診察台でほほ笑む女性

歯医者が怖いと感じなくなる?恐怖のメカニズムと対応策を理解しよう

病院で受ける診察や治療にはさまざまなものがありますが、歯医者に対しては極端に恐怖を感じる人がいます。これは、ただ怖がっているのではなく、歯科恐怖症という神経症の可能性があります。

一方、歯科医院では患者の恐怖心を除去するための、いろいろな取組を行っています。どのように対応されているのかを知れば、歯医者への恐怖心が和らいで、積極的に治療ができるかもしれません。

本記事では歯医者を怖いと感じるメカニズムや痛みを抑える麻酔の種類、安心して通える歯医者選びのポイントについて解説します。

歯医者が怖いのは病気かもしれない

歯が痛い女性

歯医者が苦手なのは、子どもだけではありません。大人になっても歯医者は怖いと感じる人が大勢います。中でも歯医者そのものや歯医者で行われる治療に対して極端な恐怖心を抱く場合は、歯科恐怖症という神経症を発症している可能性があります。

また、歯科恐怖症でなく、違う症状が発症することによって歯医者での治療を怖がってしまうケースもあります。ここでは、歯科恐怖症の特徴や歯医者を怖がってしまうメカニズムなどについて解説します。

歯科治療恐怖症の特徴

歯科恐怖症とは、歯医者での診察や治療に対して強い恐怖心を抱いてしまう神経症のことをいいます。

米国精神医学会が発行している精神疾患の診断・統計マニュアル(第5版)によれば、歯科恐怖症は不安症群・不安障害群の中の限局性恐怖症に分類されており、先端恐怖症や高所恐怖症、閉所恐怖症などと同じ神経症として扱われています。

また、世界各国で歯科恐怖の疫学調査では、国によって評価基準に違いはあるものの、約7%~約24%の人が強い歯科恐怖を感じているという調査結果が報告されています。

歯医者で虫歯の治療を受けると考えるだけで恐怖心を感じ、血圧や心拍数が上昇して激しい動悸・めまい・立ち眩みなどを起こすケースがあるほか、ドリルの音を聞くと体が動かなくなる、診察台に座れなくなるなど、さまざまな症状が現れます。

出典:苅部洋行「歯科恐怖を知るー疫学と原因ー」

歯医者が怖くなる原因

歯科恐怖症を発症する原因として考えられるのが、子どもの頃に歯医者で受けた治療がトラウマになってしまうケースです。

虫歯を削る痛みや歯の型を取る際の苦しさのほか、親やスタッフなどに押さえつけられて治療されたり、歯科医師に怒られたりしたことなど、歯医者でのさまざまな経験が「辛いもの」「痛いもの」「苦しいもの」として認識されることで、拒否反応として現れます。

ただの怖がり扱いが人を傷つける

現代社会において、歯科恐怖症という言葉を頻繁に耳にすることはないため、そのような症状があることが広く認知されているとは言い難いでしょう。そのため、歯医者に行くのに何の恐怖も感じない人にとって、極端に歯医者を嫌がる人は「ただ怖がっている」ように見えるだけかもしれません。

そして、家族や友人などから発せられる「大人になって歯医者が怖いだなんて…」といった言葉が、歯科恐怖症の疑いがある人を大きく傷つけることになります。

さらに、その言葉を鵜呑みにして歯医者に行こうとしても、やはり行くことができず、情けなさと恐怖から歯医者をより避けるようになってしまうケースもあります。何気ない言葉が人を傷つけるだけではなく、歯科恐怖症の二次的な発生要因なってしまうのです。

嘔吐反射が原因で歯医者が怖いケースも

歯科恐怖症以外にも、歯医者を怖がってしまう症状があります。それが、嘔吐反射です。

嘔吐反射とは、口に中に物が入った際にえずいてしまう症状のことをいいます。嘔吐反射に悩まされている人は、歯ブラシを口に入れるだけでも嘔吐反射の症状が出るケースもあります。

そのため、歯医者での治療や型取り、レントゲン撮影などに苦しさを感じてしまい、結果的に歯医者を怖がってしまうのです。さらに嘔吐反射が重症化した場合、歯医者で治療することを考えただけで吐き気を催す場合もあります。

