子供の歯科矯正はお金がないとできない?費用を抑えるコツを詳しく解説

歯科矯正は審美目的が多いため自費診療に分類されます。

まとまったお金がないと子供に歯科矯正を受けさせられないのではないかと不安になる方も多いでしょう。

今回は、子供の歯科矯正にかかる費用相場や治療費を安く抑える方法についてご紹介します。

 

子供の歯科矯正の種類

子供の歯科矯正は成長段階によって矯正方法が異なります。

永久歯が生え始める「第一期」と永久歯が生え揃う「第二期」に分けられます。治療する際に着目する部分が違うため、矯正方法も違ってきます。

 

第一期治療(3~12歳頃)

第一期の治療目的は「骨格矯正」です。3歳頃に永久歯が生え始めるため、永久歯が正常な位置に生えるよう発達途中の顎を歯科矯正で調整します。この時期に歯並びが悪くなる原因は顎が小さかったり、上下の顎のバランスが悪かったりするからです。

噛み合わせや骨格に異常がなければ、永久歯が生え揃った後の第二期から歯科矯正を行うことがあります。

逆に、この時期に歯列が整えば以降の歯科矯正は不要になり、費用も安く済みます。

骨格を矯正しても歯列が整わない場合は、第二期以降も継続して歯科矯正する可能性があります。

 

第二期治療(12歳頃~)

第二期は大人の歯科矯正と同じ治療内容です。

12歳頃には永久歯が生え揃うため、第二期は「歯列」に着目して治療を行います。

すでに第一期で歯科矯正をしている場合は、永久歯が正しい位置に生えるようになっているため抜歯など複雑な治療をしなくて済む可能性が高いです。

骨格に問題がなければ、第二期から歯科矯正を始める子供もいます。

治療内容が大人と同じになるので、費用も第一期よりも割高になります。

 

子供の歯科矯正の費用相場

歯科矯正は基本的に自費診療です。医療機関によって価格が決められるため、歯科医院ごとに料金が変わります。ここでは、子供の歯科矯正にかかる費用相場についてご紹介します。

第一期治療

床矯正:10~40万円

床矯正は、顎の骨格を矯正する治療方法です。マウスピースにネジが付いた装置を装着し、骨の成長に合わせてネジを広げていくことで歯列を拡大していきます。

歯列の幅が広がると永久歯の生えるスペースが確保できるため、抜歯が不要になります。

歯が部分的に重なる「叢生(そうせい)」を改善することができます。

 

マウスピース矯正:10~50万円

シリコン素材でできた透明のマウスピースを一定時間装着して顎の骨を整える方法です。

自宅で1時間と就寝中のみの装着で良いため、子供への負担が少ない矯正方法です。

反対咬合(受け口)、上顎前突(出っ歯)などに適しています。

 

第二期治療

ワイヤー矯正:60~100万円(裏側矯正の場合:100~150万円)

ワイヤーと金属でできたブラケットを歯に装着して歯列を整える治療方法です。

1歯ずつにブラケットを装着しワイヤーを通すことで、矯正したい歯に圧力をかけます。

ブラケットは表側に付ける方法と歯の裏側に付ける方法があります。裏側に装着する場合、装具が目立たないため見た目への影響が少ないですが、医師の高い技術力が必要になるため費用は高額になります。

マウスピース矯正:80~100万円

マウスピース矯正は自分の歯型に合わせて作られた透明の矯正器具です。

透明のため目立たず、取り外しも可能ですが、ワイヤー矯正より高額になることがほとんどです。細かい調整がきかないため、歯の回転があるなどの複雑な症例には対応できません。マウスピース矯正はワイヤー矯正より適応症例が限られます。

歯科矯正の費用を抑える方法

症例によっては保険適用や医療費控除の対象になります。また、歯科矯正は治療の選択肢が豊富であり、方法によっては費用を抑えることができます。

保険適用の対象症例か確認する

基本的に歯科矯正は自費診療ですが、保険適用になる症例もあります。

厚生労働省が保険適用の対象症例を公開しているので、以下を参照してください。

参照:公益社団法人 日本矯正歯科学会

 

