口の中のできものは口内炎以外にもある?できものの種類や受診目安なども解説

「口の中にできものがあるけど何かの病気?」「口の中のできものは歯医者さんに診てもらった方がいい?」と思う方も多いのではないでしょうか。

実は口の中にできものができる原因は様々であり、中には病気が隠れている場合もあります。

当コラムでは、口の中のできものの種類、日常生活で気を付けることや受診目安について解説していきます。

口の中のできものは口内炎であることが多い

女性の写真

口の中のできものといっても原因は様々です。中でも1番多いと言われているのが口内炎と言われています。口内炎はウイルスが原因となるものから矯正器具や自身の歯などといった機械的な刺激によるもの、または原因不明のものまであります。

口内炎の場合は症状として痛みを伴うこともありますが、十分な休息をとることや口の中の清潔を保つことで自然に治ることも多くみられます。また、原因がわかっている場合は原因に対して治療を行うことで症状の改善がみられるのです。

また、口内炎以外に考えられる口のできものについては以下の5つがあります。

 

①嚢胞(のうほう)

体の中に発生する膿の袋を伴う病気のことを言います。口の中の嚢胞の場合は、歯と関係のある嚢胞の歯根嚢胞、歯と関係のない嚢胞の粘液嚢胞の2つがみられます。

歯根嚢胞は歯の根元の先端部分が感染を起こし膿が袋状に溜まる病気です。初めのうちは無症状のことがほとんどですが、感染により痛みや腫れといった症状がみられます。

粘液嚢胞は唾液を分泌する小唾液腺がふさがれることで、唾液が袋状にたまる病気です。唇を噛んでしまうなどといった外的刺激によって発生します。水ぶくれのような膨らみがみられますが、痛みはほとんどありません。

 

②乳頭腫(にゅうとうしゅ)

口の中に発生する白っぽいカリフラワーの表面のようなイボのようなものです。誤んで噛んでしまったり、歯に合っていない被せ物やアルコールなどと継続的な刺激によるものが原因と考えられています。

基本的には良性の腫瘍であると言われていますが、まれに悪性化することもあると言われています。そのため切除手術をした後も経過観察が必要です。

 

③前癌病変(ぜんがんびょうへん)

将来的に癌になる可能性が高い病変を言います。口の中の前癌病変は白板症、赤板症、口腔扁平苔癬などがあります。

白板症は口の中に白いできものができ、こすってもはがれないのが特徴です。周囲が赤くなり、食べ物がしみたりぶつかると痛みが出たりすることがあります。癌化する可能性は約3〜10%程度とも言われています。

赤板症は口の粘膜が赤くなり潰瘍ができたり盛り上がることもある病気です。触ったり刺激物を食べたりすると痛みが出るのが特徴です。まれな病気とも言われていますが、白板症よりも癌化する可能性が高く、その確率は約50%と言われています。

口腔扁平苔癬はレース上や網状の白いできものであり、頬の内側によくみられます。原因が不明のためなかなか治らないのが特徴です。前癌病変と言われていますが、癌化する可能性は低く約1%と言われています。

 

④悪性腫瘍

口の中のできものはまれに悪性腫瘍である口腔癌のことがあります。口の中やその周辺の組織にできることが多く、できる部位によって以下の6種類に分類されます。

  • 舌癌
  • 歯肉癌
  • 口腔底癌
  • 頬粘膜癌
  • 口蓋癌
  • 口唇

症状としては潰瘍になることが多く、見た目が口内炎に似ていたり痛みも少ないことから気が付いた時には進行している可能性が高いと言われています。手遅れになる可能性が高いため、早期発見し早期治療することが大切です。

 

⑤骨隆起(こつりゅうき)

コブのような硬い骨のふくらみが歯茎にできた状態を言います。歯ぎしりや食いしばりが強いとその刺激により骨が盛り上がってできます。痛みはありませんし、病的なものではないので経過観察でも問題ありません。

しかし、骨隆起は少しずつ大きくなるため日常生活に影響が出る場合は切除を行います。また、切除をしても繰り返し再発することもあるため、マウスピースを使用し歯ぎしりや食いしばりを日頃から防ぐことも必要です。

 

日常生活で気を付けることや受診目安

歯磨きをしている写真

まず、口腔ケアをしっかり行うことで口の中のできものを予防できることがあります。口の中の細菌を少なくすることは、病気の予防にもつながるのです。また、定期的に歯医者さんで歯のクリーニングをすることもおすすめします。

他にも休息をしっかり取ることやバランスの取れた食事を心がけること、口の中の乾燥を防ぐことも大切です。

また、2週間以上経ってもなかなか治らないできものや同じところに繰り返しできるできものがある場合は、自己判断はせず歯医者さんに相談することをおすすめします。特に口腔外科のある歯医者さんで診てもらうのがよいでしょう。早期発見と早期治療が大切です。

【まとめ】口の中のできものが2週間以上経っても治らない場合は歯医者さんに相談しよう!

当コラムでは、口の中のできものの種類、日常生活で気を付けることや受診目安について解説しました。

口の中のできものは口内炎のことが多いと言われていますが、他の病気が隠れていることもあります。中には日常生活に影響を及ぼすこともあるため、自己判断はせず歯医者さんにまずは相談することをおすすめします。

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