言ってみたい一言「歯科検診の為にしか歯医者さんには行きません。」

最近は虫歯のある方が減っており「歯科予防は大切」という考え方が年々浸透してきている証拠です。定期的な歯科検診を受け、「歯医者さんに行くのは検診時のみです。」なんて言ってみたいですよね?歯の健康を維持するための「歯科検診」についてじっくりみていきましょう。

「歯科検診」の目的は?

「歯医者さん」とは、歯に痛みがあったり、歯茎の出血など、口内トラブルが起きてからはじめて行くところと思っている方も多いのではないでしょうか?治療を終えるとついつい足が遠のいてしまうものです。治療終了後、定期的に来てくださいと言われても、どこも悪くないのですが?と思う方もいるかもしれません。ですが歯医者さんで行っている歯科検診は、口内の健康を守るためにとても大切なものなのです。症状が出てから受診するようにしていると、その頃には症状がかなり進んでしまっていることも多く、通院回数や費用の負担も大きくなります。「予防歯科」を取り入れている歯医者さんも多くあり、いつまでも自分の歯を残していくために大切な習慣。それが「歯科健診」です。

歯科検診ではどんなことをするの?

歯科検診では、一般的に以下のことが行われます。

  1. 虫歯、歯周病の検査
  2. クリーニング、歯垢(プラーク)・歯石除去
  3. 歯磨き指導
  4. かみ合わせチェック

検査内容などは歯医者さんによって異なりますが、定期的に通院することで、虫歯の初期での発見・治療、歯周病予防につながります。食後に歯磨きをする習慣があっても、歯と歯の間や歯周ポケットに歯垢(プラーク)が残っていることがあります。歯垢は時間がたつと歯石に変化してしまい、歯ブラシだけでは取り除けず、歯医者さんで歯石除去をしなくてはいけません。

さらに放置すると虫歯や歯周病の原因となるため、定期的に歯科検診に通って、歯科医師や衛生士の手で口内環境を整えてもらうことは大切です。

歯科検診のおおよその相場

歯科検診は自由診療ではなく、基本的に保険診療で受けられます。歯や口内状態によって異なりますが、2022年10月現在、3割負担で2000円~3000円が相場といわれます。検診の頻度は、口内状態や歯医者さんの方針にもよりますが、3カ月から半年に1度程度という場合が多いようです。また、これまでは「予防としての歯科健診」では保険診療が適用されず、歯周ポケットが4mm以下の場合のケアや、治療の必要がないと判断される場合は、自由診療での治療となるケースがありました。しかし2020年4月の「診療報酬改定」によって、予防のための歯科治療も保険診療での治療が可能となり、費用面で負担が少なくなりました。

歯科検診はどこで受けられるのか?

歯科検診は歯医者さんで受けられます。定期検診、歯のメンテナンスなど、歯医者さんによって呼び方が異なる場合もありますが一般的に歯科健診をお願いしたいと歯医者さんに電話をすればわかって頂けます。また、以前より歯科健診の需要が高まっているので、歯医者さんの対応も早いです。

また、予防歯科の一環として取り入れているところもあり、予防歯科で「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)」を導入する歯医者さんも多く、口内を徹底的にクリーニングしてくださいます。専用の薬剤や機材を使って、歯磨きで磨き残した歯垢(プラーク)や歯石の除去、歯面清掃によって虫歯や歯周病になりにくい口内環境づくりを目指すものです。

また、食事やお茶・コーヒーなどの飲み物、タバコなどの着色汚れも取り除くことが可能なので、虫歯や歯周病の予防と合わせて歯の着色などが気になる方は歯医者さんに相談してみるのも良いでしょう。

「歯科検診」と「歯科健診」の違いは?

二つの言葉があり、どう違うの?と思いますよね。「歯科検診」とは、虫歯や歯周病などになっていないかと早期発見を目的としています。必要に応じてレントゲン撮影を行い細かくチェックすることもあります。また、歯磨きで磨ききれていない汚れや歯垢(プラーク)、歯石をクリーニングで除去します。一方の「歯科健診」とは、歯の健康状態を調べることを目的として行われる検査のことです。主に学校で行われるのが「健診」です。

般的に定期健診や1歳6ヶ月健診、3歳児健診、自治体によってはハガキでお知らせがくる40歳、50歳、60歳、70歳の「歯周疾患健診特定健康診査」といったものを聞いたことがあるかもしれません。それも健診の一つです。

もし「歯科検診」をすっぽかしてしまったら、どうする?

歯科検診は大切なものだとわかっていても、ついつい虫歯や歯周病などの問題がないと忘れてしまいがちですよね。学校や仕事で忙しいときなどは特にそうかもしれません。すっぽかしてしまったら、なるべく早く歯科医院に電話をし、改めて予約しましょう。

実際、歯医者さんはすっぽかしに慣れっこです。症状がないと仕方ないよね。とわかってくださいます!前述しましたが、歯科検診は虫歯や歯周病の早期発見につながります。初期治療を開始することは、歯の健康はもちろん、治療の費用を抑えることができるというメリットもあるのです。

歯科検診に行かず症状が進行してしまうと、痛みの負担や通院の頻度・治療費が増えるなど、抜歯を余儀なくされる恐れもあります。

〈まとめ〉

歯科検診は、歯の健康を守る大切なものです。治療終了後もセルフケアだけでは歯磨きの磨き残しによって虫歯や歯周病が再度発生してしまう恐れがありますので、痛みや口内環境に異常がないとしても定期的に歯医者さんを受診することが重要です。治療を終えたあとでも、再発予防のために歯科検診に行く習慣を徹底しましょう!

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