歯列矯正は保険適用にはならない?理由と適用されるケースを紹介!

歯列矯正を考えている方は多いでしょう。しかし、歯列矯正にはある程度のお金がかかります。金銭面の負担が大きいので、歯列矯正を躊躇しているという方もいるかもしれません。歯列矯正にお金がかかる理由に、保険適用にはならないというものがあります。なぜ、歯の治療なのに保険適用にならないのでしょうか?

本記事では歯列矯正が保険適用にならない理由について解説いたします。保険が適用されるケースについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1.歯列矯正は基本的に保険適用外

歯列矯正は基本的に保険適用外です。保険適用外と聞いてもよくわからないと思うので、実際に病院を利用した際の明細をチェックしてみてください。明細をチェックすると自己負担額が記載されていると思います。自己負担額というのは、病院を利用するうえで保険が適用された結果、自分の負担額が決まっているという意味です。そのため、病院で支払っているお金は、基本的に保険が適用された後の金額であり、総額はもっと高くなります。

矯正治療は保険が適用されないので、自己負担額の割合分だけ支払えばいいということはありません。治療するためにかかった費用を全額自分で負担する必要があります。健康保険を始めとして、公的な医療保険についても適用することができません。

他の治療であれば保険が負担してくれていた分の費用を、自分で支払わなくてはいけないので金額が高くなってしまうのです。

2.歯列矯正が保険適用外の理由

歯列矯正は保険適用外ですが、一般的な歯医者さんでの治療には保険が適用されます。そこになぜ違いがあるのか疑問に感じる方もいるかもしれません。

歯列矯正が保険適用外の理由は、歯列矯正は見た目を修正するものと考えられているからです。美容整形は見た目を整えるための治療であり、保険は適用されません。それと同じ理由で、歯列矯正には保険が適用されないのです。

一般的な歯医者さんでの治療は、治さなくてはいけない明確な理由が存在します。虫歯は放置しておくと歯が抜ける可能性がありますし、歯周病も食べ物が満足に食べられないという大きな問題に発展するかもしれません。

しかし、歯並びの乱れは、放置しておいても大きな問題に発展するとは考えられていません。もちろん、歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなり、健康的な問題に発展する可能性はあります。しかし、それは間接的に発生する悪影響であり、直接的ではありません。

歯並びの乱れは健康面に大きな問題を与えるものではないので、矯正治療は見た目を整えるための治療と判断され、保険が適用されません。逆にいえば、歯並びの乱れでも健康面に大きな悪影響を与えると判断される場合には、保険が適用されます。

3.歯列矯正が保険適用されるケース

歯列矯正が保険適用されるには、主に3つの条件があります。

  • 生まれつき口の中にみられる先天性の異常(指定された59の疾患)
  • 顎の大きさや形、位置などが著しく異常な顎変形症と診断された場合
  • 前歯の永久歯が3歯以上萌出不全で起こる噛み合わせの異常

これらの条件のいずれかを満たして、歯科医師が診断したものについては公的な医療保険を使用して治療を受けることが可能です。しかし、病気の治療という扱いになるため、適用される疾患名や利用できる病院などに制限が設けられるケースがあります。事前に調べておくようにしてください。

矯正治療で保険適用されるケースの多くは、顎変形症です。顎変形症と診断されたのであれば、矯正治療であっても保険適用されます。

顎変形症は一般的な矯正治療だけでは、歯並びを治すことができません。治療をするためには、顎の骨を切る外科手術が必要になります。結果的には歯並びを治すために行っている治療ではあるのですが、非常に大掛かりな処置が必要になるため保険が適用されます。

注意しなければいけないのは手術を受ける病院です。その医療機関が「顎口腔機能診断施設」に指定されていない場合は、保険適用の対象にはなりません。

不安に感じるかもしれませんが、普段から利用している歯医者さんに相談をすれば、きちんと保険適用される医療機関を紹介してくれると思います。歯医者さんでここまで大規模な処置ができるケースは少ないので、別の病院を紹介されることがほとんどです。その際には、保険が適用される病院を紹介してもらうようにしてください。

まとめ

いかがでしょうか?最後に歯列矯正の保険適用についてまとめます。

  1. 歯列矯正は保険適用外の治療なので、治療費が高くなりやすい
  2. 歯列矯正が保険適用外の治療の理由は、見た目を整えるための治療を判断されているから
  3. 顎変形症のような大掛かりな処置が必要な場合は、矯正治療であっても保険が適用される

歯列矯正で保険適用されるケースはほとんどありません。自分がどうか気になるという方は、歯医者さんに相談してみてください。

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