「抜糸=痛い」は勘違い!抜糸までに注意するべきことを解説

親知らずなど歯茎を切って歯を抜いた場合、縫合を行う必要があります。縫合後には抜糸が行われます。抜糸はなんとなく痛いイメージがあるかもしれませんが、抜糸=痛いは勘違いかもしれません。

当コラムでは、抜糸は痛いのかだけではなく抜糸までも注意しなければいけない事項について解説していきます。

「抜糸は痛い」は一昔前のイメージ

歯医者の写真
インプラントの治療や歯茎を切った後の処置として行われるのが縫合です。縫合したあとの糸を抜き取る処置のことを「抜糸」と呼びます。抜糸や縫合はインプラント治療、歯茎を切ったあとに行われます。

縫合後、時間が経過すると自然と糸が溶けてなくなる方法もあり、自然と糸が溶けるため抜糸は行いません。

縫合を行う理由

歯茎を切ると穴が空いた状態のため骨がむき出しとなります。空いた穴に血が流れ蓋のような役割を果たすのですが、しっかり蓋の役割をするまでに歯磨きやうがいで流れ出てしまうことがあります。血液が流れ出る事を防ぐために縫合を行うのです。

歯科医師が縫合をする必要がないと判断すれば縫合を行わないこともあります。

抜糸の方法

抜糸は縫合している部分の糸を切り、消毒して完了です。麻酔をせずに行われますが痛みはほとんどありません。痛みがある場合は、歯科医師に相談し抗生物質や痛み止めを出してもらいましょう。

抜糸までの流れ

女性の写真
抜糸までの流れはいくつか考えられますが、例として親知らずを抜き、抜糸までの流れを見ていきましょう。

①診察を行い親知らずを抜く

診察で親知らずの生え方、歯茎を確認しどのように抜歯するのか治療方法を考えます。親知らずを抜く前に歯石の除去や歯のクリーニングを行うこともあります。

抜歯をする際は麻酔が使われますが、数時間は痛みを感じるかもしれません。

②縫合と抜糸

親知らずを抜き、歯茎をふさぐために縫合を行います。抜歯時に行う麻酔が1時間〜4時間程度効いているため、痛みを感じることはほとんどありません。

1週間〜2週間後、傷がふさがったら抜糸を行います。親知らずを抜いた翌日は消毒のために通院が必要な場合もあります。

③抜糸後

抜糸を行い歯茎が完治するには、1ヶ月の時間を要すると言われています。歯茎の中の骨が回復するには、3ヶ月〜半年かかりますが抜糸を行い傷口が治っていれば日常の生活を過ごして問題ありません。

 

抜糸までの間に注意するべき事項

歯ブラシの写真
抜糸を行うまでは以下の事項に注意するようにしましょう。

①優しく歯磨きをする

傷口を縫っている状態ですので、ゴシゴシと歯を磨くのではなく優しく歯を磨くように心がけましょう。

②糸を触らない

口の中の粘膜は柔らかいため、しっかり縫うと歯茎が切れてしまうことがあります。そのためあえて弱く縫われているのですが、縫っている箇所を指や舌、歯ブラシなどで触ると糸が取れるかもしれません。

口の中の状態が気になるからと触ってみたいかもしれませんが、糸は触らないようにしましょう。

③激しい運動は行わない

歯を抜いてから2,3日は激しい運動を行わないようにしてください。激しい運動を行うと血液の巡りが良くなってしまい、出血が止まらなくなります。運動は、出血が止まるまで待ちましょう。

④飲酒しない

抜歯後は抗生物質や痛み止めが処方されます。薬を服用している時に飲酒をすると、湿疹が出たり身体に異常が出ることがあります。薬を服用している時は飲酒は控えてください。

⑤反対側で噛む

食べ物が糸や傷口に当たると血が出るかもしれません。抜糸まではできるだけ反対側で食事を行うようにしましょう。

抜糸までに起こりうるトラブル

女性の写真
抜糸をするまでに考えられるトラブルがこちらです。

①糸が取れてしまった

抜糸をする日程よりも早く糸が取れてしまった場合は、すぐに歯医者さんへ連絡をします。状態によっては、再度縫い直す必要があるからです。縫合を行って2,3日経って出血がなければそのままでも良いこともありますが、歯医者さんへ連絡して指示を仰ぎましょう。

②口臭が気になる

口から血の匂いがして口臭が気になることがあるかもしれません。血が止まるまでは洗口剤の使用は避けてください。アルコール成分が強いリステリンではなく、イソジンなど殺菌成分のある洗口剤がおすすめです。

③食べかすが詰まった

縫っている箇所に食べかすが詰まってしまった場合は、うがいや歯ブラシで取り除きましょう。食べかすを取ろうとして血が出てきた際は、無理に取ろうとせずに歯医者さんへご相談ください。

【まとめ】抜糸は痛くないのでご安心を

当コラムでは、抜糸は痛いのか、抜糸までに注意するべきことやよくあるトラブルについて解説しました。抜糸は糸を抜くだけですので痛くありません。抜糸を行う必要がない糸もありますので、気になる方は相談してみるのもおすすめです。

万が一抜糸を行う前に糸が取れてしまった場合も、歯科医師にご相談ください。

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