ご相談内容

「前歯の被せ物が外れたため他院で治療したが、すぐにまた外れてしまったのでセカンドオピニオンとして受診した」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

レントゲン撮影をして詳しく拝見したところ、右上前歯は神経や血管が通る根管に清掃と消毒を行う「根管治療」が施されていましたが、本来根管がある部位とは違う場所を削り、誤って穴を開けてしまう「パーフォレーション」が起きていました。
このパーフォレーションが原因で、間違った方向に違う根管を作ってしまっている状態です。

さらに歯の内部に細菌が侵入して炎症を起こし、歯根の先に膿が溜まる根尖病巣（こんせんびょうそう）も認められます。

このまま放置すると、歯根の周辺組織にまで感染が広がって歯を支える骨が溶け、将来的に歯を失うリスクがあるため、早急に治療をする必要があると診断しました。

行ったご提案・治療内容

歯の内部に侵入した細菌を除去して新しい被せ物を作製するため、以下の治療方法を提案し、同意いただきました。

①歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを用いて、徹底的な感染除去が可能な精密根管治療を行う
精密根管治療は自費診療なので、比較的費用がかかる点がデメリットです。
その反面、マイクロスコープなら肉眼では見にくい部分まで正確に確認しながら処置ができるため、保険診療の根管治療と比べて精度の高い治療が可能であり、再び炎症を起こすリスクを軽減することもできます。

②天然歯のような色味を再現できる被せ物、ジルコニアクラウンを装着する
被せ物の素材に使用するジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど硬く、噛み合わせの調整を適切に行わないと噛み合う歯を傷つけるおそれがあります。
一方で、審美性が高い、経年劣化しにくい、虫歯の再発リスクが低い点が大きなメリットです。

まず、装着されていた古い被せ物を外し、唾液に含まれる細菌や血が根管内に入るのを防ぐため、患部周辺をラバーダム（ゴム製のシート）で覆って治療部位だけを露出させます。

次に、マイクロスコープで確認しながら感染した部位を丁寧に除去し、根管内が清潔になったことを確認したのち、再び細菌が入り込まないようしっかりと薬を詰めました。

レントゲン撮影で根尖病巣の治癒を確認後、最終的な被せ物を作製するために歯の形を整えてから型取りを行います。
当院は歯科技工士と連携しているので、精度が高い被せ物を作製することが可能です。

後日、完成したジルコニアクラウンを装着し、噛み合わせに問題がないかをしっかりと確認して、治療を終了しました。

この治療のリスクについて

・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る場合があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・一部の治療を除き、自費診療（保険適用外治療）です

• 年齢・性別 50代女性
• 診療種別 自由診療

• 治療期間の目安 6ヶ月
• 治療回数の目安 -
• 治療費総額の目安 200,000円

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。
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  武内歯科医院

  TEL:0457612300

  
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