虫歯を放置しすぎると根管治療が必要になる場合があります。根管治療は基本的に麻酔をかけて行われるため、痛みを感じないように思いがちです。しかし、実際に根管治療を始めてみるとあまりにも激しい痛みが起こり耐えられないという方がいます。

なぜ、根管治療中に痛みが起こるのでしょうか？本記事では根管治療の内容と痛みについて詳しく解説いたします。

1.根管治療とは？

根管治療とは、歯の内部にある神経組織が感染や炎症を起こした場合に行われる歯科治療の一つであり、歯の神経を取り除き、歯の内部をクリーニングし、充填材を詰めることで歯を救う治療方法です。以下に、根管治療の流れについて記載します。

①診断

患者の症状や口腔内の検査、レントゲン写真などをもとに、歯科医師による診断が行われます。歯の神経が感染や炎症を起こしている可能性がある場合に根管治療が検討されます。

大掛かりな治療になるため、患者の意思が尊重されるので安心してください。しかし、根管治療を行わないと治療が困難なケースもあります。

②麻酔

根管治療は歯の内部で行われるため、患者には局部麻酔が施されます。麻酔により、治療中の痛みを最小限に抑えます。しかし、後述しますが麻酔を行っていても痛みを感じるケースもあるため注意をしましょう。

③神経組織の除去

歯の神経組織を取り除きます。歯を削り、神経を通る歯髄を取り出します。歯髄に感染がある場合には、感染を根絶するために抗菌処置を行うこともあります。

神経はなるべく取り除かないのが望ましいため、根管治療が必要になる前に治療を始めることを心がけてください。

④内部のクリーニング

歯の内部を専用のファイルや洗浄液を使用してクリーニングします。根管の内部にあるバクテリアや感染物質を除去し、感染の原因を根絶します。

⑤充填材の詰め込み

歯の内部をクリーニングした後に、根管の内部に充填材を詰め込みます。充填材は歯の根の先までしっかりと詰め込まれ、感染の再発を防ぎます。

⑥後処理

充填材を詰め込んだ後に、歯の表面を削って歯冠（歯の表面部分）を修復することがあります。詰め込まれた充填材は歯の内部にあるため、歯冠を修復することで歯を強化し、咬合機能を回復させます。

⑦経過観察

根管治療が終了した後は、定期的に歯科医師による経過観察が行われます。歯の症状やレントゲン写真をもとに、根管治療が十分に成功しているかどうかを確認し、必要に応じて修復や再治療を行います。

⑧歯のケア

根管治療を受けた歯は、神経を取り除いたため生体の感覚がなくなり、歯の組織も弱くなっています。そのため、定期的な歯のケアが必要です。歯磨きや歯間の清掃を適切に行い、定期的に歯科医院を受診して歯の健康状態を確認しましょう。

根管治療は、歯の神経組織が感染や炎症を起こしている場合に、歯を残しながら治療を行うことができる非常に重要な治療法です。

歯の神経が感染すると、痛みや腫れなどの症状が現れるだけでなく、さらなる歯の損傷や歯周病の進行を引き起こすことがあります。根管治療を受けることにより、歯を失うことなく歯の健康を保ち、咬合機能の回復が期待可能です。

しかし、治療中に痛みが起こる可能性もあるため、治療を受ける前に理解しておきましょう。

2.根管治療中の痛み

根管治療中には痛みが起こる場合があります。神経を取り除く工程では麻酔を使用するため、激しい痛みが起こることはありません。しかし、歯を支える歯周組織で炎症が起こっていたり、薬剤を充填する際にかかる圧力によって痛みが起こったりする可能性があります。

もし、根管治療で痛みが起こったらすぐに医師に伝えるようにしましょう。痛みが激しい状態を我慢して治療を続けなくてはいけないということはありません。むしろ激しい痛みに耐えながら治療を受けるのは避けるべきなので、なるべく我慢せずに伝えるようにしてください。

3.根管治療は行わないのがベスト

上記でも触れましたが、根管治療はなるべく行わないようにするのがベストです。そのためには、早めに歯科治療を始めておくのが欠かせません。定期的に歯医者さんを利用して検診を行うのはもちろんですが、日頃のケアも欠かさないようにしましょう。

取り除いた神経は復活しないため、新しく歯に虫歯ができた際に気づきづらくなる可能性があります。歯の健康状態を維持するためにも、神経をなるべく活かせるような治療を行いましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に根管治療についてまとめます。

1. 根管治療とは神経を取り除くことで歯の状態を改善する治療方法
2. 根管治療中には痛みが起こる場合がある
3. なるべく根管治療は行わないように、定期的に歯医者さんで検診を受けたり、日頃のケアを徹底して行ったりすることが欠かせない

根管治療は便利な治療法ではありますが、なるべく行わないのが理想でもあります。定期的に歯医者さんを利用することを心がけましょう。