虫歯菌は加熱で除去できる?完全に殺菌する方法は本当にあるの?

細菌を除去・除菌する方法にはいろんなものがあります。細菌では新型コロナウイルスの影響によって、アルコール除菌をするのが一般的になってきました。いろんな除去・除菌方法がありますが、その中の1つに「加熱」というものがあります。

菌は熱に弱いので、加熱をすれば除去することは可能です。しかし、虫歯菌はどうでしょうか?口内に生息している虫歯菌を加熱除去することは可能なのでしょうか?本記事で解説いたします。

1.虫歯菌を加熱で除去することはできない

虫歯菌は加熱で除去することができません。虫歯菌も細菌の一種なので、熱に弱いという特性を持ってます。そのため、熱で殺すことは可能なのですが、殺すために必要な加熱という行為を口内で行うことができないのです。

虫歯菌を完全に取り除くには、120℃のお湯で20分間消毒をしなければいけません。これを口内で行うのは不可能です。虫歯菌自体を加熱で殺すことは可能ですが、口内でその行為を行えない以上、加熱で口内の虫歯菌を除去することはできません。

つまり、虫歯菌に一度感染してしまうと、完全に除去することはできないのです。加熱以外にも虫歯菌を除去する方法はありますが、口内で行えなかったり完全には除去できなかったりします。

しかし、虫歯菌の数を減らすことは可能です。虫歯菌をゼロにしなくても、数を減らすことで虫歯になるリスクを大幅に削減できます。そのため、完全に除去できないからといって、虫歯菌をそのまま放置してはいけません。

2.食器などに対しては加熱除去が効果的

口内に生息している虫歯菌を直接加熱除去することはできません。しかし、食器などに付着した虫歯菌であれば、問題なく加熱除去することができます。虫歯菌を滅菌するためには、120℃のお湯で20分間消毒しなければいけません。しかし、殺菌であれば60℃のお湯に30分つけ込んでいれば十分に行えます。

  • 滅菌
    細菌やウイルスを100万分1以下にすること。
  • 殺菌
    菌を殺すこと。完全にゼロになるわけではないが、人体に影響を与えない程度には数を減らすことができる。

しかし、加熱除去を食事の度に行うのはかなりの手間がかかります。一般的には洗剤をつけて食器を水洗いするだけでも、感染しない程度には菌の数を減らすことができると考えられているので問題ありません。

赤ちゃんが使う食器はどうしても気になるという方は、併せて加熱を行うとより高い殺菌効果が期待できるでしょう。

3.加熱以外の虫歯菌の弱点

加熱以外にも虫歯菌の弱点はあります。まずはキシリトールです。ガムなどによく含まれているキシリトールには、虫歯菌を減らす働きがあります。

さらにキシリトールには、甘いという特徴があります。甘いのなら虫歯菌の餌になってしまうのでは?と考える方がいるかもしれません。しかし、キシリトールは天然素材甘味料であり、砂糖とは違う成分なので虫歯菌の餌になることはありません。甘みには唾液を分泌させる効果があります。唾液は歯に付着した酸を流す働きがあるので、こういった点も虫歯菌に対しては効果が期待できます。

また、ガムであれば咀嚼回数も多くなります。咀嚼回数が増えることも唾液の分泌につながるので、虫歯菌を減らすのに役立つと考えられるでしょう。

もう1つの虫歯菌の弱点がフッ素です。フッ素には再石灰化を促す働きがあります。虫歯菌は酸を出して歯を溶かしてしまうのですが、再石灰化をすることで溶けた歯が元に戻ります。この働きをどれだけ活発にするかは、歯を守るうえで非常に重要です。

フッ素は再石灰化を活発にしてくれるので、虫歯菌の働きを弱めることができます。このようにして、歯を虫歯から守ることができるのです。

歯磨き粉にはフッ素が配合されているものも多くあるので、積極的に摂取するのはそれほど難しくはありません。キシリトールについても同様で、ガムを噛めば摂取できるので非常に手軽です。

虫歯になりやすいと悩んでいる方は、こういった手軽に始められる対策から取り入れてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?最後に虫歯菌と加熱についてまとめます。

  1. 虫歯菌は他の細菌と同様に熱で死滅する。しかし、口内で加熱をすることはできないので、加熱除去をするのは難しい。
  2. 食器などに付着した虫歯菌であれば加熱除去が可能。しかし、加熱除去には時間がかかるので、一般的に行われている洗剤を使った水洗いでも問題はない。
  3. キシリトールやフッ素を摂取することで虫歯菌の数を減らすことができる。どちらも手軽に摂取できるので、非常におすすめ。

虫歯菌はほとんどの人の口内に生息しています。一度感染してしまったら、ずっと付き合っていかなくてはいけません。しかし、数を減らしたり働きを弱くすることはできるので、それらの方法を実践して虫歯になりづらい口内環境を整えていきましょう。

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