親知らずが生えてきたら即抜歯?生じる可能性のある症状と抜歯の基準

親知らずが生えたのをきっかけに、「抜歯をした方がいいのかな」「放置しても問題ないものなのかな」など、さまざまな疑問が浮かんでくるものです。しかし、親知らずが生えたからと言って、必ずしも焦って抜歯をする必要はありません。

本記事では、親知らずがあることで生じる症状と抜歯の基準について紹介します。もしすでに問題が生じているのなら早めに抜歯が必要ですが、まだ何も症状が出ていないならば状態を考慮した判断が必要です。親知らずが生えてきて不安や疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

 

親知らずはいつ生えてくる?

親知らずは、一般的に10代後半〜20代前半くらいで生えてくることが多いですが、遅いと30〜40代で生えてくる場合もあります。

一番奥の歯を第2大臼歯と言い、親知らずはその奥に生えるため第3大臼歯と呼ばれています。

 

親知らずを抜歯する理由

親知らずを抜歯する理由は、何らかの問題が生じる可能性があるからです。そのため、問題が生じる恐れがない場合は、抜歯を急がなくても大丈夫です。

「親知らずを抜いた」という話をよく耳にすることがあるため、「親知らずは生えたら抜かなければいけない」と思っている方も少なくありません。しかし、抜歯するにはきちんと理由があるため、抜歯が必要かどうかは歯医者さんの意見を聞いてみてください。

 

親知らずが生えたことで起こる可能性のある症状

親知らずが真っ直ぐ生えていれば、問題が起こる可能性は低いです。ただし、斜めになっていたり、歯茎の中に埋もれていたりする場合は、何らかの症状が生じる可能性があります。

ここからは、親知らずが生えたことで起こる可能性のある症状を5つ紹介します。

歯茎の痛みや腫れ

親知らずがきちんと生えるスペースがない場合は、斜めに生えたり、歯茎に埋まったままの状態になったりします。その結果、歯茎が腫れる、痛むなどの症状につながる場合があります。

炎症が続くと、周囲の歯や歯を支える骨にまで悪影響を及ぼす可能性があるため、違和感を感じたら早めに処置を受けましょう。

虫歯

生えてきた親知らずが第2大臼歯に斜めにぶつかってしまっている場合は、歯ブラシが届きづらく隙間に汚れが溜まりやすいです。その結果、第2大臼歯も親知らずも虫歯になってしまう恐れがあります。

虫歯を放置しすぎると、親知らずだけでなく第2大臼歯まで抜歯の診断を受けてしまう可能性もゼロではありません。大切な歯を失う前に、早めに治療を受けるよう心がけてください。

顎の骨の炎症

親知らずが正常に生えなかった場合、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」という病気になる可能性があります。これは顎の骨に炎症が起きる病気で、顔が腫れたり、口が開きにくくなったりとさまざまな症状があらわれます。

膿や痛みを止める薬で治療が行える場合もありますが、ひどくなると抜歯になります。

歯並びの乱れ

親知らずが斜めに生えると、横の歯を前に向かって押す力が加わります。その結果、歯並びが乱れてしまう恐れもあるのです。

歯並びが乱れると、矯正治療をしなければ元には戻せません。抜歯だけでなく他の治療も必要になるため、治療にかかる負担を減らすためにも早めの処置が必要です。

口臭

真っ直ぐ生えていない歯は、歯ブラシやフロスがしにくく、セルフケアの難易度が高くなります。きれいに除去できなかった汚れが溜まり続けることで、口臭が気になるようになる場合も少なくありません。

セルフケアや歯医者さんでのクリーニングで汚れをしっかり除去する必要がありますが、症状を根本的に解決するには抜歯が一つの選択肢になるでしょう。

 

抜歯をするかどうか悩んだら、歯医者さんで相談

先述した通り、真っ直ぐ生えていない親知らずはさまざまな問題を引き起こす可能性があります。すぐに問題が起きていなくても、長い目でみて問題が生じる可能性がありそうならば、早めに抜歯をした方がいいケースもあります。

しかし、ご自身でそのリスクを予測することは困難です。また、「真っ直ぐ生えているから絶対大丈夫」ということもありません。親知らずが生えてきた時点で、「どのようなリスクがあるか」「残しても大丈夫か」「いつ頃抜歯をした方がいいのか」を歯医者さんに相談してみることをおすすめします。

一般的な街の歯医者さんでも、口腔外科を得意とする歯科医師がいる場合は細かく検査したうえでしっかりと診断をしてくれます。またそのような歯医者さんであれば、斜めに生えているような親知らずも医院で抜歯してくれるケースが多いです。

大学病院のような大きな歯医者さんで抜歯するのではなく、一般的な歯医者さんで抜歯を受けたい場合は、専門とする歯科医師が在籍している歯医者さんで相談しましょう。

 

まとめ

親知らずが生えてくる年齢は、一般的に10代後半〜20代前半頃です。ただし、人によっては30〜40代で生えてくる場合もあります。

「親知らずが生えてきたら抜歯」というイメージをお持ちの方も少なくありませんが、必ずしも抜歯が必要とは限りません。抜歯が必要となるケースは、斜めに生えていたり、歯茎に一部埋まっていたりすることで何らかの問題が生じる可能性があるときです。

問題とは、虫歯や歯茎の腫れ、口臭、歯並びの乱れなどです。親知らずが生えたことでこれらの問題が起きそうな場合は、予防のためにも抜歯をおすすめされます。

ご自身で判断するのは難しいため、親知らずが生えてきたら歯医者さんでリスクがあるかどうかを判断してもらうとよいでしょう。

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