いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
歯ぎしりの治療に用いるマウスピースにはどんなデメリットがある?
歯ぎしりの治療に用いるマウスピースには、定期的なメンテナンスが必要で費用もかかるといったデメリットがあります。手入れを怠ると虫歯になるリスクも上がります。
今回は、マウスピースを歯ぎしりの治療で使った時のデメリットについて詳しく解説します。
歯ぎしりの治療に用いるマウスピースの特徴
歯ぎしりの治療に用いるマウスピースは、歯や顎関節にかかる負担を軽減する役割があり、睡眠中に使用することから「ナイトガード」とも呼ばれています。マウスピースの素材はプラスチックやシリコンで、取り扱っている種類は歯科医院によって異なります。
歯ぎしりの原因は明確にはわかっていないため、治療方法は対症療法しかありません。マウスピースの使用もそのうちの一つです。
歯ぎしりの治療にマウスピースを用いるデメリット
歯ぎしりの治療にマウスピースを用いるデメリットは5つあげられます。
それぞれ詳しく解説します
費用がかかる
歯ぎしりの治療に用いるマウスピースは保険適用で作れます。診察から作成までの工程を含めて、3000〜5000円ほどです。
また、歯ぎしりの度合いによってマウスピースのすり減りに差がでます。症状が軽い場合は作り直しの期間が長くなりますが、歯ぎしりが強い場合はすり減りが早くなるので交換頻度も短くなります。症状が重い人は費用がかかりやすいというデメリットがあります。
慣れるまで違和感がある
今まで歯に何もつけず睡眠していた人にとっては、マウスピースの装着に強く違和感を感じることがあります。慣れるまでは寝つきに時間がかかることもあるかもしれません。
時間が経つにつれて違和感も少なくなってくるので、睡眠の質が落ちることもなくなってくるでしょう。マウスピースの違和感がなくなるまでに1週間〜2週間程度といわれています。
痛みが強い場合や、いつまでたっても強い違和感がなくならない場合は、マウスピースが合っていない可能性があるので医師に相談しましょう。
起きたときに顎に痛みやだるさを感じる場合がある
特にマウスピースを使い始めてすぐの頃は、今までと違う状態で歯ぎしりすることになるため、朝起きたときに顎に痛みやだるさを感じる場合があります。また、慣れないマウスピースをつけることから無意識に口を開けてしまい、喉や口の中が乾いてしまうこともあるでしょう。
マウスピースの装着に慣れてくると上記のような症状はなくなっていきます。
手入れを怠ると虫歯や歯周病のリスクがある
マウスピースの手入れを怠ると虫歯や歯周病の発症リスクが上がります。細菌は睡眠中に増殖しやすくなるので、起床時に外したマウスピースは細菌がたくさん付着している状態です。マウスピースを洗浄せずに使い続けると口の中で細菌が繁殖して虫歯や歯周病の原因になるため、マウスピースは清潔に保たなければなりません。
起床時にマウスピースを外したら、流水で洗い流しましょう。歯ブラシでやさしくブラッシングしても構いませんが、歯磨き粉の使用は研磨剤によりマウスピースを傷つける原因になるので避けてください。お湯もマウスピースを変形させる危険性があるので厳禁です。
定期的なメンテナンスが必要
マウスピースは歯ぎしりによって削られ、装着時の噛み合わせもずれていくため、放置すると十分な効果が得られなくなります。マウスピースの噛み合わせがずれると、歯に圧力がかかることがあるので痛みが出てくることもあるでしょう。必要時、ナイトガードを削るなどの微調整が必要になります。
ナイトガードは永久に使えるわけではないので、すり減りが強くなれば新しいマウスピースに作り直す必要があります。交換時期は作成後2〜3年になることが多いです。歯周病予防のクリーニングなどで来院した際に、一緒にマウスピースもチェックしてもらいましょう。
歯ぎしりの治療にマウスピースを用いるメリット
逆に歯ぎしりの治療にマウスピースを用いることで得られるメリットも大きいです。歯や顎にかかる負担が軽減することから歯の寿命がのび、顎関節症などの発症予防につながります。
歯のすり減りを防止できる
歯ぎしりは非常に大きな力で左右に歯をすり合わせるため、歯が欠けたり割れたりします。歯がすり減ると表面のエナメル質が削られ、象牙質が露出します。象牙質が露出すると神経までの距離が近くなり、歯がしみやすくなるでしょう。ナイトガードの使用は知覚過敏の予防にもなります。
顎関節症や歯周病予防になる
顎に強力な負担がかかることにより、顎関節症を発症するリスクが高くなります。顎関節症の発症原因は歯ぎしりや食いしばりがほとんどです。傷ついた顎関節は修復することができないため、予防が重要になります。顎関節症は「口が大きく開けられない」「口を大きく開けると音が鳴る」などといった症状が現れます。また症状が進行すると痛みにより口が開けられなくなり、日常生活に大きな支障をきたすことでしょう。
また、歯ぎしりは歯茎や顎の骨への損傷も考えられます。歯茎や顎の骨がダメージを受けると歯周病を発症するリスクが高くなります。歯周病は歯を失う原因にもなるので、ナイトガードの使用は歯の寿命をのばすことにも効果的です。
歯ぎしりのマウスピース治療はデメリットよりもメリットのほうが大きい
マウスピースを歯ぎしりの治療で使った場合のデメリットを5つ紹介しましたが、長期的な視点で考えるとマウスピース治療はメリットのほうが大きいです。
歯ぎしりの治療に関して不安なことがある場合は、歯科医院の医師に相談しましょう。
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