差し歯をするには歯の根っこがないとダメって本当?差し歯が難しい根っこの状態を解説!

「差し歯するには歯の根っこがないとできないと聞いた」「根っこの状態によっては差し歯はできないの?」と疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

差し歯を装着するためには歯の根っこを使用しますが、根っこの状態によっては差し歯にすることが難しくなります。

当コラムでは、差し歯について、差し歯が難しい根っこの状態、差し歯が難しい時の治療方法について解説していきます。

差し歯は被せ物の一種である

歯の写真

差し歯は歯が欠けたり虫歯で歯が溶けたりした時に歯を元の状態に近づけるために行う治療方法の1つです。

  1. 残っている歯の根っこに芯を入れて土台を作る
  2. 土台の上に被せ物をする

差し歯は上記の手順で治療を行いますが、土台の上に行っている被せ物のことを差し歯と呼んでいます。つまり、私達が普段差し歯と呼んでいるものは歯の治療でよく使用される被せ物の一種なのです。

差し歯を行うには歯の根っこが必要なため、根っこも含めて抜歯をしている時は差し歯は行うことができません。

根っこが残っていても差し歯を行えない場合がある

歯の写真
差し歯を行うには歯の根っこが必要です。しかし根っこがあるからといって必ずしも差し歯を行えるわけではありません。差し歯の治療が行えない根っこの状態は以下の3つです。

①歯の根っこが短い

歯の根っこが短いと差し歯を行うことはできません。差し歯は歯の根っこに芯を入れ土台を作ります。この芯の幅や長さが歯の根っこに比べて大きくなると元の歯の根っこが割れてしまう可能性があります。そのため歯の根っこが短いと差し歯を行うことが難しいのです。

また、歯の根っこが短いと土台の上に被せる差し歯の部分が不安定になります。差し歯の部分が不安定になると、頻繁に外れやすくなり差し歯の治療が必要となります。

②歯の根っこが割れている

歯の根っこが割れていると差し歯の土台となる芯を入れてもグラグラしてしまい不安定になります。土台が不安定であると、被せ物である差し歯自体も不安定になり外れやすくなります。

そのため差し歯をする時は歯の根っこも割れていないか注意が必要です。また、ケガなどで歯が欠けた時も歯肉より深く歯が欠けると差し歯ができなくなります。

③歯周病の進行

歯周病は歯を支えている歯茎や歯槽骨といった骨を溶かしてしまう病気です。特に歯槽骨が溶けてしまうと歯を支えることが難しくなり、歯がグラグラと動揺することにもつながります。

そのため悪化した歯周病にかかっていると、歯の根っこもグラグラと動揺するため差し歯を支えられません。差し歯が不安定になるため進行した歯周病にかかっていると差し歯を治療方法として選択できなくなるのです。

差し歯が難しい時の治療方法は3つ

入れ歯の写真

差し歯は歯の根っこが残っている時に行える治療方法ですが、差し歯は歯の根っこの状態によっては行えないこともあります。その場合は、以下の治療方法を行うことで歯の改善が期待できます。

①インプラント

1つ目はインプラントです。歯の根っこがない時に代わりにインプラントを入れ、その上に被せ物をする治療方法です。インプラントは安定性に優れていることから1度作成すると半永久的に使用が可能とも言われています。

残っている歯に負担がかからず残っている歯と同様に噛むことができ、見た目も良い点がメリットです。しかしインプラントは外科的な手術が必要であり、治療期間が長い点と自費診療のため治療費が高額であるといったデメリットがあります。

②ブリッジ

2つ目はブリッジです。根っこがないため失った歯に隣接する歯を支えにして、一体型の被せ物を装着する治療方法です。しっかり固定されるため安定性に優れており、見た目も良く状態によっては保険診療も可能な点がメリットとも言われています。

隣接している歯が健康な状態であっても、削らないと治療ができない点がブリッジのデメリットです。隣接している歯が削られさらにブリッジの支えとなるため負担が大きくかかります。

③入れ歯

3つ目は入れ歯です。入れ歯は普段からよく見かける治療方法であり、治療期間も短いといったメリットがあります。着脱可能なため手入れがしやすく、保険診療が可能な場合は費用を抑えられます。

しかし、入れ歯は噛む力が弱くなること、バネをかける歯への負担が大きいといったことがデメリットです。入れ歯が合わなくなると痛みや食べ物を噛むことができなくなり、入れ歯を作り変えなければいけないかもしれません。

【まとめ】差し歯には歯の根っこが必要!しかし根っこの状態にもよるため歯科医師の判断を仰ごう

当コラムでは、差し歯について、差し歯が難しい根っこの状態、差し歯が難しい時の治療方法について解説しました。

差し歯は歯の根っこがないとできません。また、根っこの状態によっては差し歯が難しいこともあります。根っこが残っているから大丈夫とは思わず必ず歯医者を受診し、歯科医師の判断を仰ぎ歯の状態に合った治療方法を受けるようにしましょう。

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