虫歯になると頭痛が起こる場合があります。虫歯そのものに原因がある場合もありますが、別の病気の可能性もゼロではありません。本記事では虫歯による頭痛の正体について詳しく解説いたします。

1.虫歯で頭痛が起こった際に考えられる病気

虫歯による頭痛は非常に辛いものです。痛みがひどくなると、歯だけでなく頭全体にも痛みが走ることがあります。そのため、頭痛が虫歯に関連している場合は、放置せずに早めの対処が必要です。

虫歯による頭痛の原因として疑われる症状には、いくつかのものがあります。まず考えられるのは「歯髄炎（しずいえん）」です。歯髄炎は、歯の中心部にある神経や血管が炎症を起こす状態です。この炎症により、ズキズキとした痛みが生じます。軽度の炎症では頭痛が起こることはありませんが、長期間にわたって虫歯を放置していたり、重度の炎症が進行している場合は、頭痛や歯髄の壊死の可能性があります。さらに、感染症や腫瘍のリスクもあるため、放置は避けるべきです。

次に考えられるのは「歯性上顎洞炎（しせいじょうがくどうえん）」です。この状態は、奥歯の虫歯や不完全な根管治療が原因で起こります。虫歯が進行することで、歯の根の部分に炎症が広がり、副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。歯性上顎洞炎では、頭痛だけでなく頬にも痛みが生じます。また、黄色や緑の鼻水が出たり、口内から悪臭がしたりすることもあります。後鼻漏（鼻水が前方から出ず、喉に流れ込む症状）も歯性上顎洞炎の特徴です。

さらに、頭痛が虫歯に関連している場合には「脳炎（のうえん）」も考えられます。脳炎は、脳内に白血球が侵入して炎症を引き起こす状態です。頭痛や発熱などが一般的な症状であり、意識障害やけいれん、異常な言動や麻痺など、重篤な症状も現れることがあります。虫歯を放置することで脳炎を発症するケースは稀ですが、その可能性は無視できません。したがって、虫歯による頭痛が継続する場合は、脳炎も考慮すべきです。

虫歯による頭痛の原因として、歯髄炎、歯性上顎洞炎、脳炎の3つが挙げられます。これらの症状が現れた場合、虫歯の進行や合併症の可能性が高いため、早めに歯医者さんを受診することが重要です。放置すると症状が悪化し、歯の損傷や重篤な合併症が起こる恐れがあります。

虫歯を防ぐためには、日常的な口腔ケアが重要です。定期的な歯磨きやフロスの使用、バランスの取れた食事、定期的な歯科検診などが推奨されています。早期の虫歯発見と適切な治療によって、頭痛などの合併症を予防することができます。

虫歯による頭痛は重要な警告サインであり、放置せずに適切な対処をすることが必要です。定期的な歯科検診や日常の口腔ケアを通じて、虫歯の早期発見と予防に努めましょう。

2.虫歯の頭痛の対処法

頭痛の原因となる虫歯に対処する方法がいくつかあります。

①虫歯の治療を行う

頭痛の根本の原因は虫歯ですので、虫歯を治療することが重要です。頭痛の症状が出る前に、早めに歯科医院を受診することが推奨されます。頭痛を引き起こすレベルまで進行している場合、虫歯の進行や合併症のリスクが高まっています。放置すると頭痛以外の症状も現れることがあります。

②嚙み合わせの治療を行う

筋緊張性頭痛の場合、虫歯治療と並行して嚙み合わせの治療を行います。虫歯を治療した後、矯正装置や義歯などを使用して、安定したかみ合わせを調整していきます。嚙み合わせが悪いと、頭痛以外の症状も現れることがあります。早めの治療が重要です。

3.虫歯による頭痛の応急処置

虫歯が原因の頭痛には、応急処置の方法もあります。

①患部を冷やす

患部を冷やすことで血流を抑え、痛みを和らげることができます。濡れたタオルや保冷剤、タオルで巻いた氷などを使って患部を冷やしましょう。ただし、急激に冷やしたり、冷やしすぎたりしないように注意しましょう。

②鎮痛剤を服用

応急処置でも痛みが治らない場合は、市販の鎮痛剤を服用して痛みを抑えましょう。ただし、早めに歯科医院を受診する必要があります。

③血行を良くする行動を控える

血行を良くする行動（お風呂に入る、アルコールを摂取するなど）は、痛みを増す可能性があるため、控えましょう。安静にして、血行を良くする行動を避けることが大切です。

虫歯による頭痛に対処する方法としては、まず虫歯の治療を行うことが重要です。頭痛の原因である虫歯を根本的に解決するために、早めに歯科医院を受診しましょう。頭痛の症状が出る前に治療を行うことで、進行を防ぐことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に虫歯の頭痛についてまとめます。

1. 虫歯の頭痛は様々な病気の可能性がある
2. 虫歯の治療を行うのが根本的な解決法
3. 痛みだけを抑えることも可能

虫歯による頭痛に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。