おしゃぶりは歯並びに悪影響?使用時の注意点とやめ時について解説

「赤ちゃんの寝かしつけや夜泣きの時に、おしゃぶりを使用したい」と考えている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

赤ちゃんはおしゃぶりがあると気持ちが安定するため、子育て中の方にとっては心強いアイテムの一つです。一方で、「歯並びが悪くなるからよくない」と言われたことがあり、使用を躊躇している方も少なくありません。

そこで本記事では、おしゃぶりが歯並びに与える影響と使用時の注意点について説明します。歯並びを悪化させないためには、おしゃぶりを正しく使うことが大切です。これから使おうと考えている親御さんは、ぜひ参考にしてください。

 

おしゃぶりで歯並びが悪くなる可能性はある

赤ちゃんには、口に入ってきたものを強く吸う「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」が生まれつき備わっています。そのため、おしゃぶりを口に入れると自然と吸い付きます。

しかし、吸啜反射は大人が思っている以上に強いため、おしゃぶりを吸うのと同時に前歯にも力が加わるのです。歯に力が加わる時間が長いほど、開咬や搾取歯列弓(きょうさくしれつきゅう)になるなど、歯並びに影響が出やすくなります。

ここからは、開口や搾取歯列弓がどのような症状なのかを順に説明します。

開咬・出っ歯

開咬とは上下の前歯が噛み合わず、隙間ができている状態のことです。前歯は食べ物を噛み切る役割がありますが、隙間ができているとうまく噛み切れなくなります。それに加え、発音しにくくなるケースもあります。

子どもが成長してからもおしゃぶりを使っていると、開咬や出っ歯になる恐れが高くなります。

搾取歯列弓

搾取歯列弓とは、歯列の幅が狭いことです。正常な歯列はU字型で横に広い馬蹄形をしていますが、搾取歯列弓の方はV字型で狭くなっています。歯列の幅が狭まると歯が並ぶスペースがなくなってしまうため、歯列がデコボコになります。

 

おしゃぶりは正しく使うことが大切!

おしゃぶりの使用は、赤ちゃんの心の安定にもつながるため悪いことではありません。しかし、歯並びへの影響を少なくするためにも、正しく使うことが大切です。

ここからは、おしゃぶりを使用する際の注意点を3つご紹介します。

①口の大きさに合うものを選ぶ

おしゃぶりは、赤ちゃんの口の大きさに合ったものを選びましょう。最近はかわいいデザインのおしゃぶりもたくさんありますが、大きさが合っていないものは赤ちゃんに負担を与えてしまいます。

また身体の成長に伴って、口の大きさも変わります。口に合っていたものも次第に合わなくなってしまうため、口の変化に合わせておしゃぶりも買い替えが必要です。

おしゃぶりのパッケージに記載されている「適した月齢」を参考に、赤ちゃんのお口に合う形や大きさのものを選んであげてください。

②使用時間やルールを決めて使う

おしゃぶりを使用する時は、使用時間やルールを決めて使いましょう。赤ちゃんが泣いているとおしゃぶりを与えて落ち着かせたくなりますが、だらだら使用すると着用時間が長くなってしまう恐れがあるからです。

また黄昏泣きのように原因なく泣いている場合もありますが、お腹が空いている、おむつが汚れた不快感があるなど、泣いている理由が明確な時もあります。泣き続ける赤ちゃんをあやす親御さんは大変ですが、理由を探す気持ちも大切にするとよいでしょう。

外出時は泣き止ませたい場面も多々あるため、「家では使わない」「寝かしつける時だけ使う」「外出時は使っても良い」など、使用のルールを決めておくと気兼ねなく使えます。

③清潔に保つ

おしゃぶりは赤ちゃんの口に入るものです。菌が付着していた場合は口から感染して体調を崩す恐れがあるため、使用前に洗浄・消毒を必ず済ませておきましょう。

おしゃぶりの素材によって、洗浄方法は異なります。不適切な方法で行うと破損につながるため、素材にあった方法を確認しましょう。

また外出先で落としたり、壊れたりする恐れもあります。使いたい時に使えないと赤ちゃんも不安になってしまうため、スペアを用意しておくと困った時に助かります。

 

おしゃぶりの卒業は2歳頃が目安

おしゃぶりは、2歳頃を目安に卒業するとよいでしょう。2歳頃であれば、噛み合わせに影響が出始めていても改善の見込みがあるからです。

歯列に影響を与えるからと言って、おしゃぶりを好んで使っている赤ちゃんから無理やり取り上げてはいけません。おしゃぶりが大好きな赤ちゃんにとっては、急にやめるのはストレスになってしまいます。

1歳6カ月頃から、少しずつ使用する機会を減らしていきましょう。精神的な負担をかけないためにも、体調や機嫌が良い時にやめる練習を始めることをおすすめします。

 

まとめ

赤ちゃんはおしゃぶりがあると気持ちが安定するため、親御さんにとっては役立つアイテムの一つです。しかし、赤ちゃんの吸い付く力は思った以上に強いため、長期間の使用は歯並びを悪くする原因になります。

2歳を過ぎても使用している場合は、上下の前歯が噛み合わず隙間ができている「開咬」や、歯列の幅が狭い「搾取歯列弓」になる恐れがあります。悪化させないためにも1歳6カ月頃から使用頻度を減らし、2歳頃を目安に卒業を目指しましょう。

使用する際の注意点は、お口の大きさに合うおしゃぶりを使うこと、だらだら使わないよう使用時間やルールを決めること、清潔な状態を保つことの3つです。歯並びへの悪影響を減らすためにも、おしゃぶりは正しく使いましょう。

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