口の端が切れた原因は?口角炎の対処法や口唇ヘルペスとの違いも解説

口の端が切れると、食事や会話の際に痛みが生じて不便を感じるものです。症状が長引いたり悪化したりすると、「ちゃんと治るのだろうか」と不安にもなるでしょう。

口の端が切れる症状は、「口角炎」と言います。しかし、出ている症状によっては、別の病気の可能性もゼロではありません。

本記事では、口の端が切れる原因や対処法、考えられる病気について解説します。口の端が切れてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

 

口の端が切れる原因は?

口の端が切れる原因は、一つだけではありません。栄養不足や乾燥、癖など、さまざまな原因が考えられます。

ここからは、主な4つの原因を紹介します。当てはまるものがないか、確認してみてください。

免疫力の低下

口の端が切れる原因の一つに、免疫力の低下が挙げられます。皮膚の表面にはカンジダ菌という常在菌がありますが、免疫力が低下すると常在菌のバランスが崩れ、炎症を起こす場合があります。

栄養不足

栄養不足も、口の端が切れる原因の一つです。特に、皮膚や粘膜の維持に関わるビタミンB2やビタミンB6が不足している可能性が高いです。

栄養バランスの悪い食生活を続けていたり、日常的にアルコールを摂取していたりすると、ビタミンが不足しやすくなります。その結果、皮膚や粘膜を正常に保てず、口の端が切れてしまっているかもしれません。

唇の乾燥

口角の皮膚は体の中でも特に薄い皮膚のため、唇が乾燥していると口の端が切れやすくなります。日常的に唇の乾燥が気になる場合は、口を動かす前にうるおいを与えるよう意識した方がいいでしょう。

唇を舐める

唇を舐める人も、口の端が切れやすくなります。理由は、唾液に含まれている消化酵素によって、唇の油分が減ってしまうからです。

乾燥が気になって舐める癖がある人は、余計に乾燥させてしまい、唇が切れやすくなります。

 

口角炎・口唇炎の違いは、症状が出る範囲

口の端が切れている状態のことを「口角炎」と言いますが、口角炎に似た状態で「口唇炎」と言う炎症もあります。この二つの違いは、症状が出る範囲です。

口角炎とは、唇の端のみに炎症が起きている状態のことです。一方で、口唇炎は口角を含む唇全体に炎症や亀裂が生じている状態を指します。

口角炎・口唇炎と似ている病気

口周りに生じる炎症は、口角炎や口唇炎だけではありません。口内炎や口唇ヘルペスという病気も考えられます。

ここからは、口角炎・口唇炎と似ている病気を紹介します。

口内炎

口内炎は、歯茎や頬の内側といった口腔内の粘膜に炎症が起こる病気です。粘膜に白い小さなぶつぶつができ、周囲が赤く腫れるのが特徴です。また、食事や唾液を飲み込む際に痛みも生じます。

口内炎ができる原因には、口角炎と同様に免疫力の低下や栄養不足が挙げられるほか、口の中にできた傷から細菌が繁殖したことが原因となる場合もあります。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、唇や口の周りに水ぶくれが生じる病気です。ムズムズするような違和感が生じた後、ヒリヒリ、チクチクするような痛みとともに水ぶくれが生じます。

数日〜1週間程度でかさぶたになって治癒しますが、水ぶくれや痛みが生じている期間中は他人に移してしまう可能性があります。また、治ったとしても、免疫力が低下したときには再発する恐れがあるので注意が必要です。

 

口の端が切れたときの対処法

口の端が切れたままだと、日常生活にも不便を感じる機会が多くなります。食事やお喋りを思いっきり楽しむためにも、注意点を押さえて早めの治癒を目指しましょう。

ここからは、口の端が切れたときの対処法を紹介します。

唇を舐めたり、触ったりしない

口の端が切れているときは、舐めたり触ったりしないことが大切です。油分が減って保湿されにくくなるだけでなく、細菌が付着する恐れもあるからです。

無意識に触ってしまうこともあるかもしれませんが、気づいたらやめて、できるだけ触れないようにしましょう。

市販薬を使用する

できるだけ早く治したい場合は、市販薬を使用するのも手段の一つです。抗炎症成分が配合されている薬を使用すれば、症状の緩和が期待できます。

唇はデリケートな部分のため、皮膚用とされているものではなく、唇用のものを選びましょう。パッケージや製品の説明欄に「口角炎用」と書かれているものであれば問題ありません。

保湿をしっかり行う

乾燥が原因で唇の端が割れているときは、保湿を行うことが大切です。できれば、ワセリンのようなシンプルな保湿剤を選択しましょう。香料などが含まれたリップクリームは刺激が強く、余計に悪化させてしまう恐れもあるからです。

生活習慣を改善する

「疲れが溜まっているな」と感じる方は、生活習慣を改善して体をしっかり休めましょう。ストレスや睡眠不足、疲れが溜まっているなどの状態が続いていると、免疫力が低下してしまうからです。

また、食生活が乱れている場合は、合わせて食生活を見直すことも重要です。食事では、レバーや豆類、緑黄色野菜など、ビタミンB群が摂取できる食材を摂るよう意識しましょう。難しい場合は、サプリメントで補うのも一つの方法です。

病院を受診する

「できるだけ早く治したい」「市販薬は不安」という方は、病院を受診するのもおすすめです。口角炎は、皮膚科や歯科、口腔外科などで診てもらえます。原因によって処方される薬は異なりますが、ビタミン剤をはじめ、抗生物質や抗ウイルスの軟膏などを処方してもらえます。

診察をしてもらえるのかどうか不安な場合は、受診予定の病院に問い合わせてみてください。

 

まとめ

本記事では、口の端が切れる原因や対処法、考えられる病気について解説しました。口角が切れる原因は、乾燥や免疫力の低下、栄養不足などさまざまです。原因に合わせた正しい対処法で、治癒を目指してください。

市販薬や生活習慣の改善で対処することもできますが、できるだけ早く治したい場合は、皮膚科や歯科など病院を受診して薬をもらうことをおすすめします。

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