いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
顎変形症の手術で後悔しないためには?起こり得るトラブルを紹介
顎変形症でお悩みの方の中には、手術を受けようかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、手術と聞くと、術後のトラブルの有無やどのような変化があるのかなど、気になることがたくさんあるものです。
そこで本記事では、顎変形症の手術後に起こり得るトラブルや変化をご紹介します。後悔のない選択をするために、事前にリスクを正しく把握しておきましょう。
顎変形症の手術で後悔する人がいるのはなぜ?
顎変形症の手術を受けて後悔する方がいるのは、術後に起こり得るトラブルや変化を事前にしっかり把握していないからです。思いがけない変化やトラブルが生じてしまい、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまっているようです。
顎変形症の手術では、多くの場合でお口の中にメスを入れて、顎の骨を切る治療が行われます。一般的な歯列矯正と異なり、全身麻酔下で行う外科治療となるため、それなりにリスクも生じるのです。
もちろん、術前には全身状態を把握するためにさまざまな検査が行われますし、手術体制も整備されています。しかし、顎の骨の周りには多数の神経があります。万全の体制で行っていても、万が一の事態が起こってしまう可能性はゼロにはなりません。
手術を受ける際には、メリットだけに目を向けず、リスクやデメリットもきちんと理解することが大切です。
顎変形症の手術で起こる可能性のあるトラブル
先述した通り、顎変形症にはリスクもあります。例えば、手術中に起こり得るのは全身麻酔によるトラブルや出血、術後に起こり得るのは顔立ちや噛み合わせの変化などです。
ここからは、顎変形症の手術で起こる可能性のあるトラブルを5つご紹介します。
1.全身麻酔による合併症や偶発症、事故
顎変形症の手術時に起こる可能性のあるトラブルの一つに、全身麻酔による合併症や偶発症、事故が挙げられます。全身麻酔によるトラブルは稀であるものの、悪性高熱症やアレルギー、誤嚥性肺炎のほか、最悪の場合は死亡事故も起こり得ます。
全身麻酔は、「健康だから絶対に大丈夫」というものではありません。何らかのトラブルが生じる可能性があることは、頭の隅に置いておく必要があるでしょう。
2.多量の出血や再手術
手術時に皮膚を切り開くため、出血がつきものです。しかし、何らかの原因によって多量の出血が起こる可能性もゼロではありません。出血量が多くなる場合は、途中で輸血が必要になることもあります。
また、神経や血管の状態を、術前に完璧に把握できるわけではありません。治療中に異常な形態が見つかった場合は、一度中断となる恐れもあります。そのようになった場合は、再手術が必要になります。手術回数が増えることで、身体的にも精神的にも負担を感じるかもしれません。
3.顔立ちや鼻の形の変化
顎変形症の手術では、骨を切って骨格を変化させるため、術後は顔立ちにも変化が生じます。しかし、自分が望むような顔立ちになるとは限りません。理想とする顔に近づけるための美容整形とは違い、顎変形症では噛み合わせを最優先して治療するからです。
術前にシミュレーション画像を見せてくれる病院もあるかもしれませんが、あくまでも予測です。「絶対にこの顔になる」と思い込みすぎないように注意しましょう。
また、顎周りだけでなく、鼻の形も変化する可能性があります。鼻の付け根にある骨は動きませんが、その横にある骨が移動するため、鼻が広がってしまうかもしれません。顎変形症の手術は、理想の顔立ちにする手術ではないことをよく理解しておくことが大切です。
4.噛み合わせの変化
顎変形症の手術では、顎の骨を動かすため噛み合わせにも変化が生じます。これまでの慣れ親しんだ噛み合わせではないため、慣れるまでは違和感を覚えることもあるでしょう。
次第に慣れていきますが、術後6ヶ月以上立っても噛みにくさを感じる場合は、変形している可能性があります。噛み方の癖を治しても気になる場合は、歯を調整するなど別の治療が必要になるかもしれません。
5.顔のしびれ
顎の骨の周りには、血管や神経が多数存在しています。そのため、より良い噛み合わせを作るために骨の移動が必要であっても、動かせる方向や場所が制限されることもあります。無理に動かして神経を傷つけてしまうと、しびれや麻痺が生じる恐れがあるからです。
また、神経が傷ついていなくても、術後に唇や顎周辺の感覚が鈍くなる場合があります。1年程度で改善が見られるケースが多いですが、日常生活に支障が出ない程度の症状がずっと残るケースもあります。
「手術が終われば終わり」ではありません
顎変形症の手術の際には、1〜2週間程度の入院が必要です。ただし、退院できたからといって、治療もそこで終わりではありません。新しい噛み合わせに適応していくためのリハビリテーションや、歯列矯正の続きを行わなければならないからです。
調子がいいからといってこれらを怠ってしまうと、せっかくの手術が台無しになってしまう恐れもあります。術後の検査や経過観察、案内された治療は、最後までしっかり取り組んでください。
まとめ
顎変形症の手術後に後悔する人がいる理由は、リスクを前もって把握していないからです。その結果、術中や術後に思いがけないトラブルが起こり、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまっているようです。
顎変形症の手術で起こり得るリスクは、下記の通りです。
- 全身麻酔による合併症や偶発症、事故
- 多量の出血や再手術
- 顔立ちや鼻の形の変化
- 噛み合わせの変化
- 顔のしびれ
手術後に後悔しないためにも、これらのリスクをしっかり理解しておきましょう。
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