顎関節症はマウスピースで治る?日常生活の注意点も併せて解説

「顎関節症はマウスピースで治る?」「市販のマウスピースでも効果がある?」と思っている方もいるのではないでしょうか。

顎関節症の治療方法の1つにマウスピースを使用する方法があります。しかし、歯並びや顎に合わない物を使用すると、顎関節症の症状が悪化してしまうのです。

当コラムでは、顎関節症について、治療で使用するマウスピースの種類、日常生活での注意点、合わないマウスピースを使用する危険性について解説します。

顎関節症は日常生活に影響が出る

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顎関節症とは顎の関節や咀嚼に関係する筋肉の病気です。顎の痛みや口が開かない、顎を動かした時に音がするといった症状がみられます。そのため、大きな食べ物が食べにくかったり硬い物が噛みにくかったりと日常生活にも影響が出るのです。

そんな顎関節症の原因は様々であり、歯並びや噛み合わせの影響や歯のくいしばりや精神的なストレスが原因とも言われています。そのため、治療方法も薬物療法やスプリントと呼ばれるマウスピース治療、理学療法など様々あるのです。

マウスピースの種類は4つ

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顎関節症の治療方法の1つであるマウスピース治療は、主に夜間の睡眠時にマウスピースを装着する方法です。マウスピースの装着により、噛み合わせを高く調整し歯ぎしりを予防することで、症状の軽減や改善に期待できます。

顎関節症の原因や症状は様々なため、原因や症状に合わせて必要なマウスピースをその都度作成します。マウスピースの種類は以下の4つです。

①前歯接触型

前歯のみを覆う形のマウスピースです。歯のくいしばりによる咀嚼筋の緊張を和らげる効果に期待できます。そのため、口の開け閉めや食べ物を噛む時に痛みが出る状態の時に選択されます。

②全歯列接触型

歯全体を覆う形のマウスピースです。咀嚼筋などの緊張や顎関節の負担を和らげ、顎の位置や噛み合わせを安定させる効果に期待できます。顎関節症において1番選択されることの多いマウスピースです。

③下顎前方整位型

上顎もしくは下顎の全体を覆う形のマウスピースです。前歯の後方の下顎を正しい位置に誘導する誘導板が付いています。顎関節に異音がみられる状態の時に選択されます。

④ピボット型スプリント

歯全体を覆う形のマウスピースですが、左右1番奥の歯の部分に突起があり奥歯のみ噛み合うような仕組みです。顎関節の負担を和らげる効果に期待できるため、顎関節の痛みや口の開け閉めが難しい状態の時に選択されます。

日常生活の注意点は4つ

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顎関節症の日常生活の注意点は以下の4つです。

①片側で噛まない

片側で噛む癖があると顎関節の動きに左右差が発生します。そのため、頻繁に使用する方の顎関節が疲れてしまいます。噛む動作は無意識に行われるため、普段から片側で噛んでいても気づくことが少ないのです。

そのため、まずは自分の噛む動作に癖がないか確認するようにしましょう。片側で噛む癖がある場合は、意識的に反対側で噛むようにすることが必要です。

②顎に負担がかからない姿勢をとる

頬づえやうつ伏せ、同じ側を下にして寝る姿勢などは無意識に顎に負担がかかっています。また、顎を引く姿勢も継続すると顎の動きに偏りが出てしまいます。顎に負担がかかり続けると、顎関節に力がかかり痛みを感じるようになるため姿勢にも注意が必要です。

③歯ぎしりをしない

歯ぎしりは上下の歯をこするようにするため、歯の表面が削られる他にも歯に大きな力がかかります。この状態が続くと、咀嚼筋や顎関節に負担がかかり痛みが現れることもあるのです。

歯ぎしりの原因はストレスなどとも言われていますが、夜間の睡眠時に歯ぎしりがみられることもあります。歯ぎしりの癖に気が付いた時点で、歯医者さんに相談するようにしましょう。

④長時間ガムを噛まない

顎関節症の治療の中には、ガムを噛むといった方法を聞いたことがあるかもしれません。この治療方法は、歯医者さんの指導の元行われている治療です。そのため、自己判断によりガムを長時間噛むと、顎関節に負担をかけ症状が悪化する危険性があります。

⑤硬い食べ物を控える

顎関節症の症状がある時は、硬い食べ物も控えるようにしましょう。硬い肉やスルメイカといった何回も強く噛まないといけない食べ物は、顎関節への負担が大きいです。食事が辛いと感じる時には、お粥など柔らかい食べ物を食べることで顎関節への負担を減らせます。

合わないマウスピースは顎関節症が悪化する

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マウスピースは、通販サイトなどでも手軽に購入でき種類も多くあります。しかし、顎関節症の治療にて使用する場合は、自分の歯の噛み合わせや顎の状態に合ったマウスピースを使用する必要があります。

合わないマウスピースの使用は、顎のズレや咀嚼筋への負担などが生じ顎関節症の症状悪化の危険性があるため、自己判断はせず必ず歯医者さんの指示のもと行うようにしましょう。

【まとめ】顎関節症のマウスピース治療は必ず歯医者さんの診察の上で治療を行おう

当コラムでは、当コラムでは、顎関節症について、治療で使用するマウスピースの種類、日常生活での注意点、合わないマウスピースを使用する危険性について解説しました。

顎関節症の治療方法の1つにマウスピースもあります。しかし、合わないマウスピースの使用は顎関節症の症状悪化にもつながります。自己判断せず必ず歯医者さんの診察の上で治療を行ってください。

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