親知らずの周りの歯茎が痛くなるのはなぜ?どうすれば治るの?

親知らずの周りの歯茎が痛くなるという経験をしたことがある方はいませんか?親知らずそのものの痛みと勘違いしやすいのですが、親知らずが痛んでいなくても歯茎だけが痛むというケースがあるのです。なぜ、親知らずではなく歯茎が痛んでしまうのでしょうか?

本記事では親知らずの周りの歯茎が痛くなる理由とそれを治す方法について解説いたします。

1.智歯周囲炎(ちししゅういえん)が引き起こることで歯茎が痛む

親知らずの周りの歯茎が痛くなる理由は、智歯周囲炎にあります。親知らずのことを智歯と呼ぶこともあり、智歯周囲炎とはその名の通り親知らずの周りで起こる炎症のことです。なぜ、智歯周囲炎が起こるのでしょうか?

最近の日本人は顎が小さい傾向にあります。顎が小さいと親知らずが生えるスペースが確保されず、うまく生えてくることができません。しかし、親知らず自体は存在しています。その結果、親知らずの一部が歯茎の中に埋まったままになり、歯の一部だけが表に出ているような状態になるのです。

この状態になると、歯肉と歯の間に深い隙間ができてしまいます。隙間ができると細菌が入りやすくなってしまい、それによって炎症が引き起こされます。これが智歯周囲炎なのです。

しっかりと歯磨きをしていれば細菌の影響も受けないと考えている方もいるかもしれません。その通りではあるのですが、親知らずが生えている場所というのは非常に歯磨きがしづらいです。歯茎の隙間であればなおさら歯磨きが行き届かず、デンタルフロスを使うことも場所的にできません。結果として炎症が起こりやすいのです。

これを防ぐためには親知らずを抜いて、細菌が溜まりやすい場所をなくすしかありません。しかし、智歯周囲炎が起こりやすい親知らずというのは、親知らずそのものがうまく生えてきていない可能性があります。親知らずがうまく生えていないと、親知らずをスムーズに抜くことができません。抜くことによって合併症などが引き起こるリスクもあります。智歯周囲炎が起こっているからといって、簡単に親知らずを抜けるわけではないということを覚えておいてください。

2.智歯周囲炎の症状

智歯周囲炎の主な症状としては、歯茎の痛みの他に頬が腫れたり口をうまく閉じることができなかったりするというものがあります。奥歯の歯茎が痛むのはそれほど多くはありません。一般的な虫歯でも歯茎に悪影響が及び、痛みを引き起こすことはあります。

しかし、親知らずが生えている場所の歯茎が痛むということは少ないので、親知らず周りが傷んだら智歯周囲炎の可能性が高いと考えてください。炎症を起こしている以上、自分で症状を抑えるのは難しいです。放置しているとさらに炎症が悪化する可能性があるので、親知らずを抜くかどうかに関わらず、歯医者さんに相談するようにしてください。

智歯周囲炎を引き起こさない環境を作るためには、親知らずを抜くことが欠かせません。しかし、親知らずを抜かなくても炎症を抑えることは可能です。痛みが強い場合でも鎮痛剤などを服用して、抗生物質などで細菌を殺していけば症状は数日でおさまります。放置していると他の場所に細菌がうつる可能性があるので危険です。早めに対処すればそれほど恐ろしい病気でもないのですが、放置していると最悪の結果になる可能性があることは覚えておいてください。

3.親知らずを抜けない理由

智歯周囲炎が起こる可能性があるのなら、親知らずを抜いてしまいたいと考える方がほとんどでしょう。しかし、親知らずを簡単に抜けない理由というのも存在します。親知らずが歯肉の中に隠れている場合は、歯肉を削って親知らずを抜かなくてはいけません。親知らずの根っこが鼻や顎の骨に触れている場合もあります。そういった場合は、合併症を引き起こすリスクが非常に高くなります。

このように生え方によっては親知らずを抜けない可能性があるのです。親知らずはいつ痛み出すかわからないので、できれば抜いてしまいたいです。抜ける状態であれば、抜いてしまった方がいいケースが多いのですが、リスクなどを考慮するとそのままにしておいた方が安全な場合もあります。

親知らずを抜くかどうかは歯医者さんとしっかり相談をしながら決めなくてはいけません。歯医者さんはリスクなどを踏まえたうえで提案をしてくれます。それをしっかり聞いて、最終的な判断は自分で行うようにしてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?最後に親知らずの歯茎の痛みについてまとめます。

  1. 親知らずの歯茎が痛むのは智歯周囲炎のせい。歯と歯茎の隙間に細菌が住み着くことで炎症が起こる。
  2. 親知らず周りの歯茎が痛むと感じたらほぼ智歯周囲炎だと考えて問題ない。
  3. 状況によっては親知らずを抜くことができない可能性がある。リスクとメリットを天秤にかけて判断する必要がある。

親知らずの歯茎が傷んだら絶対に放置してはいけません。すぐに歯医者に相談して適切な治療を行ってください。

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