下の前歯に、むずむずするような感覚を覚えている方はいらっしゃいませんか。「歯がむずむずするのはストレスが原因」だと言われることもありますが、実は虫歯や歯周病などの前兆かもしれません。

本記事では、下の前歯がむずむずする4つの原因と、むずむずする際の注意点について説明します。放っておくとトラブルが大きくなる可能性もあるため、違和感を覚えたら早めの対処が大切です。「むずむずの原因が知りたい」「歯医者さんに行った方がいいのかな」とお悩みの方は、ぜひご一読ください。

 

下の前歯がむずむずする原因は？

下の前歯がむずむずする原因には、虫歯、歯周病、歯ぎしり・食いしばり、ストレスの4つが考えられます。

ここからは、どのような症状が出るのか、そのような状態になる要因は何かを順に説明します。自分で確認できる症状が出ることもあれば、見た目の変化は起きにくい場合もあります。自分の症状と照らし合わせながら、当てはまるものがあるかどうか確認してみてください。

1.虫歯

下の前歯が虫歯になると、歯がむずむずします。その理由は、虫歯が進行していく途中で、歯の中にある神経が刺激されてしまうからです。

初期の虫歯の場合は、日常生活に支障が出るような強い痛みは生じません。しかし、 白くなったり茶色くなったりと、虫歯になっているところが変色します。黒っぽくなっていると、かなり進行している状態です。

また、虫歯が進行して歯に穴が空くと、そこに汚れが溜まってむずむずを引き起こすこともあります。丁寧に歯ブラシをして汚れを除去すればむずむずが落ち着くこともありますが、根本的な解決にはなりません。汚れがたまらないようにするためには、歯医者さんで虫歯を取り除き、詰め物や被せ物を入れてもらう必要があります。

虫歯がひどくなると、歯の根が腐ってしまう「根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）」になり、歯の根っこに膿が溜まってしまう恐れもあります。

2.歯茎の炎症・歯周病

歯茎の炎症や歯周病も、下の前歯がむずむずする原因の一つです。歯茎が炎症を起こすのは、口腔内に悪い菌が増殖するからです。むずむずするだけでなく、歯茎が腫れたり、出血したりと他の症状が併発するケースも少なくありません。

歯周病菌は、歯茎の炎症を引き起こすだけでなく、やがて歯を支える骨を溶かしてしまいます。歯が揺れるようになることで、むず痒く感じることもあります。

女性の場合は、妊娠・出産などの際に女性ホルモンのバランスが大きく崩れるため、歯周病にかかりやすくなると言われています。悪化させないためにも、歯周病の原因となる歯石を歯医者さんで除去してもらいましょう。

3.歯ぎしり・食いしばり

下の前歯がむずむずする原因の一つに、歯ぎしりや食いしばりも挙げられます。これらの癖があると、歯に強い力が加わり、歯を覆っている歯根膜に負担がかかってしまうからです。歯根膜に継続的に力が加わってしまった結果、炎症を起こしてむずむず感が生じます。

また、歯根膜が炎症するだけでなく、歯にヒビが入ったり割れたりしてしまいます。そこから細菌感染を引き起こすと、さまざまなトラブルを生じかねません。

歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに行うことが多く、自分では気づきにくいです。当てはまりそうな方は、一度歯医者さんで歯のすり減り具合などを確認してもらうことをおすすめします。

4.ストレス

下の歯のむずむずは、ストレスが溜まっていても生じることがあります。虫歯や歯周病といったトラブルが生じていないのに歯がうずくことを、「歯科心身症」と言います。継続的な痛みや違和感ではなく、1日の中でも症状が出たり出なかったりと変化するのが特徴です。

自覚していなくても疲れやストレスが溜まっているかもしれません。休息をしっかりと設けるなど、まずはストレスを軽減できるよう取り組んでいきましょう。

 

原因を特定するには、歯医者さんで検査が必要

下の前歯がむずむずする原因を特定するには、歯医者さんで検査が必要です。初期段階の虫歯や歯周病、歯茎の中の病気は、自分で発見するのが困難なケースがほとんどだからです。

「特に大きな問題はないから大丈夫かな」と様子を見ていると、気づいたときには進行していたということも起こり得ます。早い段階で対処するためにも、歯医者さんで検査を受けましょう。

 

歯がむずむずするときの注意点

歯がむずむずしているときは、刺激しないよう注意が必要です。出血したり腫れたりしている場合は、すでに炎症が起きています。歯茎が傷つきやすい状態になっているため、歯ブラシで強く擦らず、優しく磨くよう意識してください。

また、歯茎の状態を確かめようと指で触りたくなりますが、指にはさまざまな細菌が付着しているため控えましょう。

 

まとめ

歯がむずむずする原因は、ストレスだけではありません。虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルが原因で、むずむずしている場合もあります。

こうしたトラブルが原因の場合は、自分で見つけたり治したりできません。歯医者さんで検査を受けて、原因を見つけてもらい、適切な治療を受けることが大切です。「まだ具体的な困りごとはないから」と受診を後回しにせず、早めに歯医者さんへ足を運びましょう。