歯列矯正で満足のいく歯並びを手に入れた人もいる一方で、「抜歯しなければよかった」と後悔している人も少なからずいらっしゃいます。これから歯列矯正を始めたいと考えている方にとっては、失敗談を聞くと不安になりますよね。

そこで本記事では、歯列矯正の抜歯で後悔する理由と失敗しないために気をつけたいことを紹介します。抜歯した歯は、元通りにはなりません。気をつけたいポイントをしっかり押さえて、後悔しない歯列矯正にしましょう。

 

抜歯して後悔する理由は主に3つ

歯列矯正では、歯がきれいに並ぶスペースを確保するために抜歯することがあります。しかし、抜歯を経験した人の中には「顔つきが変わった」「トラブルが生じた」などを理由に後悔している人も少なくありません。

ここからは、抜歯して後悔する3つの理由を一つずつ説明します。

①何となく抜歯を選んでしまったから

「歯列矯正といえば抜歯するもの」というイメージを持っている人も多く、抜歯の必要性やデメリットを知らないまま抜歯をしてしまう人もいます。後から「矯正をやめたい」「歯を戻したい」と思っても、抜いてしまった歯は戻りません。そのため、「抜歯しなければよかった」と後悔している人もいます。

②抜歯をしたことで顔つきが変わったから

後悔した理由の一つに、抜歯をして顔つきが変わったことが挙げられます。歯を並べる際に前歯の位置が下がりすぎると、口元のふっくら感がなくなってしまうことがあります。そうすると横顔のEラインがきれいに整わず、いわゆる「老け顔」になってしまうのです。

また口元を下げすぎた結果、顔の筋肉が衰えるなど他にも影響を及ぼしてしまい、ほうれん線が目立つようになったと感じる方もいます。

③痛みや腫れなどトラブルが生じたから

抜歯では神経や血管を傷つけないように配慮したり、抜歯後に適切な処置をしたりとさまざまな技術が必要です。十分な検査の上で抜歯・処置を行わないと、抜歯後に痛みや腫れ、出血などのトラブルが生じることがあります。

また抜歯後の注意点を守らなければ、細菌感染したり治癒に時間がかかったりとトラブルを引き起こします。

このようなトラブルを経験した結果、抜歯を後悔する人もいるのです。

 

歯列矯正で後悔しないために気を付けたいこと

納得できる歯列矯正を受けるためには、自分に合う病院選びをすることや治療内容をきちんと理解することが大切です。

ここからは、後悔しないために気をつけたいことを3つ紹介します。

「手軽」「安価」で選ばない

歯列矯正は、歯科医師なら誰でもできる治療ではありません。専門的な知識や技術を身につけた歯科医師だからこそ行える治療です。だからこそ、他の治療に比べると治療費が高額になっています。

ただ、歯医者さんとしてはできるだけ多くの患者さんに来院してもらいたいものです。そのため「費用が安い」「簡単にできる」など、患者さんにとって魅力的な言葉で広告しているケースも少なくありません。

費用の安さや治療期間の短さだけで、安易に歯医者さんを選ばないようにしましょう。

抜歯が本当に必要か話合う

子どもは骨格が成長途中のため治療を通して歯が並ぶスペースを作ることも可能ですが、大人の場合は今ある歯や骨格の中できれいに並べなければなりません。そのためスペースが足りない場合は、抜歯を提案されるでしょう。

ただし、必ずしも抜歯が必要とは限りません。歯や噛み合わせ、前歯の傾きなど、さまざまな点から考慮した結果、非抜歯で治療ができる人もいます。

簡単に歯を抜く・抜かないを決めず、なぜ抜歯をするのか、抜歯をしないとどんなデメリットがあるのかをしっかり聞いた上で判断することをおすすめします。

歯医者さんの設備や担当医について知る

精密な検査・診断のもとで治療を行うためには、専用の検査機器が必要です。歯医者さんを選ぶ際には歯科用CTやセファログラムレントゲンなど、精密な検査ができる機器があるかを確認しましょう。

また矯正治療を担当する歯科医師が事前説明をしっかりしてくれるか、治療中もメインで担当してくれるかといったこともチェックしておくと安心です。

 

まとめ

歯列矯正のために抜歯をした人の中には、「顔つきが変わった」「抜歯後にトラブルが生じた」などを理由に後悔している人も少なからずいます。しかし、抜いてしまった歯を元に戻すことはできません。このような後悔をしないためには、治療前から今後を見据えて慎重に判断することが大切です。

抜歯は、必ずしも必要なものとは限りません。「みんな歯を抜いているから、私も抜いた方がいい」と思い込まず、自分の症例では抜歯が必要なのか、抜歯後にデメリットはあるかなど、担当の歯科医師に細かく聞いてみましょう。

歯列矯正は専門的な知識や技術が必要な治療のため、歯医者さんの設備が整っており、矯正治療に詳しい歯科医師に治療してもらうことをおすすめします。「安価」「簡単」といった魅力的な言葉だけで選ばず、設備や歯科医師もチェックしてみてください。