歯医者が怖い人が知っておくべき麻酔の種類

歯科麻酔

歯医者ではさまざまな種類の麻酔を使っており、ひどい虫歯や歯周病などでも痛みを感じずに治療できます。そのため、麻酔の種類や特徴を知っておけば、治療を行う際の安心材料にできるでしょう。歯医者で実施される麻酔には次の3種類があります。

  1. 表面麻酔
  2. 局所麻酔
  3. 静脈内鎮静法

①麻酔の前に行う表面麻酔

表面麻酔は口の粘膜の表面に麻酔薬を塗布する麻酔法で、他の麻酔をする前に麻酔注射の痛みを緩和するために用いられます。治療だけではなく、麻酔の痛みも避けたい場合に有効な麻酔法といえます。

②大がかりな治療に使う局所麻酔

局所麻酔は虫歯の治療や神経系の治療などで用いられる麻酔法で、歯茎に注射して麻酔を施し、神経の働きを遮断して痛みを除去します。

痛みを根本から遮断できるものの、麻酔効果が顎全体に及ぶため、頻繁に用いる麻酔法ではありません。治療範囲が広い場合や、治療に時間がかかる場合に、医師と相談のうえ使用するケースが多いでしょう。

③不安を和らげる静脈内鎮静法

静脈内鎮静法は、睡眠薬に近い成分を含んだ薬剤を点滴にて投与する麻酔法です。患者が眠さを感じる、または眠っている状態で治療できるようにして、患者の不安な気持ちを取り除くことができます。

今回解説している歯科恐怖症患者のように、歯医者での治療に不安や恐怖を感じる場合に有効な麻酔方法です。ただし、口腔内の麻酔効果が無いため、他の麻酔を併用するケースが多いでしょう。

歯医者が怖い人におすすめする歯医者選びのポイント

スマートフォンで検索する女性最後に、歯医者に対して恐怖心を持つ人の歯医者選びのポイントを紹介します。次の4つのポイントに注目して歯医者を選びましょう。

  • 麻酔について詳しく説明している
  • 治療時間を確保してくれる
  • 医師やスタッフが共感してくれる
  • 短期集中型の治療に対応している

1.麻酔について詳しく説明している

1つめのポイントは、治療時の麻酔について詳しく説明しているかどうかです。

麻酔に対して熱心に取り組んでいる歯医者の場合、Webサイトなどで麻酔法の種類や特徴などを詳しく説明しているはずです。

患者の不安を取り除く治療方針となっていると考えられるため、治療時の痛みをクリアできる可能性が高くなるでしょう。

2.治療時間を確保してくれる

2つめのポイントは、治療時間をしっかり確保してくれる歯医者かどうかということです。

歯医者での治療に不安や怖さを感じる患者に対しては、時間をかけて少しずつ治療を進める必要があります。

治療時間を長めに取ってくれる歯医者の場合、患者の不安や怖さにしっかり向き合ってもらえる可能性が高いため、安心して治療を受けられます。

3.医師やスタッフが共感してくれる

3つ目のポイントは、歯科医師やスタッフが患者に共感してくれるかどうかです。

患者の中には医師に質問したくてもできずに、疑問を解消できないまま治療に入られてしまう人もいます。

治療に関するどんなことでも聞きやすく、話しやすい環境が整っているだけで、治療に対する不安感は軽減されるでしょう。

4.短期集中型の治療に対応している

短期集中型の治療に対応しているかどうかも大切なポイントです。

短期集中型治療とは、必要な治療や処置をすべて一度に終わらせる治療法です。

歯医者に対する恐怖心や嘔吐反射、または時間が取れないなどの理由で、歯医者に通う回数をできるだけ少なくしたい場合には効果的な治療法ですので、対応している歯医者を探してみるといいでしょう。

まとめ

今回は歯医者に対する恐怖心が発生するメカニズムや対応策について解説しました。

歯科恐怖症や嘔吐反射などで治療が難しい場合は、麻酔を利用した治療に注力する歯医者や、医師などがこちらの気持ちに共感してくれる歯医者を探せば、スムーズに治療できるかもしれません。

本記事を参考に、あなたにピッタリの歯医者を探してみましょう。

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