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唇に水疱ができてもヘルペスじゃないかも?今すぐできる予防法も解説します

「唇に水疱ができてもヘルペスじゃないことがあるの?」「唇へのできものを予防する方法は?」と思っている方もいるのではないでしょうか。

実はヘルペス以外の病気でも唇に水疱ができることがあり、中には日常生活の中で予防することも可能です。

当コラムでは、唇に水疱ができるヘルペス以外の病気、唇へのできものを防ぐ予防方法について解説していきます。

唇に水疱ができてもヘルペスじゃないことがある

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唇に水疱ができるとヘルペスを疑う方が多くいますが、ヘルペスじゃないこともあります。考えられる病気は以下の5つです。

①粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

口の中にある唾液腺が、唾液を上手く排出できないことから唾液が溜まる病気です。主に下唇の左右どちらかの粘膜にでき、ドームのようにぷっくりと膨れた5mm程度の水疱がみられます。

水疱は粘膜と同じような色をしていて柔らかく、痛みはほとんどありません。粘液嚢胞ができる原因は、粘膜を誤って噛んでしまったりや口内炎や矯正器具などの使用にて粘膜が傷ついたりするためと言われています。

また、粘液嚢胞は噛んで潰れると中から粘り気のある唾液が出てきて一旦は小さくなりますが、再び唾液が溜まるため再発しやすい病気です。10代〜30代が発症しやすいと言われており、特に子供が多いです。

②フォアダイス

皮膚の油分を分泌する脂腺が過剰に増えることで発症する病気です。白や黄色みのある発疹ですが、表面が小さく盛り上がっている状態のため水疱のようにも見えます。

フォアダイスは特に男性の陰部にできやすいと言われますが、唇にも発症することがあります。痛みや痒みといった自覚症状はほとんどなく、生理現象として現れるもののため人への感染リスクもありません。

放置している間に自然に消えることも多いのですが、症状の悪化や1~2週間しても治らない場合は、口腔外科のある歯医者さんへの受診をおすすめします。

③口唇癌

唇にできる悪性腫瘍であり、初めは硬いしこりのようなものができ徐々に盛り上がったり潰瘍や水疱のように見えたりすることもあります。また、痛みや出血がみられることもあり、唇の外側や内側関係なく発症し下唇の発症が多いとも言われています。

口唇癌は全体の1〜2%と、発症することが少ない癌です。しかし、自然に治ることはなく早期発見が重要のため、唇に治りにくいできものがあれば口腔外科のある歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。

④天疱瘡(てんぽうそう)

自己免疫疾患で難病に指定されている病気です。体に現れないはずの自己抗体が作られ、体の中で自分を攻撃することで水疱ができます。

唇や口の中の粘膜にできるため、食べたり飲んだりすることが難しくなり日常生活に影響が出ることもあります。天疱瘡は自分を攻撃する病気のため、人にうつしたり遺伝による病気ではありません。

また、症状が重いと低栄養や貧血、細菌感染による敗血症を起こす危険性もあります。早期の治療開始が大切であり、治療開始後約1年で症状が落ち着く人が多いとも言われています。

⑤口唇炎

唇が荒れた状態である口唇炎になった時に、唇の周りに小さな水疱ができることもあります。そのためヘルペスと間違えやすいとも言われています。他にも、唇の皮膚に炎症が起き小さな赤い発疹や腫れ、出血などがみられます。

口唇炎は唇の表面の水分が不足し唇を保護する働きが弱まることが原因です。他にもアレルギーや紫外線など原因は多岐に渡ります。保湿することが大切となるため、適切な薬の処方を受けることが大切です。

唇へのできものを防ぐ4つの予防方法

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水疱などを含む唇へのできものの原因は様々ですが、日常生活で注意することで予防できることもあります。予防方法は以下の4つです。

①唇に刺激を与えない

唇を噛んだり矯正器具などの刺激により傷ができることがあります。唇に傷ができると粘液嚢胞の原因になることもあるため、日常生活から傷の原因となる刺激を避けることが大切です。また、唇を噛む癖がある方も噛まないようにする意識づけも必要になります。

②生活習慣を整える

ビタミンや鉄分不足も口唇炎などの原因となります。また、栄養バランスの偏りや睡眠不足、ストレスなども原因になると言われるのです。そのため、生活習慣を整えることで症状が改善することがあります。

③唇の乾燥や日焼けを予防する

唇は角質層が薄いことから保護機能が低く、乾燥や日焼けなどにより刺激により荒れやすくなります。唇が荒れると炎症を起こし湿疹や水疱のようになることもあるため、日頃からリップクリームやワセリンなどによる保湿や日焼け止めを使用するとよいでしょう。

④唇を舐めない

唇がすでにダメージを受けている時に舌を舐めることを繰り返すと、唾液に含まれる菌によりさらに悪化することがあります。また、唇が乾燥している時に唇を舐めると乾燥を悪化させるため、唇を舐める癖がある方は意識して注意するようにしましょう。

【まとめ】唇に水疱ができヘルペスじゃなくても1~2週間治らなければ歯医者さんへ相談を

当コラムでは、唇に水疱ができるヘルペス以外の病気、唇へのできものを防ぐ予防方法について解説しました。

唇に水疱ができるとヘルペスを疑う方が多くいますが、ヘルペス以外の病気のこともあり中には日常生活の中で予防も可能です。しかし、1〜2週間経過しても水疱がよくならない時は、口腔外科のある歯医者さんでまずは相談してみることをおすすめします。

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