土台をグラスファイバー製に替えて歯を補強してからセラミックを被せて治療を終了しました。
一方、左下第1大臼歯は長期間かけても状態が回復しなかったため、根が割れている可能性が高くなりました。
ただし一般的な破折で見られる症状や証拠がなく、根管治療後は噛む際の痛みも解消していたため、費用負担が少ない保険の銀歯を被せて経過観察としています。
その後のレントゲン検査では、根の先に見られた黒い影は完全に消失していることが確認できました。

<治療3回目>
治療2回目から2年後「左下で噛むと痛みがある」と再来院されたため、これまでの治療部位の経過やレントゲンを確認した結果、前回銀歯を被せた左下第1大臼歯のどこかにヒビや割れがある可能性が高い状態でした。
そのまま放置すると周辺の歯にも悪影響を及ぼすため、患者様と相談の結果、抜歯を選択しました。(治療中5枚目)

欠損後はインプラントでの治療をご希望されたため、綿密に治療計画を立てて、前回同様CT検査後に埋入手術を実施しています。(治療中6枚目)

インプラントを入れる位置は前後の歯のほぼ中央が一般的ですが、患者様が早期治療をご希望されたため、骨の回復が不十分というリスクがあったものの抜歯から半年後に歯の根の手前側にインプラントを配置しています。(治療中7枚目)

1回目同様、手術後は消毒、4ヶ月後に2次手術、その後は仮歯で日常生活を送っていただきました。仮歯で問題がなかったため、歯型を取ってからセラミックの被せ物とインプラントをネジ止めして治療完了となりました(治療後、AFTER画像)。

術後の経過・現在のご様子

最初の治療から7年、2回目の治療から5年、3回目の治療から2年半が経った現在、インプラントでしっかり噛めており、年4回のメンテナンスと検診で良好な状態をキープされています。腫れたり脱離したりなどの問題もありません。

患者様にも「快適に食事ができている」とお喜びいただいています。

この治療のリスクについて

・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・メンテナンスを怠ったり喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・自費診療(保険適用外治療)です

  • 年齢・性別 50代男性
  • 診療種別 自由診療
  • 治療期間の目安 1回目の治療:約6ヶ月
    2回目の治療:約5ヶ月
    3回目の治療:約12ヶ月
  • 治療回数の目安 -
  • 治療費総額の目安 1,132,650円
    (保険一部負担金除く)

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。
ご利用により万一何らかの損害が発生したとしても、当サイトは一切責任を負いかねますのでご了承ください。

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治療前 治療中 治療後

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その他

クリニックより

歯をできるだけ長く残すことを患者様との共通の目標として治療を進めましたが、残念ながら奥歯2本はその目標を達成できませんでした。
これは歯の神経が失われたことが大きな要因です。

神経を失った歯は治療によって噛む機能が回復したかのようにも感じられますが、実際には歯の強度が低下してもろい状態でヒビや割れが生じやすく、寿命が短いという事例がよく見受けられます。
厚生労働省の統計でも、神経摘出によって歯の寿命が5〜10年短縮されると発表されています。
また、歯の強度が低下しているところに硬い銀歯を被せることで、歯や根がさらに割れやすくなるリスクがあります。

私はこれまでの臨床経験から、できるだけ歯の神経を残すことが歯の寿命に重要だと考え、神経近くまで虫歯が進行したケースでも抗生物質を使用した除菌療法によって神経を保存する治療を長らくお勧めしてきました。
除菌治療は100%確実に良い結果が出るわけではありませんが、歯の短命化というリスクを軽減できる可能性があるため実施する価値があると考えています。

今回の患者様とのお付き合いは既に10年以上になりました。快適な食生活を維持していただくために今後も経過をしっかり追いかけていきます。

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診療科目 一般歯科、小児歯科、予防歯科、審美歯科、入れ歯・インプラント
自由診療 歯のクリーニング、メンテナンス、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、ウォーキングブリーチ、セラミック治療、ラミネートベニア、ダイレクトボンディング、入れ歯、インプラント
住所 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-2-3 ミタカハイム1F
アクセス ・三鷹駅北口 徒歩1分
診療時間 【月・火・木・金】
10:00〜12:00/14:00〜18:30

【土】
09:30〜12:00/14:00〜18:30
休診日 水曜・日曜・祝祭日
※祝祭日のある週の水曜日は診療
代表者 高岡 周一

※記載の内容は最新の情報と異なる場合がございます。正確な情報は歯科医院にご確認ください。

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