口の中が甘いのは何かの病気が原因?病院を受診する目安も解説

「口の中が甘い気がする」と、口腔内の違和感でお悩みの方もいらっしゃるでしょう。常に甘みを感じる、ほんのり甘い気がするなど、人によって症状の程度はさまざまで、特に大きな問題がないケースもあります。しかし、何らかの病気が原因となって甘みが生じている可能性もゼロではありません。

本記事では、口の中が甘くなる原因と病院を受診する目安について解説します。「何も食べていないのに口の中が甘いな」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。

 

口の中が甘くなる原因

口の中が甘くなる原因は、薬による副作用や病気など、さまざま考えられます。

ここからは、口の中が甘くなる6つの原因を順に紹介します。

1.薬の副作用

口の中が甘くなる原因の一つに、薬の副作用が挙げられます。抗うつ薬や抗菌薬、抗がん剤、血圧をコントロールする薬など、関係する可能性のある薬はさまざまです。薬による味覚異常が生じるのは、一般的に服用開始から2〜6週間ほどと言われています。

また、甘みを感じる以外にも、下記のような症状が出ることもあります。

  • 口が乾く
  • 食事の美味しさが分からない
  • 酸味や苦味、塩味、鉄のような味がする

口の中の甘み以外にも、上記のような症状があれば、薬による副作用が原因かもしれません。

2.ホルモンバランスの変化

妊娠といったホルモンバランスの変化が原因で、甘みを感じることもあります。その他の症状が特になく、甘みだけを感じている場合は、通っている産婦人科の医師に相談してみてください。

また、妊娠中は唾液の量が少なくなるため、虫歯や歯周病といったトラブルも生じやすくなります。つわりで口腔内のケアが難しくなる方もいらっしゃいますが、できる限り口腔内を清潔に保つよう意識しましょう。

3.脱水

水分補給の際に口の中の甘みを感じる場合は、体が脱水状態にあるかもしれません。無味のはずの水や塩味を感じるはずの経口補水液などを飲んだときにも甘みを感じる場合は、味覚異常が生じていると判断しても良いでしょう。

口の中が甘く感じる原因が脱水の場合は、ミネラルを補給すると改善が見込めます。ただし、自力での水分補給が難しい、下痢や吐き気を伴っているといった場合は十分な水分補給が難しくなります。早めに病院を受診し、処置を受けましょう。

4.亜鉛不足

口の中が甘い原因には、亜鉛不足も考えられます。今すぐ病院に行くほど緊急性は高くありませんが、亜鉛が摂取できるよう工夫が必要です。

亜鉛は体内で生成できない栄養素のため、食事から取らなければなりません。食生活が乱れている方は、うなぎやレバー、牡蠣、わかめ、ごぼうなどを意識的に摂取しましょう。食事で取るのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。

5.ケトン血性低血糖症

起床時に口の中が甘いと感じる場合は、ケトン血性低血糖症が疑われます。ケトン血性低血糖症とは、脂肪を分解してエネルギーを生産する工程に異常が生じ、ケトン体が血液中に増えてしまう病気です。「自家中毒」「周期性嘔吐症」と呼ばれることもあります。口の中が甘いと感じる以外にも、腹痛や下痢、倦怠感、食欲不振などが生じます。

ケトン血性低血糖症が発症する原因は、高脂質の食事や過度なストレスなどです。ゆっくり休息をとり、脂質の少ない食事を心がけてください。通常は1〜2日程度で症状が治りますが、続く場合は他の病気が関係している可能性があるため、病院で検査を受けましょう。

6.糖尿病

糖尿病も、口の中が甘いと感じる原因の一つです。糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないために高血糖な状態が続く病気です。口や皮膚の渇きの他、体重が減少したり、疲れやすくなったりします。病状が重度になると血液中の糖が尿にも混じり、尿から甘い匂いがすることから「糖尿病」と呼ばれています。

遺伝子要因から糖尿病になる方もいますが、生活習慣も深く関わります。

特に糖尿病になりやすい方は、下記の通りです。

  • 運動不足
  • 食生活のバランスが悪い
  • アルコールを好んで飲み、摂取量が多い
  • ジュースや砂糖入りの紅茶など、甘い飲み物をよく飲む

これらに当てはまる方は、生活習慣の見直しを行いましょう。ただし、改善したからといってすぐに治る病気ではありません。病院で検査を受け、適切にアプローチしていく必要があります。

急激に症状が悪化すると体に力が入らなくなったり、意識がなくなったりするため、症状に気づいたら一度病院に行きましょう。

 

病院を受診する目安となるその他の症状

口の中が甘いと感じたときは、そのまましばらく様子を見ていてもいい場合もありますが、病気が原因の場合は早急に病院受診が必要です。特に「口の中の甘さ」以外の症状も伴う場合は、早めに病院に行きましょう。

早急な受診が必要な症状は、下記の通りです。

  • 疲れやすい
  • 胃痛や吐き気
  • 皮膚や口腔内の乾燥
  • 口の中の甘さが3日以上続く
  • 発熱といった風邪のような症状が出ている
  • いつも通りの食事でも体重が減少している

はっきりした原因が分からない場合は、まず内科を標榜している病院で相談してみてください。

 

まとめ

本記事では、口の中が甘くなる原因と病院を受診する目安について解説しました。口の中が甘いと感じる原因は、亜鉛不足やホルモンバランスの乱れの他、ケトン血性低血糖症や糖尿病などです。

休息や必要な栄養を意識的に取ることで改善が期待できる場合もありますが、病気が原因の場合は治療が必要なこともあります。口の中が甘い以外の症状もある場合は、一度内科で相談してみることをおすすめします。

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