いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
忘れていた!!矯正のリテーナーをさぼったらどうなる?
長かった矯正治療!やっと終わったと思っていたら、必ず「リテーナー」をつけてくださいね。と言われていた…。忘れてしまった…。矯正のリテーナーをさぼってしまったらどうなってしまうのでしょう?さぼった後の対処法までお調べしました。
矯正治療後の「リテーナー」とは?
「リテーナー」とは、矯正後の歯が矯正前の位置に戻らないよう、装着する器具のことです。リテーナーは、矯正用マウスピースと見た目がほとんど変わりませんが、素材は大きく異なります。矯正治療後の歯は安定しておらず、何もせず放置してしまうと元の歯並びに戻っていこうとします。そのため、歯列矯正治療終了後は一定期間歯の位置を固定するためにリテーナーを装着する必要があります。リテーナーは自分で取り外しができるタイプと固定式のタイプがあり、ライフスタイルや矯正した歯の状態などによって歯科医師が選択します。矯正器具と同様に、リテーナーも、一定期間の装着期間があります。歯科医師から指示を受けた所定の時間は、きちんと装着するようにしましょう。
「リテーナー」を装着する目的は?
矯正治療後にリテーナーを装着するのは、歯並びの「後戻り」を防ぐためです。矯正治療は、歯を動かして歯並びを整えていきます。歯を動かした直後は歯の周りの骨が安定しておらず、そのため、矯正後に何もしないでいると歯は元の位置に戻ろうとします。これが「後戻り」です。矯正治療後は歯の骨が安定するまで、矯正後の状態を保持する必要があり、その役割を果たすのが「リテーナー」です。リテーナーには歯並びの矯正と同時に、「噛み合わせ」を整え、しっかりと噛める歯にしていくという役割もあります。
「リテーナー」の装着時間の目安は?
矯正治療が長く、やっと終わった。と思う方が実際は本当に多いと思いますが、リテーナーも長期間の装着が必要なものです。期間は人によりますが1から3年、つまり矯正と同じくらいの期間が目安です。装着時間は矯正治療が終わった直後から、歯の状態が安定するまでは1日20時間以上の装着が理想的と言われています。場合によっては就寝時のみという指示の場合もあります。飲食の際は外しますが、それ以外の時間はリテーナーを装着しておくことが望まれます。矯正治療終了直後は、可能な限り長時間装着することが大切になります。歯の状態が安定しましたら、徐々に装着時間を短くしていくことが可能です。
「リテーナー」をさぼったらどうなる?
リテーナーは、矯正後の後戻り防止のために長時間の装着が重要です。リテーナーを装着することをさぼってしまうと、以下のような問題が生じてしまう可能性があります。
矯正前の歯並びに「後戻り」してしまう
歯列矯正の治療直後は、歯を支えるための骨がまだ安定していません。そのため、矯正直後は歯が動いてしまいやすく、矯正器具をはずした直後は半日から1日リテーナーを装着しないだけで、歯が動いて後戻りを始めてしまうと言われています。数日リテーナーの装着をさぼってしまうだけで、歯は簡単に後戻りをしてしまいます。高額な費用をかけて行った矯正治療の効果をなくしてしまう結果になってしまうのです。
再びリテーナーを装着する際、痛みがでる場合がある
しばらくリテーナーの装着をさぼってしまうと、歯が動いてしまうため、リテーナーが歯に合わなくなってしまいます。装着しない期間が続いた後に再度リテーナーを付けた際に痛みを感じる場合もあるようです。すこしキツイかな。くらいであればそのまま装着し続けることができます。しかし、痛みが強く、なかなか装着できない場合は後戻りが進んでいる可能性があります。
リテーナーを作り直さなければならないことも
リテーナーを装着せず長い期間が経ってしまうと、歯の後戻りが進んでしまい、リテーナーをはめたときに、はまらなかったり、浮いてしまったりするようになります。そのような場合は再度、リテーナーの調整をしなければなりません。場合によっては、リテーナーを1から作り直す必要があるかもしれません。どちらも有料になるため、余計な出費になってしまうと言えるでしょう。後戻りがかなり大きく、リテーナーでは対処ができないという判断がされる場合は、再度矯正治療が必要となることもあります。
「リテーナー」をさぼってしまった後の対処法
リテーナーをさぼってしまうと、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があるので、面倒くさがらず、リテーナーを装着することが重要です。長い期間、リテーナー装着をさぼってしまったときの対処法は以下になります。
以前のリテーナーが問題なく装着できる場合
リテーナーを少しの期間だけ、さぼってしまったという場合は、まず歯に装着してみましょう。少しキツイと感じることもあるかもしれませんが、きちんと装着できる場合は、そのままリテーナーを使用して大丈夫です。リテーナーは、後戻りしかけた歯を正しい位置に修正する役割もあります。少しくらいの歯の動きであれば、リテーナーで対処できることが多いようです。ただ、不安があるようでしたら歯医者さんに歯の状態とリテーナーの状態を確認してもらうことをおすすめします。
痛くて装着できなくなってしまった場合
リテーナーを装着してみようとしたけれど、痛くて装着できない場合や、きちんとはまらず浮いてしまうような場合は、後戻りがかなり進んでしまっている可能性が高いです。このような場合は、リテーナーはもう合わなくなっているので、歯医者さんでリテーナーの調整や再作製をする必要があるでしょう。上述しましたが、後戻りが大きい場合は、矯正自体をやり直す必要もあるため、早めに歯医者さんで確認してもらいましょう。
【まとめ】
リテーナーは、矯正後の美しい歯並びを維持する重要な役割を持っています。やっと長い矯正治療が終わったと思ったのに。と思うかもしれません。しかし、リテーナーを装着しないでいると、長い期間、高額費用を使って整えた歯並びが元の状態に後戻りしてしまう可能性があるのです。装着しない期間が短ければ、リテーナーを改めて、きちんと装着することで、後戻りしかけた歯を修正できる可能性はあります。しかし、長い期間になると、リテーナーの作り直しや再矯正が必要になり、余計な時間や費用がかかってしまうのです。煩わしいと思っても、矯正治療をした美しい歯並びを保持するためには、リテーナーを指示された時間きちんと装着して後戻りをしないようにすることが大切です。
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