私たちの口内には虫歯菌が生息しています。虫歯になっていなくても虫歯菌は生息しているという人がほとんどです。しかし、非常に珍しいですが虫歯菌が生息していない人というのも存在します。そういった人は、歯を磨かなかったとしても虫歯になることはありません。

本記事では虫歯菌がない人の特徴や、減らすための方法について解説いたします。

1.虫歯菌に感染しなければ虫歯にはならない

赤ちゃんの口内に虫歯菌は生息していません。それなのになぜ口内に虫歯菌が生息しているのでしょうか？その理由は、成長していく過程で虫歯菌に感染してしまうからです。

赤ちゃんの親は口内に虫歯菌を有していることが多いので、食事の際に同じ食器を使ったりキスをしたりして感染します。しかし、親が虫歯菌の感染に十分な注意をしていれば、子供に感染することはありません。

つまり、大人になっても口内に虫歯菌がいないままになるのです。大人になると口内の常在菌のバランスが安定しているので、新しい虫歯菌が定着しづらいです。そのため、子供の時期（歯が生え始める時期）に、虫歯菌の感染を予防することが大切になります。

具体的には1歳半から2歳半の歯が生え始める時期に感染は起こりやすいです。この時期はより一層虫歯菌の感染に注意するべきといえるでしょう。

2.歯磨きをしなくても虫歯にならない人

虫歯菌が少しでも生息していれば、虫歯になってしまうと考える方がいるかもしれません。しかし、虫歯菌が生息していてもその数が少なければ、虫歯にはなりづらいです。

実際に歯を磨かなくても虫歯にならない人の口内を調べてみると、虫歯菌が全くいないというわけではありません。少ないですが生息しているケースがほとんどです。虫歯菌の働きが弱いので虫歯にならないのです。

しかし、虫歯菌は砂糖などを餌にして増殖していきます。歯磨きをしないということは、虫歯菌の餌が口内にずっと残ったままということです。虫歯菌の数が少なかったとしても、増殖していく可能性はあります。それなのになぜ虫歯にならないのでしょうか？

その理由は唾液の殺菌作用にあります。唾液には虫歯菌を殺菌する作用や抗菌作用があります。これらの働きが強い人は、歯磨きをしなくても口内を殺菌できているので、虫歯になりづらいのです。

また、歯質によっても虫歯のなりやすさは異なります。歯の表面にあるエナメル質は、酸によって溶け出してしまいます。虫歯菌は酸を生み出すので、これが原因で虫歯になってしまうのです。

しかし、歯質が強ければエナメル質が酸で溶け出しづらいので、虫歯にはなりません。こういった体質面でも虫歯になりづらいケースがあります。しかし、体質は人によって異なり、歯磨きを一切しなくても虫歯に絶対にならないとは限りません。今まで虫歯になったことがなくても、歯磨きはきちんと行いましょう。

3.虫歯菌を減らす3つの方法

常在菌として生息している虫歯菌をゼロにすることはできません。しかし、少しでも数を減らして虫歯になりづらくすることはできます。その方法を3つ紹介します。

1つ目は歯磨きです。虫歯菌の餌となる成分や歯石を取り除くことで、虫歯菌の数を減らすことができます。磨き残しには注意が必要なので、歯ブラシだけではなくデンタルフロスも利用するようにしましょう。

2つ目はフッ素塗布です。フッ素には歯を強化して、再石灰化を促進するという働きがあります。つまり、虫歯になりづらい歯を作ることができるのです。虫歯菌を減らしているわけではありませんが、虫歯菌の活動を抑制することに繋がっています。

3つ目は生活習慣の改善です。注意するべきなのは飲食の回数です。私たちが飲食を行うと、歯の表面が酸によって溶かされます。しかし、食後には再石灰化によって元の状態に戻ります。

食事の回数が多いと、常に歯の表面が酸で溶かされ続けることになるので、虫歯になりやすくなってしまうのです。また、虫歯菌の餌となる成分が口内に存在している時間も長くなります。結果として虫歯菌が増えやすい口内環境になってしまうのです。

食事の回数を決めていれば、唾液が口内をしっかり除菌してくれます。虫歯菌を減らしてくれるのはもちろん、再石灰化も行われやすくなるので虫歯になりづらい口内環境となるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に虫歯菌がない人についてまとめます。

1. 虫歯菌は子供の頃に感染することで、口内に生息する。そのため、虫歯菌の感染を予防することができれば、虫歯菌が口内に生息せず虫歯にはならない。
2. 歯磨きをしなくても虫歯にならない人もいる。虫歯菌がいない、唾液の働きが強い、歯質が強いなどの理由があるが、絶対に虫歯にならないわけではないので歯磨きは行うべき。
3. 虫歯菌を減らすためには歯磨きが重要。虫歯になりづらくするために、フッ素塗布や生活習慣を改善するのも効果的。

口内の虫歯菌は減らすことができます。虫歯に悩んでいる方は、歯医者さんと相談しつつどのように口内環境を変えていくかを考えていきましょう。