シーラントという治療法について知っていますか？歯医者さんでシーラントを利用したことがあるという方はそれほど多くないでしょう。利用したことのある方はそれほど多くないかもしれませんが、確かな効果のある治療法となっており注目を集めています。

本記事ではシーラントについて詳しく解説いたします。メリットとデメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1.シーラントとは

シーラントは、歯の奥歯に存在する溝や刻み目に対して、プラスチックやセメントを用いて物理的に封鎖することでむし歯の発生を防ぐ予防法です。特に、フッ化物を含むシーラント材を用いることで、再石灰化作用を促進することができ、むし歯予防効果が増大することが報告されています。

シーラントの効果については、多くの研究が行われており、4年以上の長期的な調査では約60%のむし歯予防効果が得られることがわかっています。しかし、シーラントは永久に効果が持続するわけではなく、欠けたり取れたりすることがあります。そのため、定期的な歯科医院でのチェックが推奨されています。

また、シーラント材の種類にはレジンとグラスアイオノマーの2種類があります。レジンは、強度が高く、保険が適用されないことが多いため、自費診療として扱われることが一般的です。一方、グラスアイオノマーは、レジンよりも弱い強度を持ちますが、再石灰化作用が高いため、特に子供の歯やむし歯のリスクが高い患者には有効です。

以上のように、シーラントは、むし歯の予防に非常に効果的な方法であり、適切な材料を選ぶことで長期的な効果を得ることができます。しかし、定期的な歯科医院でのチェックが欠かせないため、歯科医師との相談をおすすめします。

2.シーラントのメリットとデメリット

シーラント治療は、奥歯の溝を物理的に封鎖し、虫歯予防につながります。歯の溝は、歯磨きではなかなか届かないため、虫歯が発生しやすい箇所です。 特に、子どもの歯は未成熟で溝も深く、汚れがたまりやすく虫歯になりやすいとされています。また、虫歯が進行する速度も早く、予防が重要です。シーラントを施すことで、溝が物理的に封鎖されるため、汚れがたまりにくくなり、虫歯になる可能性が減ります。

さらに、虫歯が進行してしまうと、歯を削る治療が必要になります。しかし、シーラント治療は、予防的な治療であるため、歯を削る必要がありません。また、シーラントは簡単な処置であり、治療時間も短いため、子どもたちにも負担が少ないとされています。

しかしながら、シーラントは永久に保持されるわけではなく、取れたり欠けたりすることがあります。そのため、定期的なチェックが必要です。また、シーラントは虫歯予防につながるため、健康な歯にも施すことができます。しかし、虫歯が進行してしまっている場合には、シーラント治療だけでは十分な治療とはならないため、適切な治療を受ける必要があります。

3.シーラントの施術の流れ

まず、シーラント処置を行う前に歯科医師は、歯の状態をチェックし、虫歯の有無や処置が必要な箇所を確認します。その後、以下の流れで処置が行われます。

①歯の溝の汚れを取り除く

最初に、歯の溝の部分にたまった汚れを取り除きます。これは、シーラントを施す前にしっかりと歯の表面を清掃することで、シーラントの効果を最大限に発揮するためです。

②歯の表面を前処理する

歯を乾燥させてからシーラントの前処理の薬剤を塗布します。この薬剤には、歯の表面に付着した油分や汚れを取り除くための効果があります。歯の表面に薬剤を塗布した後、数秒置いてから水で洗って乾燥させます。

③シーラント剤を塗布する

歯の溝にシーラント剤を塗布します。シーラント剤は、樹脂を主成分とした液体で、歯の表面に塗布すると、歯の溝にしっかりと充填されます。

④光で硬化させる

最後に、光を当ててシーラント剤を硬化させます。シーラント剤に含まれる特殊な成分が、光を当てることで硬化し、歯の表面にしっかりと固定されます。この光を照射する時間は、数秒から十数秒程度です。

以上がシーラント処置の流れになります。処置は非常に簡単で短時間で行うことができ、痛みやダウンタイムもほとんどありません。虫歯の予防に効果的であるため、定期的な歯科検診の際にはぜひ尋ねてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後にシーラントについてまとめます。

1. シーラントとは歯の奥歯にある溝や繋ぎ目に対して、プラスチックやセメントを使用することで虫歯の発生を防ぐ方法のこと
2. シーラントは虫歯予防に繋がる一方で、定期的にチェックしなければいけないデメリットもある
3. シーラントは事前に検査を行い、光を当ててシーラント剤を効果させるという仕組みになっている

シーラントは虫歯予防のために効果がある治療法です。ぜひ、シーラントを行ってみてください。