鏡で舌を見た時に白い苔のようなねばっとした物体がついていることはありませんか？ねばっとしている物質は「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる物質です。

聞き馴染みのない舌苔ですが、ケアを行わないと口臭の原因となります。当コラムでは舌苔の概要と舌苔に効果的な舌磨きの解説を行います。

口臭が気になる方は舌苔を取り除くことで口臭が軽減されるかもしれません。舌苔を取り除くためには、丁寧にケアをする必要があります。ぜひ参考にしてください。

舌苔には個人差がある

舌苔は、細菌の塊のことです。舌苔が付くのは個人差があります。それだけではなく同じ人でも体調や時間帯によって付き方が変化します。

特に寝たきりの方や口から食事を摂るのが難しい方、起床時などに舌苔の量は多くなる傾向があります。

舌苔は汚れの塊

舌苔は舌の表面にある凹凸に細菌などが付着し、苔のようになったものです。

• 口の中の皮膚が剥がれた垢
• 食べ物
• だ液の成分
• 微生物
• 細菌

上記のものなどが溜まって作られると言われています。舌苔は、食べたものによって色が変化しますが体調が良くない時は白っぽくなります。

舌苔は、細菌の塊ですのでそのままにしておくと口臭の原因となります。

舌苔ができる原因

舌苔ができる原因は以下のとおりです。

①口呼吸による乾燥

口呼吸を行い口内が乾燥すると、細菌が増えやすいだけではなく付着している舌苔が乾いて落ちにくくなってしまいます。

それだけではなく口呼吸は分泌しただ液を乾かしてしまいますので、口呼吸ではなく鼻呼吸を行うようにしましょう。

 

②舌の清掃を行っていない

舌苔は病気ではありません。しかし、舌苔をそのままにしていると口臭の原因となりますので適度に舌の掃除を行う必要があります。舌の清掃を行っていないと食べかすや汚れがどんどん蓄積されてしまいます。

③舌の凹凸が大きい

舌苔は、舌の表面の凹凸に細菌や食べかすが付着してできます。本来であればだ液によって洗浄されるのですが舌の表面が角質化していると凹凸が深くなります。

凹凸が深くなると食べかすが溜まりやすくなり、舌苔が付きやすくなってしまいます。

 

④抗生物質

抗生物質やステロイド剤を服用すると、舌苔ができる場合があります。長期間にわたって服用を続けると、口内にいる常在菌の種類が変わってしまいます。

その後、「黒毛舌(こくもうぜつ)」と呼ばれる黒い舌苔が付着することがあります。

 

舌苔を取り除くと口臭の予防になる

舌苔は、病気ではありませんがそのままにしておくと口臭の原因となります。口臭を防ぐために以下の対策を行ってください。

①舌磨き

舌磨きを行い舌を清潔に保つことで口臭を防ぐことができます。綺麗にするために毎食後、舌磨きを行った方がよいと考えてしまうかもしれません。

しかし、舌磨きは1日1回朝行うだけで十分です。何回も舌をこすると逆に舌の鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。

舌磨きは、舌ブラシややわらかい歯ブラシを使うのがおすすめです。舌専用のクリーニングジェルも販売されていますので合わせて使用するとより効果的です。

舌磨きの方法

舌磨きは、ブラシを奥から手前に動かして行います。舌はとても繊細です。舌の粘膜や味を感じる細胞を傷つけないようにやさしく丁寧に行ってください。

②マウスウォッシュ

マウスウォッシュを使って口の中にある食べかすや汚れを洗い流し、殺菌することもおすすめです。ただしアルコール成分が含まれているマウスウォッシュは口内が荒れてしまう原因となる可能性があります。

アルコール成分が含まれていないマウスウォッシュも販売されていますのでお子さんはこちらを使用してください。

③乾燥を防ぐ

舌苔ができる原因の1つが乾燥です。口内の乾燥を防ぐには鼻呼吸を促してください。鼻呼吸が難しい場合は、マスクを着用するのも選択肢の1つです。

マスクを着用すると無意識に口呼吸をしていたとしても口の乾燥を防ぐことができます。空気が乾燥する季節は加湿器を使用して部屋全体を乾燥対策を行いましょう。

舌苔は全てを取り除く必要はない

舌磨きの方法を解説しましたが、舌苔は全てを取り除く必要はありません。舌苔が薄く残っている状態でも全く問題ありません。薄く残っている状態では口臭の原因となる可能性は低いです。

無理に舌を触ると舌の細胞が剥がれてしまいます。その結果舌苔が増える原因となるかもしれません。逆に口臭がひどくなることもありますので、やりすぎには十分注意してください。

 

【まとめ】舌苔の原因はさまざまだがケアをすると軽減できる

舌苔ができる原因は複数あり、適切な対策を行うことで舌苔を軽減することが可能です。長い期間蓄積された舌苔は、1回だけのケアだけでは綺麗にはなりません。

毎日継続して行うことで落ちやすくなります。ただし、舌磨きをやりすぎてしまうと舌を傷つけることになるかもしれません。舌磨きは1日1回に留めるようにしましょう。