検査しても虫歯じゃない?ストレスで歯痛が生じるって本当?

歯が痛くてしょんぼり。忙しい時間をどうにかやりくりして、かなり削るかなぁ?と不安の思いで歯医者さんに行って検査してもらうと、虫歯じゃないですよ。と言われ、この痛みは何?と聞くと「ストレスですかねぇ」と言われたこと、ありませんか?ストレスが引き起こすと言われる歯痛についてお調べしました。

ストレスで歯痛を感じる「非定型歯痛」を知っていますか?

歯がとても痛くて、歯科医院を受診してレントゲンを撮っても何の異常も見られず、虫歯でもない。そのような歯の痛みを繰り返している方は実は意外と多いのです。その場合、原因として考えられるのが「精神的ストレス」です。精神的ストレスに悩まされると「カテコールアミン」というホルモンが血液中に増大し、歯の周囲の血管が充血することで痛みが発生すると言われています。このような歯の痛みを「非定型歯痛」と呼びます。実際のところ、歯痛の原因が明確に分からないと余計に不安になってストレスが溜まってしまい、どんどん悪循環になってしまうことがあります。早めの対処や治療方法などについてみていきましょう。

「非定型歯痛」が起こる原因

一般的にストレスが高まると、免疫力が低下して歯ぎしり・食いしばりがおこり、唾液分泌量の低下が引き起こされると言われています。それぞれについて原因を詳しく見ていきましょう。

免疫力の低下

ストレスが高まると「カテコールアミン」というホルモンが血液中で増大し、と歯や歯周組織に流れている血管が充血して痛みが発生します。疲れや寝不足などで、目の疲れや頭痛でお悩みの方がいるように、歯痛を感じる方もいるようです。また、普段から歯周病などで歯茎が腫れやすい方は症状が強くでる可能性があるようです。

歯ぎしり・食いしばり

ストレスが溜まると、寝ている間に無意識のうちに歯ぎしりをしたり、歯を食いしばったりすることがあります。一時的にでも歯に大きな力が加わると、歯の周囲のクッションの役割をしている歯根膜にダメージが加わり炎症が起きてしまいます。また歯ぎしりや食いしばりによって、歯が欠けたり、削れたり、歯茎が下がってしまう可能性が高まり、知覚過敏になって歯の痛みを発生させてしまうことがあります。

唾液分泌量の低下

ストレスを感じると交感神経が優位になり、口内の唾液は粘性を帯び、唾液の量が健康な状態の時よりも減ってしまいます。そのような状態が長く続いてしまうと、虫歯ができやすい環境になってしまうのです。また、唾液には酸を中和する「緩衝作用」や再石灰化を促す「再石灰化作用」、口の中をきれいにする「自浄作用」、細菌の繁殖を抑える「抗菌作用」など口内を清潔に保つ役割があるのですが、唾液が少ないと、虫歯や歯周病のリスクを高め、結果的に歯痛の発生につながります。

ストレスが原因の歯痛の症状

ストレスが引き起こす歯痛の症状には以下のようなものが見られます。

歯が浮いたような感じがする

歯と歯が嚙み合ったときや、何もしていなくても、なんとなく歯が浮いたような感じがする、歯や歯茎むずがゆいなどの違和感がある症状です。

歯茎が腫れている

突然、歯茎が腫れて痛みが生じる場合があります。そしてストレスで免疫力が低下していると、歯周病が進行してしまうことがあります。歯茎から出血があったり、膿んでしまっている場合は、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

夕方に歯が痛む

リラックスした状態であれば痛みはないのに、一日の疲れが溜まる夕方ころ、時間が経つにつれて痛みが増してくる場合があります。

痛み止めが効かない

痛み止めを飲んで和らいでいたのに、再度薬を飲んでも痛みがとれないケースもあります。ストレスが原因である痛みは、原因が無くならない限り痛みもなかなか、無くなりません。

治療を終えた以前に虫歯だった歯が痛む

治療が終了し完治しているにも関わらず、なぜか歯痛を感じることがあります。今まで痛かった歯があるとその痛みを記憶してしまい歯を治療したのにもかかわらず痛みを思い出して痛みが発生することがあります。

ストレスが原因の歯痛の治療法

心療内科を受診する

ストレスが原因の歯痛の治療法はストレスを排除することが最も理想的です。しかし簡単なことではないので、抗うつ薬を服用することが有効とも言われています。歯科医院では、抗うつ薬を処方してもらうことができないため、心療内科を受診すると良いでしょう。非定型歯痛のある方が抗うつ薬を服用することで、約8割の方に改善がみられたというデータがあるようです。

ストレス解消を心がける

ストレスから生じる歯痛を無くすためには、なかなか難しいことではありますが、原因となっているストレスを取り除くことが大切です。冷静に自分にとって何が負担になっているかを考え、自分の身体を最優先に考え、労わる時間を作ってみましょう。早めに就寝することを心がけたり、お風呂の時間など、リラックスできる時間をしっかりとることで、副交感神経が優位になりストレスや不安を和らげることができるでしょう。

歯科医院で定期健診を受ける

ストレスにより免疫力が下がっている場合、虫歯や歯周病が発生しやすくなっている状態です。定期健診に行き、クリーニング、歯石除去を行って口内環境を清潔に保つように努めましょう。プロのメンテナンスを受けることで精神的に満たされる効果も期待できるようです。

ガムを噛もう

ストレスに影響を受け、交感神経が優位になり唾液分泌量が減っている可能性がある場合、ガムを噛むのはいかがでしょうか?ストレスをすぐに取り除くことは誰にとっても難しいことです。ひとまず美味しいガムを噛み、唾液腺を刺激して唾液の分泌の促進を心掛けましょう。また、ガムを噛むことはリラックス効果を得られると言われています。

 歯磨きをする・マウスウォッシュを使う

お気に入りの歯磨き粉やマウスウォッシュを使って、口内をスッキリさせてみると痛みが緩和されることがあるようです。ちょっとした気分転換にもなりますし、一息つくところで、ミントの成分などに身をまかせてみるのも良いのではないでしょうか?

【まとめ】

歯の痛みほど我慢ができず辛いものはありません。また原因がはっきりわからない場合はなおさらです。ストレスが原因になるということを理解し、さらに痛みがひどくなる悪循環に陥ってしまう前に、早めに歯科医院や心療内科に相談することをおすすめします。

ストレスはなかなか自分で認めにくいものかもしれません。しかし実際に同じ症状でお悩みの人は多いのです。ゆっくりと生活を振り返り、生活習慣の乱れやストレスを抱えすぎていないかなどをじっくり考えてリラックスしてみましょう。

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