歯周病の治療で実際にかかる費用について解説!

歯周病は歯茎や歯を支えている骨が溶けてしまう病気のことです。治療を行う際に気になるのが治療にかかる費用ではないでしょうか。歯周病は症状によって治療の回数や治療にかかる費用が大きく異なってきます。

そこで当コラムでは、歯周病の治療で実際どれくらいの費用がかかるのかについて解説していきます。

歯周病の治療は保険診療と自費診療に分けられる

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歯周病の治療だけではなく、歯科で行われる治療は保険が適用される「保険診療」と保険が適用されない「自費診療」に分けることができます。それぞれどのような特徴があるのかをしっかり理解していきましょう。

①保険診療

組合保険や国民健康保険など健康保険に加入している「保険診療制度」を利用して治療を受けるのが保険診療です。歯医者さんに保険証を提示すると、治療にかかる費用の自己負担額が0〜3割に軽減されます。

保険診療を利用することにより、日本全国どの歯医者さんでも同じ費用で治療を受けることができます。これだけ聞くとかなりお得なように思えますが、保険診療は必要最低限の治療を受けるための制度となっています。

そのため予防を目的とした治療に対しては利用できないなど制限が設けられています。

②自費診療

自費診療は歯医者さんが治療にかかる費用を設定し、保険証を提示しても費用は軽減されません。つまり、治療にかかる費用を全て自己負担しなければいけないということです。全て負担しなければいけないため保険診療と比べると治療にかかる費用が高くなってしまいます。

「なるべく治療にかかる費用は安く済ませたい」と思ってしまいがちですが、費用がかかったとしても保険診療ではできない治療を受けることで、長く歯の健康を維持することができます。

保険診療で長く治療を受けるよりも、自費診療を使って短期間で治療した方が安く済む場合も考えられます。

歯周病の治療にかかる費用

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歯周病の治療にかかる費用は、歯周病の症状と保険診療、自費診療の組み合わせで異なります。自費診療は歯医者さんによって治療にかかる費用が異なるため参考程度だと思ってください。

①初期の歯周病治療でかかる費用

初期の歯周病は、20代〜40代の方が多く自覚症状はほとんどありません。自分で歯周病だと判断することは難しいため、歯がうずく、歯が浮いた感覚がある場合は受診をしましょう。

保険診療の場合

保険診療で治療を行う場合にかかる費用は、1回は1,500円程度。初期の歯周病治療ではおよそ4回通院し治療を行っていくため合計で5,000円〜1万円程度かかります。

自費診療の場合

自費診療で治療を行う場合も通院回数は4回と保険適用と変わりません。しかし、自費診療では1回あたりの治療にかかる費用が5,000円〜10,000円かかってしまいます。そのため合計で20,000円〜40,000円程度かかります。

②中度の歯周病治療でかかる費用

中度の歯周病は骨が半分溶けている状態です。中度であればしっかり治療を受けることで歯を残すことができます。歯が以前と比べて長く見えて、歯が少し動くのが中度の歯周病の特徴です。

保険診療の場合

中度の歯周病治療を保険診療で行う場合、1回あたり1,500円程度の費用がかかります。治療には8〜10回の通院が必要ですので合計で12,000円〜15,000円程度の費用がかかることになります。

自費診療の場合

自費診療で治療を行う場合も通院回数は保険診療と同じです。中度の歯周病治療では、歯石の除去や歯のクリーニングを行っていきます。1回あたりの費用は初期と同じ5,000円〜10,000円ですが初期の治療よりも回数が多くなるため合計で40,000円〜100,000円程度かかります。

③重度の歯周病治療にかかる費用

歯周病の症状がかなり進んでしまい重度と診断されると、骨の3分の2以上が溶けている状態です。歯がぐらつくだけではなく、歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。

保険診療の場合

重度の歯周病を治療する場合、治療期間が1年以上かかってしまうため保険診療、自費診療共に費用の計算が困難です。保険診療は1回あたり1,500円程度ですので、仮に1ヶ月に1回の通院を1年間通院した場合だと年間18,000円かかることになります。

自費診療の場合

自費診療の場合は歯の状態によって行う治療方法が変わりますが、20万円〜500万円の費用がかかることがあります。

【まとめ】歯周病の治療にかかる費用は保険を適用するかで大きく異なる

当コラムでは歯周病の治療にかかる費用について解説しました。保険診療を行えば安く治療を受けることができるためお得だと思ってしまいがちです。しかし、歯の状態や長期的な事を考えると多少費用がかかったとしても自費診療の方がよい場合もあります。

かかりつけの歯科医師とよく相談をして治療を保険診療で行うのか、自費診療で行うのかを決定してみてはいかがでしょうか。

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