噛むと歯が痛い原因は?虫歯以外に考えられる原因と対処法について

歯医者さんで「虫歯はない」と言われたのに、なぜか噛むと歯が痛いということはありませんか。噛んだ時に歯が痛むと、食事をしたり話をしたりとさまざまな場面で不便を感じるものです。

本記事では、虫歯以外に考えられる原因と対処法について紹介します。噛んだ時に生じる歯の痛みでお悩みでしたら、ぜひご一読ください。

噛むと歯が痛い原因とそれぞれの対処法

歯は虫歯ができたときにも痛みますが、それ以外にも痛みが出ることがあります。例えば、歯茎にトラブルが生じていたり、口周りの筋肉に異常が出たりしているときなどです。

ここからは、噛むと歯が痛いときに考えられる9個の原因とそれぞれの対処法について説明します。

1.歯周病

噛むと歯が痛む原因の一つに、歯周病が挙げられます。歯周病は、歯を支えている骨が溶けてしてしまう病気です。口腔内に歯垢や歯石が溜まっているのが原因で、軽症のうちは自覚症状がほとんどありません。そのため、噛むと痛い原因が歯周病ならば、かなり進行している可能性が高いです。

歯周病は、歯医者さんでの歯石除去と自宅でのケアで治せます。重度になると歯が揺れたり、抜け落ちたりしてしまうため、早めに処置を受けましょう。

2.歯根膜炎・根尖病巣

噛んだときに歯が痛む原因には、歯根膜炎(しこんまくえん)も考えられます。歯根膜炎とは、歯を覆っている歯根膜が炎症を起こしている状態のことです。炎症を起こすことで、歯茎が腫れたり、噛むと痛みが生じたりします。

家でできる対処法は、冷やすことです。ただし、冷やしても痛みが軽減できないときは、無理に冷やさないようにしましょう。

歯医者さんでは、歯の根っこの治療を行います。根っこの中の清掃・消毒を繰り返し行って炎症を抑えていくため、治療には数回の通院が必要です。

もし途中で治療をやめてしまうと、炎症が広がって「根尖病巣(こんせんびょうそう)」になってしまう恐れがあります。根っこの部分が赤くぷっくりと腫れたり、歯茎の骨が溶けたりします。そうならないためにも、最後までしっかり治療を受けることが大切です。

3.噛み合わせの不調

詰め物や被せ物のズレ、歯ぎしりによる歯のすり減りなどによって歯の高さが変わってしまった場合も、歯の痛みが生じることがあります。そのままにしていると、歯の神経に悪影響を与えてしまったり、頭痛などを引き起こしたりしてしまう恐れがあります。

歯医者さんで相談すれば、詰め物・被せ物の調整や、マウスピースによる治療が可能です。自分では原因が分かりづらいため、歯医者さんで相談してみることをおすすめします。

4.親知らず

噛むと歯が痛む原因として、親知らずの生え方が挙げられる可能性もあります。親知らずが斜めに生えている場合は、隣の奥歯を押したり、汚れが溜まって歯茎が炎症を起こしたりしているかもしれません。

痛みが強い場合は、一時的に痛みを軽減させるために痛み止めの服用も可能です。ただし、根本的な解決にはなりません。歯医者さんで抜歯をしてもらったり、炎症を抑える薬をもらったりしましょう。

5.知覚過敏

噛むと痛みが生じるのに、歯や歯茎に異常がない場合は、知覚過敏かもしれません。知覚過敏は、歯の表面にあるエナメル質が減り、外部の刺激を受けやすくなっている状態のことです。特に歯にものが当たるときや、冷たいものを食べたときに一時的に痛みを感じやすくなります。

自宅では、知覚過敏用の歯磨き粉を使用することで痛みを和らげることができる場合もあります。一方で歯医者さんでは、樹脂の詰め物を入れたり、歯を専用の薬でコーティングしたりする治療が可能です。

6.筋膜性歯痛

知覚過敏のような症状もない場合は、口周りの筋肉に過度な負担がかかっているかもしれません。これは、筋膜性歯痛と言います。歯ぎしりや食いしばりを日常的にする方は、噛むときに使う筋肉に負担がかかりやすいです。一部の歯に過度な力が加わり続けた結果、噛むときに痛みが生じている可能性があります。

対処法は、できる限り歯ぎしりや食いしばりの癖を改善することと、筋肉をほぐすことです。歯ぎしりや食いしばりを軽減するには、歯医者さんでマウスピースを作ってもらいましょう。その他にも、患部を温めて筋肉の緊張を解いたり、ストレッチをしたりするといいとも言われています。

7.頭痛や神経の障害

お口周りに原因がない場合は、頭痛や神経の障害によって歯の痛みが生じている可能性があります。例えば、味や味覚を伝える「舌咽神経(ぜついんしんけい)」や、顔の感覚を脳に伝える「三叉神経(さんさしんけい)」に障害が出ている場合は、下顎の奥歯あたりに痛みが出やすいと言われています。

その場合は、一般的な歯医者さんで治療は受けられません。口腔外科を扱う大きな病院や、脳神経外科を専門とする病院で相談しましょう。

8.精神的ストレス

精神的に疲れていたり、ストレスが溜まっていたりする場合も歯が痛むことがあります。これらがあると、無意識のうちに食いしばりをしていることがあるからです。

噛み締めは、継続して行っていると歯ぎしりと同様に歯に負担をかけてしまいます。マウスピース治療を受けるとともに、ストレスの原因となっている習慣を取り除けるよう動くことが大切です。

9.体の不調や病気

口周りに原因がない場合の歯の痛みは、体の病気が関係しているかもしれません。心筋梗塞や狭心症など、心臓にかかわる病気が原因で歯が痛むことを、「心臓性歯痛」と言います。また、副鼻腔炎など鼻の炎症によって歯痛が起きることを、「上顎洞性歯痛」と言います。

それぞれの病気でかかっている病院やクリニックで、相談してみると良いでしょう。

まとめ

本記事では、虫歯以外に考えられる歯痛の原因と対処法を9つ紹介しました。歯の痛みは、必ずしも口周りが原因とは限りません。歯医者さんで「口腔内には問題がない」と言われた場合は、体の病気をしていないか、ストレスが溜まっていないかなども考えてみてください。

掲載内容に問題がありますか? 報告する