歯のヤニ取りにはどんな方法がある?効果的な方法を詳しく解説

歯のヤニ取りにはクリーニングなど歯医者で行う方法と、ステイン除去効果がある歯磨きを使用するなど自宅で行う方法があります。ヤニ取りは汚れを落とすことが重要になりますが、ブラッシング方法が間違っているとかえって黄ばみの原因になることがあります。

歯にヤニが付着すると黄ばむ理由

唾液にはぺクリルというたんぱく質成分が含まれており、歯の表面を薄くコーティングすることで、食事による刺激から歯を守っています。

タバコに含まれるタールは黒色のため、ぺクリルと結合することで歯が黄ばみます。

タールの量が少なければ、こまめな歯磨きで除去できますが、タバコを継続的に吸うとぺクリルとタールが蓄積され、歯磨きでは落とせないほど頑固な汚れとなります。

歯医者さんでヤニ取りをする場合

歯医者さんでヤニ取りする方法は、クリーニングとホワイトニングがあります。保険適用になる場合と自費診療になる場合があります。

クリーニング

歯科医院で行われるクリーニングは、PMTC(プロフェッショナル・メディカル・ティース・クリーニング)と呼ばれています。

まず、超音波によって歯石を粉砕して汚れを落とします。そのあと、研磨剤入りの薬剤を用いてゴム製のチップで歯を磨いていきます。研磨剤は歯の表面を薄く削る作用があるので、歯に付着した頑固なヤニも落とすことができます。

クリーニングはヤニ取りだけでなく、プラークや歯石も取り除くことができるため虫歯や歯周病予防にもつながります。推奨されているクリーニングの頻度は、3〜6か月に1回です。

クリーニングの所要時間は、30〜60分程度です。費用は保険適用か自費診療かで異なります。

  • 保険適用:2,000~4,000円(歯周病の治療目的も含む場合)
  • 自費診療:5,000円~30,000円(着色汚れの除去のみを目的とする場合)

歯石やヤニが大量に付着していた場合、クリーニング後に歯がしみる可能性があります。歯の表面が露出することにより、刺激を感じやすくなるためです。クリーニング後に歯がしみる場合は、冷たいものを控えたり、優しくブラッシングをしたりなど強い刺激を与えないようにしましょう。

ホワイトニング

ホワイトニングはクリーニングだけでは黄ばみが取れなかった歯を白くすることができます。自費診療のため、費用はかかりますが歯を削ることなく白くできるため安心です。

オフィスホワイトニング

歯科医院で行うホワイトニングです。クリーニングで歯の汚れを除去したあと、ホワイトニング剤を歯の表面に塗布し、専用の光を当てることで歯を白くさせます。

白さの希望によって1〜3回ほど行います。即効性はありますが色戻りしやすいので、白さを維持したい場合は定期的に通う必要があります。

ホワイトニング後は特に着色しやすいため、1〜2日はタバコを控えましょう。

費用は自費診療であり、1万5,000〜6万円です。

ホームホワイトニング

自宅で行うホワイトニングです。自分の歯型で作ったマウスピースにホワイトニング剤を注入し、一定時間装着して歯を白くさせます。歯の内側に薬剤を浸透させる必要があるため、濃度によりますが30分〜2時間ほど装着する必要があります。

効果が出るまで2週間ほどかかりますが、色持ちが1年程度と色持ちが良いのがメリットです。マウスピースと薬剤があればいつでもホワイトニングができるため、診察以外に通院する必要はありません。

使用するホワイトニング剤にもよりますが、ホワイトニング後6時間はタバコを控えるようにしましょう。

費用は、1万5,000〜4万円です。

自分でヤニ取りをする場合

歯磨き粉や歯の消しゴムなど市販のもので、自宅で簡単にヤニ取りができます。使用時の注意点などもあわせて解説します。

歯の消しゴム

歯の消しゴムとは、研磨剤が含まれているシリコンゴムのことです。ほとんどがペンのような形になっています。研磨剤により歯の表面を削ることで、直接ヤニを落とします。歯磨き粉よりも即効性があり白くなります。

しかし、歯の消しゴムを頻繁に使ったり強い力で擦ると過剰にエナメル質が削れてしまい、知覚過敏になる可能性があります。また、歯肉に当たった際は歯茎も傷つけてしまうため使用には注意が必要です。

歯の消しゴムは歯を削る行為になるため、使いすぎるとかえって傷ができて着色しやすくなります。イベント前の時だけ使用するなど、頻繁に使うのはやめましょう。

ヤニ取り効果がある歯磨き粉

ヤニ取り効果のある歯磨き粉は、「ステイン除去」や「ホワイトニング効果あり」と書かれている歯磨き粉です。

ヤニ取りに効果が期待できる成分は以下の3つです。

  • ポリリン酸ナトリウム
  • ポリエチレングリコール(PEG)
  • ポリビニルピロリドン(PVP)

歯の表面に付着したヤニなどの着色汚れを浮かして落としてくれます。特に、ポリリン酸ナトリウムはヤニ取りだけでなく歯のコーティング作用もあるため、ヤニの付着を予防する効果も期待できるでしょう。

ヤニ取り効果のある歯磨き粉を日常的に使用することで、簡単に黄ばみを予防することができます。

歯磨き粉は毎日使うものなので、紹介したヤニ取りの中で一番手軽な方法といえます。忙しくて歯医者さんに通院できない人や、長時間マウスピースの装着が苦手またはできない人に最適なヤニ取りです。

ヤニの付着を予防する方法

工夫次第でヤニの付着は抑えられます。日頃からできる予防方法についてご紹介します。

ヤニ取りパイプを使用する

タバコのフィルターによりタールは濾過されていますが、その量はごくわずかです。ヤニ取りパイプはタバコの吸い口に装着して使用します。煙がパイプ内を通過する際に、タールやニコチンをある程度吸収します。摂取するタール量が減少するため、ヤニの付着を軽減することができます。

歯を優しく磨く

歯磨きの際に、強くブラッシングをしてしまうと歯の表面に細かい傷がついてしまいます。傷ができた部分に汚れが溜まりやすくなるため、ヤニも付着しやすくなります。ブラッシングで力が入りやすい場合は、やわらかめの歯ブラシを使用しましょう。弱めの力で小刻みにブラッシングをすると効果的です。1本ずつ意識して磨くようにしましょう。

 

歯の消しゴムを使用するときも同様に優しく磨いてください。研磨剤は歯を削る作用があるため、特に力の入れすぎには注意です。

こまめに歯を磨く

喫煙習慣のある人はこまめに歯を磨くことで、ヤニの付着を予防することができます。ペリクルとタールは、半日〜1日で結合するため1日に数回歯を磨くようにしましょう。歯磨きはヤニ取りだけでなく、コーヒーや紅茶など色素の濃い飲み物による着色汚れも予防します。汚れや黄ばみを定着させないよう、こまめに歯磨きをすることが大切です。

 

歯のヤニ取りは日頃のケアで可能

ヤニの原因であるタールを定着させないためには、日頃からヤニ取り効果のある歯磨きを使ってこまめに歯を磨くことが重要です。しかし、蓄積されたヤニは頑固でなかなか落とすことができません。歯磨きで落ちない場合は歯医者さんでクリーニングを受けましょう。

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