舌のギザギザは何が原因?痛みを伴う場合や改善方法について解説

舌のギザギザは歯型によるものです。舌がむくむと歯に押し当てられるため、ふちがギザギザになります。東洋医学では「気虚」と呼ばれており、体のエネルギーが不足して自律神経が弱っている状態を意味します。

今回は、舌がギザギザになる原因と改善方法について解説していきます。

舌がギザギザになる原因

舌がギザギザになる主な原因は血流が滞り、体内に水分がたまっている状態です。口内の状態が影響する場合もあるので、以下に詳しく解説します。

むくみ

舌がむくむと膨張するので、歯型にそって舌のふちがギザギザになります。むくみは手足だけでなく舌にも現れます。水分の摂取量が多い人や代謝が悪い人は、体内に水分がたまって舌がむくみやすくなります。

下痢やめまい、疲れやすいなどの症状も一緒に出ることがあります。体内の水分が多いと冷え性になる場合があり、血液循環が悪くなります。

普段から塩分の多い食事をとっていたり、デスクワークなど長時間同じ姿勢を続けている人は注意が必要です。

慢性疲労

疲れが溜まると自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると体の新陳代謝が悪くなるため、体の中の水分が排出されずにどんどん溜まっていきます。新陳代謝とは、古いものを新しいものに入れ替えることです。余分な水分が排出されないことにより、むくみが発生し舌がギザギザになります。 

新陳代謝が悪い場合は、消化器系の機能が低下していることも考えられます。

舌の筋力低下

上顎の歯茎に舌先がついている状態が正常な舌の位置です。舌の筋肉が弱いと下顎に落ちやすくなり、舌のふちが歯に当たることでギザギザになります。

普段から口呼吸している人や、鼻づまりで鼻呼吸ができない人に多く当てはまります。舌の位置が低いと二重顎や顔のたるみにもつながるので、舌が下がりやすい人は上顎に舌先をつけるように意識しましょう。

歯並びが悪い

舌の側面に歯が接触するような歯並びの場合は、舌がギザギザになることがあります。むくみがなくても、舌に歯型がついてしまいます。

食いしばり

食いしばりがあると、強い力がかかった状態で舌が歯に接触します。舌のギザギザだけでなく、頬の内側もボコボコしていることが多いです。通常、上下の歯は接しません。就寝中の歯ぎしりも同様に、強い力で舌が歯に押し当てられるため、舌がギザギザになりやすいです。 

食いしばりはストレスや重いものを運ぶときなどに生じるといわれているため、日中に自分が食いしばっていないかチェックしましょう。

舌癌

可能性はかなり低いですが、舌癌の症状の一つでもあります。舌のギザギザにくわえて、舌苔が黄色や黒色に変色していたり、しこりが確認されたりする場合は歯科医院を受診しましょう。

 

舌がギザギザの場合に起こりやすいこと

舌のギザギザは自律神経が弱っているため、エネルギーの消耗が激しい状態です。

舌がギザギザになっている場合に起こりやすいことを6つ紹介します。

  • 疲れやすい
  • 集中力が続かない
  • 全身がむくみやすい
  • 風邪を引きやすい
  • 舌を噛みやすい
  • ろれつが回りにくい

自律神経の乱れによって、疲れやすさや全身のむくみやすさがあります。舌がむくむと大きくなるので、舌を噛みやすくなったり、ろれつが回りにくく話しづらさを感じたりすることがあります。

 

舌がギザギザして痛い場合は?

舌がギザギザしていて痛い場合は、「舌痛症」が考えられます。舌痛症は舌に慢性的な痛みやしびれが生じる病気です。一時的に痛みが治まったり、見た目に変化がなかったりするので発見しづらいのが特徴です。 

はっきりとした原因がわかっていないのが現状で、神経痛の一種としてとらえられています。痛みだけでなく、味覚異常や口内の乾燥を訴える人も多いです。

そのほかの痛みの原因は、詰め物や被せ物が当たっているなどが考えられます。

 

舌のギザギザを改善する方法

舌のギザギザを改善するには体を温め、血行を良くすることが必要です。また、むくみを予防することも重要になります。

以下に具体的な方法について説明します。

塩分を控える

舌がギザギザになる主な原因はむくみです。舌がむくまないようにするためには、塩分を控える必要があります。ナトリウムは体内に水分を引き込む役割があるからです。カリウムはナトリウムを排出させる働きがあるため、意識的に摂取すると良いでしょう。

ただし、カリウムの過剰摂取は体内の電解質バランスが崩れ、心臓に影響を及ぼす危険性があるため、とりすぎには注意が必要です。

薄味の食事を心がけ、 カリウムが多く含まれる緑黄色野菜や小魚を積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

冷たい飲み物を控える

冷えは新陳代謝を低下させるため、冷たい飲み物は控えるようにしましょう。特に冷えやすい冬は生姜など体を温める成分のあるものを積極的に摂取して、体を冷やさないことが大切です。

いつもシャワーだけで済ましてしまう人は、湯船に浸かって血流を良くしましょう。 体を温めると消化器官も活発化されるため、便秘改善など体全体の健康にもつながります。

適度に運動する

適度に運動することで血流が良くなり、むくみが改善されます。 

舌のむくみをとるには首から上の運動も効果的です。首をゆっくりと回したり、舌先を両頬交互に突くようにしたりすると、血流が良くなり舌の筋肉も鍛えられます。

「あいうべ体操」もおすすめです。「あいう」のときは口を大きく動かして、「べ」のときはあっかんべーをするように舌を思いっきり出します。

舌と口周りを動かすことで、 血行が促進され自律神経の活性化が見込めます。

激しい運動や過労を避ける

適度な運動は必要ですが、激しい運動や過労は避けましょう。舌のギザギザは慢性疲労が原因であることを説明しましたが、過度な運動を続けることは疲労につながります。

心も体も無理なエネルギーを使わないように、睡眠時間をしっかり確保し、食事の際はよく噛んで食べることを意識すると自律神経が整いやすくなります。

 

舌がギザギザしている場合は生活習慣を見直す

舌がギザギザしている場合は、むくみや疲労が溜まっていることが考えられます。自律神経の乱れにより、エネルギーの消耗が多くなっている状態のため、一度生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。 

舌だけでなく手足にもむくみがあり、倦怠感が続く場合は医療機関を受診しましょう。

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