歯が透明になるのはなぜ?酸蝕歯の原因と8つの予防方法

鏡を見たとき、歯の先端部分が透明になっていると心配になる方も多いかと思います。

歯が透明になるということは歯が薄くなっている状態です。

今回は、歯が透明になる原因と予防方法について解説していきます。

 

歯が透明になる「酸蝕歯」とは

歯が透明になる理由は、歯の表面にあるエナメル質が溶けて歯が薄くなっているからです。

歯を溶かす原因が酸であるため、「酸蝕歯(さんしょくし)」と呼ばれています。

歯が透明になっている状態を放置すると、歯がもろくなり、欠けたり折れたりする原因にもなります。

歯が削られていくため、詰め物が取れたり、噛み合わせが悪化する恐れもあるでしょう。

酸蝕歯が重症化すると、虫歯の進行が早くなり歯を失う可能性や、知覚過敏が進行することで神経の除去が必要になる場合もあります。

 

酸蝕歯の症状

酸蝕歯は歯が透明になること以外にさまざまな症状があります。

初期と中期に分けてご紹介します。

初期

  • 艶がない
  • 歯の表面や角が丸みを帯びている
  • 冷たいものを摂取すると歯がしみる
  • 歯が黄ばんで見える

 

中期

  • 歯の先端部分が透明になる
  • 先端のひび割れや表面に小さな凹みが見られる
  • 知覚過敏が重症化する
  • 詰め物や被せ物が取れやすくなる
  • 歯の黄ばみが進行し茶色っぽく見える
  • 虫歯の進行が早くなる

 

酸蝕歯の原因

酸蝕歯は口内が酸性になっている状態を長時間放置することが原因で発生します。

酸が歯に付着する原因を以下に詳しく説明していきます。

酸の強い飲食物を頻繁に摂取する

柑橘類、酢、ワイン、炭酸飲料などは酸が強く、普段から摂取していると長時間にわたって歯が酸にさらされている状態になります。

飲酒や食事後すぐに寝る

飲酒や食事後は口内が酸性になります。

就寝中は唾液の分泌量が低下するため歯の石灰化が起こりにくく、歯を磨かずに寝ると歯が長時間にわたり酸と接触することになります。

唾液の分泌量が少ない

口内は唾液によって中性に近い弱酸性に保たれています。

口呼吸や就寝中など唾液の分泌量が減少すると、口内の酸の濃度を下げることができません。

胃液の逆流や頻繁に嘔吐する

胃液はレモンと同等の強酸性であり、逆流性食道炎などで胃酸が逆流すると口内が酸にさらされます。

拒食症などで頻繁に嘔吐する場合も胃液が口内に逆流し、歯に酸が付着してしまいます。

酸蝕歯の治療方法

歯が透明になっていることに気づいたら、悪化させないよう早めに治療をしましょう。

自宅でできる方法と歯科医院で受けられる治療方法についてご紹介します。

自宅

エナメル質を強化する歯磨き粉を使用してください。

フッ素やリカルデントは歯を強化しエナメル質の修復を促進してくれます。

歯科医院

歯がしみる場合、歯に薬剤を塗布し知覚過敏の治療をします。

酸蝕歯が進行し、歯が欠けたり薄くなったりした場合は、詰め物や被せ物の治療を行います。

歯の石灰化を促す薬剤を入れマウスガードを装着する治療方法もあります。

酸蝕歯の予防方法

酸蝕歯にならないまたは悪化させないためにはさまざまな方法があります。

歯の健康を保つための具体的な方法をご紹介します。

酸の強い食べ物・飲み物を減らす

日頃から酸の強い食べ物や飲み物を摂取している場合は、頻度や量を減らしましょう。

だらだら食べ続けない

食後は口内が酸性になり、唾液によって中和され歯の石灰化が行われます。

食事のタイミングを決めずだらだら食べ続けていると、口内が常に酸性の状態になってしまいます。

歯の石灰化を促すために食事は時間を決めて摂取しましょう。

就寝前の飲食は控える

就寝中は唾液の分泌量が少なくなり、歯の石灰化が起こりにくくなります。

酸は食後に増加するため、就寝前は飲食を控えましょう。

食後はうがいをする

食べかすが口内に残っていると、酸が増加し細菌が増殖します。

食事後にうがいをすることで口内の酸性化を予防できます。

食後すぐに歯磨きをしない

食事によりエナメル質がやわらかくなるため、食後すぐに歯磨きをするとエナメル質を傷つけてしまう可能性があります。

食後に歯を磨く場合は、30分以上空けるようにしましょう。

やわらかい歯ブラシを使用する

エナメル質を傷つけないよう、歯ブラシはやわらかめのものを選ぶことをおすすめします。

歯を磨く際も、力を入れすぎずやさしく磨きましょう。

ガムを噛む

ガムを噛むと唾液の分泌が促されます。

歯の再石灰化を促進するフッ素やリカルデントが入っているものがおすすめです。

高濃度フッ素やリカルデント入りの歯磨き粉を使用する

高濃度のフッ素やリカルデント入りの歯磨き粉を使用することで、日頃からエナメル質を保護・修復することが可能です。

 

歯が透明になっていると気づいたら注意

歯が透明になっている場合、酸蝕歯の可能性があります。

重症化するとさまざまなリスクが考えられますが、酸蝕歯は日頃のケアで予防することができます。

歯が透明になっていると気づいたら生活習慣を見直してみてください。

心配な場合は歯科医院で診療を受けるのも良いでしょう。

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