いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
乳歯の生え変わりが早い3つの原因と生え変わり後の注意点まとめ
「子供の乳歯の生え変わりが早い気がする」「乳歯の生え変わりが早い原因が知りたい」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。乳歯の生え変わりが早い原因はいくつかあり、永久歯へ生え変わり後も気をつけなければいけない点があります。
当コラムでは、乳歯の生え変わり時期、乳歯の生え変わりが早い原因、早く生え変わった時に気をつけることなどを解説していきます。
乳歯の生え変わり早い原因は3つ
乳歯は一般的に6歳前後で乳歯がぐらぐらするようになり、永久歯への生え変わりが始まります。しかし、永久歯への生え変わりは短い期間で終了するわけではありません。
1本1本時間をかけながら生え変わるため、全ての乳歯が永久歯に生え変わるのは一般的に中学生頃が多いと言われています。乳歯の生え変わりが早い子供もいますが、生え変わりが早い原因は主に3つあります。
①虫歯や成長スピードの差
乳歯が虫歯になり抜歯をしたり歯の根っこが吸収されてしまったりした場合、永久歯が早く生えることもあります。
また、乳歯の生え始めが早かったり顎の成長が早かったりすると、生え変わりが速くなることも多いです。成長スピードの差も関係するため、4〜8歳頃に生え変わりが始まる場合は心配する必要はありません。
ただし、成長スピードの差があるとはいえ不安な場合もあるかと思います。少しでも不安があれば、まず小児歯科を受診してみることをおすすめします。レントゲン撮影により永久歯の確認もできます。
②低ホスファターゼ症
低ホスファターゼ症とは、骨や歯を作る酵素であるアルカリホスファターゼの働きが悪かったり、働かなかったりする病気です。そのため完全に骨や歯の成長ができず、骨折したり歯が抜けやすくなったりします。
何かの原因により遺伝子が変化して起こる病気であり、重症の場合は産まれる前に発見されることが多く治療を早く開始できます。しかし、軽症の場合だとほとんど症状が出ないため、成長してから病気が発見されることが多く早期発見が大切になります。
③パピヨンルフェーブル症候群
パピヨンルフェーブル症候群とは、乳歯が生える時に歯ぐきの炎症を起こし、歯を支える骨まで腫れが広がり炎症がひどくなる病気です。また、歯を支える骨も速いスピードで吸収されて乳歯が抜けてしまい、永久歯が生える時も同じような症状がおきます。
低ホスファターゼ症と同じように、何かの原因により遺伝子が変化して起こる病気のため、乳歯が生えた時に歯ぐきの炎症も起こしていたら、すぐに小児歯科を受診しましょう。
乳歯の生え変わりが早くても歯並びに影響は少ない
「歯並びが悪くなるの?」と気になる方もいるかもしれませんが、顎の成長が乳歯の生え変わりに追いついていれば、歯並びが悪くなることは少ないです。
しかし、永久歯がまっすぐ生えてこなければ顎の成長が乳歯の生え変わりに追いついていない可能性があります。その場合は小児歯科を受診し、顎や永久歯の状態や残っている乳歯の状態を定期的にチェックしてもらうと良いでしょう。
乳歯の生え変わり時期に注意するべき事項
乳歯が早く生え変わった時は以下の5つの事項に注意しましょう。
①虫歯の予防
乳歯が抜けて新しく生えてきた永久歯は、汚れが付きやすく虫歯になりやすいです。また、乳歯と永久歯が混在していると磨き残しも出やすくなります。
そのため、生え変わりの時期は歯の横や奥といった磨き残しが多い部分も丁寧に歯磨きをするようにしましょう。他にも、おやつを決まった時間に食べる習慣づくりも虫歯の予防に効果的です。
②抜けた乳歯の根元を観察する
4歳になる前に乳歯が抜けたら、抜けた乳歯の根元も観察しましょう。永久歯の成長により乳歯の根元は溶けるため、乳歯の根元が四角い場合は正常な生え変わりをしていると言えます。
しかし、抜けた乳歯の根元が細長く残っていると注意が必要です。低ホスファターゼ症の可能性がありますので、抜けた乳歯を持参し小児歯科へ受診しましょう。
③永久歯に生え変わるか観察する
乳歯が抜けてすぐに永久歯に生え変わらない場合もあります。特に上の前歯は永久歯に生え変わるまで時間がかかることが多いです。そのため、3か月程度は様子をみても問題ありません。
しかし、乳歯が抜けて半年が経過しても永久歯に生え変わらないと注意が必要です。原因としては歯茎が厚い、生まれつき永久歯が不足している、生まれつき永久歯の数が多いことなどが考えられます。
永久歯に生え変わらない原因はレントゲン撮影にて確認ができるため、乳歯が抜けて半年が経過しても永久歯に生え変わらない場合は、小児科歯科へ受診することをおすすめします。
④永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない
永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない場合もあります。永久歯は生え変わる際に乳歯の根本を溶かしながら生えますが、乳歯の根元が溶けないと乳歯が抜けづらくなります。
乳歯がぐらぐらする場合は自然に抜けるまで様子を見ても問題ありません。しかし、痛みがでて我慢できない場合は小児歯科へ受診し歯科医と相談すると良いでしょう。必要であれば抜歯して、乳歯を抜き永久歯の生え変わりを手助けすることも1つの方法です。
⑤永久歯への生え変わりは左右バランス良く行われているか
乳歯から永久歯に生え変わる場合は、通常右の歯から左の歯へと左右バランス良く生え変わりがおきます。しかし、永久歯への生え変わりが左右バランスよく行われるばかりではありません。
永久歯への生え変わりが左右バランス良く行われていないと、歯の真ん中にずれが生じてしまい、状態によっては将来的に歯列矯正が必要になります。永久歯が左右バランス良く生えない場合は、小児歯科へ受診し診察を受けることをおすすめします。
【まとめ】成長スピードが乳歯の生え変わりが早い原因!不安な時は歯科医へ相談を
当コラムでは、乳歯の生え変わりの時期、乳歯の生え変わりが早い原因、歯並びが悪くなるのか、早く生え変わった時に気をつけることを解説しました。お子様の乳歯の生え変わりが早いとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
また、乳歯の生え変わりが早い原因は成長スピードの差がほとんどですが、まれに病気が隠れていることもあります。不安な時は自己判断せず早めに小児歯科へ受診することをおすすめします。
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