いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
ホワイトニングで歯がもろくなるって本当?リスクの少ない施術は?
歯の黄ばみを改善したいけど、「ホワイトニングは歯がもろくなる」という話を聞いて、なかなか一歩踏み出せていない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ホワイトニングにもいくつか種類があり、全て歯がもろくなる原因になるとは限りません。リスクの少ない施術方法を選べば、歯への影響も少なく抑えられます。
本記事では、ホワイトニングで歯がもろくなると言われる理由やリスクの少ない施術について解説します。ホワイトニングを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
ホワイトニングとは?
ホワイトニングとは、過酸化水素を主成分とする薬剤を用いて歯を白くする施術です。薬剤を歯に浸透させることで、歯に沈着している着色物質を分解して白くしていきます。
薬剤の濃度はさまざまで、家庭で使用できる低濃度の薬剤のほか、医療機関でのみ取り扱いが可能な高濃度の薬剤などがあります。濃度が高くなるほどリスクもつきものですが、歯科医師や歯科衛生士など、歯や薬剤の取り扱いに関する専門の知識を持つ人のもとで施術を受ければ、リスクの心配はほとんど不要です。
ただし、薬剤を使用してホワイトニングを行うと、一時的に歯の表面にあるエナメル質が脱灰(ミネラル分が溶け出す状態)するため、ダメージを受けやすい状態になります。脱灰した状態が続くと虫歯といったトラブルが生じる可能性がありますが、通常は唾液によって再石灰化(歯を修復する働き)が起きるため、脱灰したままになることはありません。
「ホワイトニングで歯がもろくなる」と言われる理由
ホワイトニングで歯が受けるダメージは一時的なものであるのに、「歯がもろくなる」と言われるのはなぜか気になる方もいらっしゃるでしょう。そのように言われるのは、薬剤に対するイメージや施術後にしみる症状が出るからなど、いくつか理由があります。
ここからは、「ホワイトニングで歯がもろくなる」と言われる理由を3つ紹介します。
薬剤の刺激が強いイメージがある
「ホワイトニングで歯がもろくなる」と言われる理由の一つに、薬剤の刺激が強いイメージがあることが挙げられます。
ホワイトニングに使用される薬剤には、過酸化水素のほか、過酸化尿素や酸化チタン、チッ素などの成分が含まれます。これらの成分について詳しくない方の中には、「歯に悪影響を与えそう」「刺激が強く、歯がもろくなりそう」というイメージを持つ方もいるのです。そのため、「歯がもろくなる」と言われることがあります。
しかし、これらの成分は歯科医師の指示のもとで適切に使用されていれば、歯に大きなダメージを与えることはありません。
施術中・施術後に歯や歯茎がしみる場合がある
施術中・施術後に歯や歯茎がしみる場合があることも、「ホワイトニングで歯がもろくなる」と言われる理由の一つです。ホワイトニングを行う際は、歯の表面を覆っている「ペリクル」というタンパク質の膜が剥がれてしまうため、一時的に知覚過敏のようなしみる症状が出る方も少なくありません。
ペリクルの再生には12〜24時間ほど時間が必要で、再生されるまでは刺激を受けやすい状態になります。そのため、ホワイトニングの施術後は、冷たいものや温かいもの、酸性のものなど、刺激になり得る飲食物を避ける必要があります。
こうしたリスクを理解しないままホワイトニングを受けてしまうと、「歯がもろくなったのではないか」と勘違いしてしまうこともあります。
色の後戻りがある
「ホワイトニングで歯がもろくなる」と言われる理由には、色の後戻りがあることも関係します。たとえホワイトニングで歯が白くなったとしても、その効果はずっと続くものではありません。歯は、食べ物や飲み物、喫煙など、日々口にするものの影響を受けるからです。着色しやすい飲食物をよく摂る方は、ホワイトニングしたとしても後戻りを起こしてしまいます。
また、一度白くなった歯が元の色に戻ると、「今まで以上に黄ばんだ」と感じることもあります。そのときに、「歯がもろくなったから黄ばみがひどくなったのではないか」と考える方もいるのです。
しかし、歯がもろくなることと、色の後戻りには関係がないため、大きな心配はいりません。
リスクの少ないホワイトニングはある?
適切な濃度で薬剤を使い、正しい方法で施術を行えば、ホワイトニングのリスクはそこまで大きくなく、安全に施術が可能です。もちろん、歯を弱くすることもありません。リスクの少ないホワイトニングを受けたい方は、歯医者さんで施術を受けることをおすすめします。
一方で、歯がもろくなるリスクのあるホワイトニングは、よく理解していない状態で濃度の分からない薬剤を使って行うホワイトニングです。最近は、日本製のものから海外製のものまで、インターネット上でさまざまなホワイトニンググッズを購入できますが、なかには薬剤の濃度や詳しい使用方法が記されていない製品も少なくありません。
特に海外製の製品には注意が必要です。日本人と外国人では、歯の質が異なるからです。その国の人にとっては安全でも、日本人の歯の質には合わず、何らかのトラブルを引き起こしてしまう恐れがあります。
たとえ市販で購入できるものだとしても、全てが安全だとは限りません。もし自分で製品を購入してホワイトニングを行う場合は、薬剤の成分や濃度、使用方法、リスクなどを確認の上、安全性を見極めることが大切です。
まとめ
本記事では、ホワイトニングで歯がもろくなると言われる理由やリスクの少ない施術について解説しました。ホワイトニングには、歯医者さんで行うものや自分で行うものなど、いろいろな方法があります。薬剤を適切に使用していれば歯がもろくなることはありませんが、薬剤の濃度や施術方法を間違えるとトラブルの原因になり得ます。リスクの少ない方法でホワイトニングを行いたい方は、歯医者さんでの施術がおすすめです。
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