すきっ歯の治し方は主に、直接歯を動かす「歯科矯正」と隙間を埋めるだけの「補綴(ほてつ)治療」の2種類があります。

歯科矯正と補綴治療にも治療方法がいくつかあり、費用も大きく異なります。

今回は、すきっ歯の治し方についてそれぞれの特徴や費用面をふまえてご紹介します。

 

すきっ歯になる原因

すきっ歯は、先天性と後天性のものがあります。

先天性は生まれつき歯が小さかったり、顎が大きかったりすることがすきっ歯の原因になります。

歯の本数が少ない場合も、口内のスペースが広くなるため、すきっ歯になりやすいです。

 

後天性の場合、幼少期の指しゃぶりや舌で前歯の裏側を触る癖が原因となります。

また、歯周病で歯の位置がずれることによりすきっ歯が発生することもあります。

 

すきっ歯に潜むリスク

すきっ歯の場合、どのようなリスクが考えられるのかを以下にご紹介します。

虫歯・歯周病

すきっ歯は歯と歯の間に空間ができるため、食べかすや汚れが溜まりやすくなります。

汚れが蓄積すると細菌が繫殖し、虫歯や歯周病の発症リスクが高まります。

食後はうがいや歯磨きなどで食べかすが残らないよう注意しましょう。

 

胃腸への負担

すきっ歯の場合、噛み合わせが悪くなり食べづらさが生じる可能性があります。

よく噛まずに飲み込むことで、胃腸での消化に負担がかかります。

噛み合わせが良くない場合は、意識してよく噛むようにしてください。

 

すきっ歯の治し方

すきっ歯の治し方は、歯科矯正と補綴治療の2種類があります。

それぞれの特徴について解説していきます。

歯科矯正

歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、歯科矯正での治療になることがほとんどです。

矯正方法は「全顎矯正」と「部分矯正」があり、症例によっては部分矯正でも治療は可能です。部分矯正なら全顎矯正よりも費用が抑えられます。

歯科矯正は、適応症例が広く、自然の歯を活かしてすきっ歯を改善する方法です。

 

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正はすきっ歯治療の主流であり、歯の位置だけでなく角度も調整可能です。

細かい調整ができるため、完成度も高いのが特徴です。

ただ、ワイヤーが目立つため見た目に影響し、慣れるまで食べづらさもあります。

歯の裏側にワイヤーを取り付ける裏側矯正なら目立ちにくくなりますが、表側矯正に比べ費用は高くなります。

費用は表側で約20〜100万円、裏側で約50〜120万円、治療期間は3ヵ月〜1年ほどです。

 

マウスピース矯正

透明のシリコン製のため、痛みを感じにくく目立ちにくいのがメリットです。

付け外しが可能なため食事や歯磨きは不自由なく行えます。

取り外し可能のため自己管理が必要であり、装着時間が短いと十分な効果を得られません。また、治療段階によってマウスピースを替える必要があります。

費用は約10〜60万円、治療期間は半年〜1年ほどです。

 

補綴治療

補綴治療はすきっ歯そのものを動かすのではなく、隙間を埋めたり上から被せ物をかぶせたりする方法です。

歯並びや噛み合わせが重要になるため、適応できる症例が限られています。

プラスチックの場合、1年前後で変色が始まり、耐久年数は5年程度とされています。

セラミックの場合、変色する可能性も低く、数十年もちますが、歯の削る量が多くなります。

小さい歯を大きくさせるため、歯が小さい「矮小歯」に適した治療方法です。

 

セラミッククラウン

歯を1.5〜2mmほど削り、セラミック素材の被せ物を歯の上からかぶせます。

すきっ歯を直接治す歯科矯正と異なり、すきっ歯を治したように見せる方法です。

自分が理想とする歯の大きさ、形、色を調整できるのがメリットです。

歯を削るためダメージが大きく、歯の寿命を縮める可能性があります。

また、セラミックはプラスチックより耐久性がありますが、被せ物が欠けたり取れたりするリスクもあります。

費用は約10万円、治療期間は1ヵ月〜3ヵ月ほどです。

 

ラミネートべニア

ラミネートべニアは、歯の表面を1mmほど削り、セラミック素材のプレートを貼り付ける方法です。

付け爪のような感覚で、セラミッククラウンより削る量が少ないことが特徴です。

貼り付けているだけのため、噛み合わせによっては取れやすくなります。

費用は約13万円、治療期間は3週間ほどです。

 

ダイレクトボンディング

コンポジットレジンという樹脂を歯に貼り付けて、すきっ歯の隙間を埋める方法です。

歯を削らない治療のため、歯へのダメージが少ないのがメリットです。

ただ、レジンは着色しやすく、取れてしまうリスクも高いのが欠点といえるでしょう。

1日で治療が完了する方法ですが、長期的に考えるとデメリットが目立ちます。

費用は約2〜3万円、治療期間は1日です。

 

自分に合ったすきっ歯の治し方を選びましょう

歯科矯正は歯を動かす治療方法、補綴治療は足りない部分を補う治療方法です。

矮小歯で歯並びや噛み合わせも悪い場合は、併用する方法もあります。

すきっ歯治療はさまざまな治療方法があるため、歯科医院で相談しながら自分に合ったすきっ歯の治し方を見つけてください。