いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
歯槽膿漏は自宅で治せる?治し方や自宅でできる予防方法について説明
歯茎が腫れていたり、歯磨きをしたときに歯茎から血が出たりと、口腔内の違和感を覚えている方はいませんか。「歯槽膿漏の症状だな」と何となく気づいても、歯医者さんが苦手な方の中には「できるだけ受診したくないな」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、歯槽膿漏が自宅で治せるのかどうかや、治し方、自宅でできる予防方法について説明します。歯槽膿漏でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
そもそも、歯槽膿漏とは
歯槽膿漏とは、歯周病が進行した状態のことです。歯周病は進行状態によって呼び方が変わり、軽度の状態を「歯肉炎」、中度の状態を「歯周炎」、歯茎から膿が出る重度の状態を「歯槽膿漏」と呼びます。
歯周病は、初期段階では自覚症状が出にくいのが特徴です。歯肉炎の段階では日常生活に不便を感じることもないため、歯医者さんで指摘されて初めて気づく人も少なくありません。しかし、治療が遅れてしまうと外科的処置が必要になるほか、最悪の場合は抜歯を余儀なくされてしまいます。歯を支える骨が溶けてしまう前に、対処することが大切です。
歯槽膿漏は自宅で治せる?治し方は?
歯槽膿漏は、基本的に自宅では治せません。理由は、歯槽膿漏の原因が歯石だからです。柔らかい歯垢は歯ブラシで除去できますが、固くなってしまった歯石は歯医者さんにある専用の器具でなければ除去できません。
「市販薬で治った」「歯磨き粉やうがい薬を使っていたら徐々に改善した」などの情報を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、これは炎症を抑える成分や歯周病菌の繁殖を抑える成分が入っているために、一時的に症状が軽減できた状態である場合がほとんどです。
症状が治ったことで「治った」と勘違いしてしまうと、根本的な原因が解決できないまま時間が過ぎてしまいます。その結果、より悪化させてしまう可能性があるのです。
状態が悪化するほど大掛かりな治療が必要になる上、費用や治療期間の負担も増えます。治療に関わる負担を軽減したいのであれば、早めの段階から歯医者さんに通うことをおすすめします。
ただし、「歯医者さんに任せれば治る」とも限りません。歯槽膿漏(歯周病)を治すには、歯医者さんでの処置と自宅でのケアの両方に取り組むことが大切です。
自宅で取り組めるのは主に予防
「歯槽膿漏(歯周病)に効く」と謳われている商品も多々ありますが、これらの商品を用いても自宅で根本的な原因を取り除くのは困難です。自宅で取り組めるのは、歯槽膿漏の原因になる汚れを口腔内に溜めないようにすることです。
予防のためには、歯磨きを行うことが重要です。歯を磨くのが面倒に感じることもあるかもしれませんが、水や洗口液で口をゆすぐだけでは歯垢は流せません。細菌が増殖して歯槽膿漏の悪化を招く恐れがあるため、必ず歯ブラシを使ってケアを行いましょう。
歯槽膿漏の予防に効果的な自宅でのケア方法
歯磨きが重要だといっても、ただ単に磨けばいいだけではありません。これまで通りの方法で歯を磨いていると、また歯周病を進行させてしまう恐れがあるからです。歯の磨き方を改め、歯周病の予防に効果的なブラッシング方法を身につけましょう。
ここからは、歯槽膿漏の予防に効果的な自宅でのケア方法を紹介します。
歯周ポケットを意識して歯を磨く
歯を磨くときは、歯周ポケットを意識しましょう。歯周ポケットとは歯と歯茎の隙間のことで、汚れが溜まりやすい場所です。歯ブラシの毛先をこの歯周ポケットに入れるようなイメージで、45度に傾けて磨いてください。
注意点は、歯茎を傷つけてしまうため、力を入れすぎないことです。優しく磨いても、汚れは十分に落とせます。手の力は抜いて、軽く歯ブラシを当てるよう心がけてください。
歯茎から出血していても、歯磨きをやめない
今は歯茎から出血していたとしても、歯周病が改善してくると次第に出血しなくなります。「状態が良くなった」と実感できる出来事ではありますが、良くなったからといってケアをやめないようにしましょう。
歯周病は、再発する可能性のある病気です。出血が止まったのはケアがきちんと行えている証拠のため、そのままのケアを継続して行うようにしましょう。
清掃補助グッズを使う
お口の中を隅々まできれいにできるよう、歯ブラシだけでなく清掃補助グッズも使用しましょう。清掃補助グッズとは、歯間ブラシやフロスのことです。
どれだけ頑張って歯ブラシを使ったとしても、歯と歯の間にある汚れは除去できません。しかし、歯間ブラシやフロスを使えば、歯間にある汚れもしっかり取り除けます。手先の器用さや歯並びの状態などによって人それぞれ使いやすい補助グッズは異なるため、自分に合うものを探してみてください。
生活習慣や嗜好品を見直す
生活習慣や嗜好品を見直すことも、歯周病の予防には大切です。例えば、糖尿病といった全身疾患があると、身体の防御機能が低下してしまい、歯周病になりやすくなってしまいます。また、喫煙習慣がある方は、唾液の分泌量の低下により口腔内が乾燥しやすくなり、菌が繁殖しやすくなります。
食生活が乱れたり、ストレスが溜まっていたりする方は、食事や睡眠といった生活習慣を見直し、ストレスの少ない生活を送れるようにしましょう。
まとめ
歯槽膿漏は、歯周病が重度になった状態のことです。根本的な原因は歯石で、セルフケアだけで治すことはできません。歯石は歯ブラシでは除去できないほど固いため、歯医者さんにある専用の器具で除去が必要だからです。
自宅で行えるのは、主に歯周病の予防を目的とするケアです。歯槽膿漏が気になる方は、自宅だけで治そうとせず、自宅でのケアとともに歯医者さんで治療を受けることをおすすめします。
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