ただし、指定の医療機関での治療が必要になるので歯科医院を自由に選ぶことはできません。

部分矯正にする

前歯だけなど一部分を矯正したい場合は、部分矯正にしてみるのも良いでしょう。

ただし、奥歯の歯並びや噛み合わせに問題あると判断された場合は全体矯正が必要になる可能性があります。ほかの歯列が悪いと部分矯正をした後に噛み合わせが悪化し、再治療が必要になるからです。

部分矯正ができる例は、噛み合わせに問題がない場合や叢生が軽度の場合に限ります。

部分矯正にもワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類があります。

 

安価な矯正装置を選ぶ

ワイヤー矯正の場合、ブラケットの色や装着する位置を選択できるため、プランによっては料金を抑えることができます。セラミック素材や裏側にすると費用は高くなりますが、見た目を気にせず金属素材で表側の矯正方法にすれば比較的安く歯科矯正ができます。

どうしても見た目が気になるという場合は、「ハーフリンガル」という前歯だけ裏側にして奥歯は表側にする方法を検討してみてはいかがでしょうか。全体を裏側に装着するよりも費用が抑えられます。

 

マウスピースは目立たないメリットがあるため、基本的にワイヤー矯正よりも高額になります。安価で提供しているメーカーもあるため、費用を抑えられる場合があります。

 

医療費控除を受ける

審美目的の場合は医療費控除の対象にはなりませんが、歯の健康や機能を改善する目的での歯科矯正は控除の対象になります。

診断を下すのは医師のため、審美目的で歯科矯正を受けるつもりでも病気の治療に適すると判断された場合は控除が受けられます。

医療費控除の対象になった際は、治療費だけでなく通院にかかった交通費なども医療費に含まれるので、医師に相談して積極的に活用しましょう。

 

モニターに参加する

歯科医院によってはモニターの参加を募集しているところもあります。

治療に関する写真の提供やアンケートの回答やSNSへの掲載などを許可することで、通常よりも安いモニター料金で治療が受けられます。

年齢制限や矯正方法の指定があるため、条件が合えば応募してみるのも良いでしょう。

 

治療期間を長引かせない

医師の指示通りに矯正器具を装着しないと効果が薄くなるため、結果治療期間が長くなり出費も増えることになります。

特にマウスピースは取り外しが可能なので、外している時間が長いと効果が現れにくくなります。最低限の費用に抑えるためにも歯科矯正は医師の指示にしたがって適切に行いましょう。

 

歯科矯正を受けるお金がない場合

子供に歯科矯正を受けさせたいけどお金がないという場合は、分割払いやデンタルローンを考えてみてはいかがでしょうか。矯正前に費用を一括で準備しなくて済むので、お金がない場合でも歯科矯正が受けられます。

分割払い

分割払いとは、処置または通院ごとに支払う方法や毎月一定の金額を支払う方法です。

分割払いを採用していないところや、現金のみやクレジットカードのみなら可能など、歯科医院によって対応は異なるので事前に確認しておきましょう。

 

デンタルローン

デンタルローンとは、金融機関や信販会社が提供している歯科矯正やホワイトニングなど歯科治療専用のローン契約です。

治療にかかった費用を信販会社が立替払いをし、患者が利息を加えて返済するしくみです。金利は5%前後と一般的なカードローンに比べると低金利ですが、安定した収入がないと審査が通りません。

デンタルローンは未成年や学生でも親の名義を使用して契約することができます。

 

子供の歯科矯正は早めに始めると費用を抑えられる場合がある

第一期から歯科矯正が必要と判断された場合は、早めに治療を開始することで第二期での治療が不要になり、結果的に費用が安くなる可能性があります。第二期での歯科矯正が必要な場合でも、治療方法によっては費用が抑えられたり、ローンを利用することでまとまったお金がなくても矯正を受けられたりします。

不安な場合は、一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。

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