数が多くて選べない?令和時代の「良い歯医者さんの探し方」

街中を歩いていて、歯医者さんって意外に多いな。と思ったことはありませんか?現在、歯医者さんは全国に約68,000件以上あるといわれ、実はコンビニより多いのです。選択肢が多いことは患者にとっては良い事と思えますが、「迷ってしまう」という声も!そこで良い歯医者さんの探し方のポイントをご紹介します。

予約制と予約可能時間枠からみる患者数

急な歯の痛みがある緊急な場合をのぞき、歯医者さんが予約制であるか、その予約可能枠はどのくらいの時間で刻んでいるかを確認してください。一日あたり診る患者数を考え、一人ひとりに十分な時間を割いているかどうかを把握することが可能だからです。1日に8時間の診療と考える場合、1人あたり30分と考えると、1日に16人程の患者数と想定されます。初診の場合は、カウンセリングや検査のために1時間を確保する歯医者さんも少なくありません。時間に余裕をもって、丁寧に診てくださるか、その視点が大切でしょう。

最近はインターネットでの予約を可能とし、予約時間枠を確認することが容易ですのでぜひチェックしてみてください。また、歯科医院経営は、患者数次第であることが現実です。患者数を優先せずに診療を行う歯医者さんは誠実であるといえるでしょう。

滅菌・感染予防・衛生管理がしっかりなされているでしょうか。

昨今、新型コロナウィルスの蔓延によって、滅菌・感染予防・衛生管理が改めて大きく注目されています。多くの歯医者さんは、衛生管理の徹底をうたっていると思いますが、着目すべきは「グローブ」の取り扱いです。グローブは、医療器具や患者の口内のみを触るものであり、グローブをした状態でカルテなどを触ることは一切許されることではありません。

もし触る場合は、グローブを外して捨て、素手で触った後に、改めて新しいグローブを装着する必要があります。しかし実際は徹底されていないことが多く、コストを理由にグローブを節約している歯医者さんもあるようです。歯科検診などに行って、グローブの取り扱いに目を配ってみるのもよいかもしれません。

丁寧なカウンセリング、適切な検査

初診はもちろん、患者さんが来院時に、丁寧に詳しい説明をしてカウンセリングを行うこと、さまざまな検査を行うことは、治療方針の選定において重要な意味を持ちます。レントゲン撮影、歯周基本検査(歯周ポケットの深さ計測、歯の動揺度計測)や、口腔内写真撮影など、しっかりと行うことが歯の健康維持には必要不可欠なものだからです。時間やコストがかかるものではありますが、確実に実施している歯医者さんであれば、安心してお任せできると思います。

麻酔は効いてますか?しっかりチェック

丁寧に時間をかけて、しっかりと麻酔が効いているかを確認してくださる歯科医を選びましょう。麻酔の効き具合は個人差があるものです。痛みの少ない状態での治療を心がけている歯医者さんは、患者に寄り添う良い歯医者さんといえるでしょう。歯科医師によっては、多くの患者に対応するために通常想定される麻酔の効き具合を期待して、確認をせずに診療を進めてしまう場合があるようです。

痛い思いをしたことで、治療を途中で挫折してしまったり、トラウマ・歯科医院恐怖症になってしまうことがないよう、事前に「麻酔が効くまで時間がかかるかもしれませんが大丈夫でしょうか?」などと質問をしてみるのも良いでしょう。

私の担当医は誰?担当医制度をとっている歯医者さん

歯医者さんに複数の歯科医が在籍していることは珍しいことではありません。ただ、行く度に担当医が違うという経験をしたことはありませんか?歯科医師、贅沢を言うと歯科衛生士が担当制であることは、技術的にも、精神的にも患者にとって安心なことであるといえるでしょう。しかし実際は、医院の運営上、効率よく多くの患者さんを診るために、担当制を採用しない歯科医院が多いようです。

そのような場合も、情報共有・引継ぎが時間をかけてきちんと実施されている場合は良いのですが、医療ミスにつながってしまったというケースもあります。大事な歯について、「信頼関係をきちんと築くことができる担当医」のいる歯医者さんを選びたいものです。

専門医との連携

インプラントなど、高度な専門知識が求められる治療において、「専門医」と連携して治療を行う歯医者さんをおすすめします。実際のところ、一人の歯科医師が全ての高度な治療を行うことはとても難しいことです。それぞれの専門分野の医師と協力し、真摯に患者に向き合う歯科医に出会えたら、それはとても幸せなことです。

専門医とは具体的には、矯正専門医、小児歯科専門、医歯周病専門医、インプラント専門医、口腔外科専門医などです。専門医の多くはたくさんの症例を経験しているので、治療計画を立てるのが得意で、チームとして治療することで、患者の治療結果は大きな違いが表れると言われています。

「ラバーダム」を使用していますか?

感染が予測される治療において「ラバーダム」を使用しているかどうかが、最近の歯医者さん選びの1つポイントと言われています。聞きなれない言葉だぞ。と思った方もいらっしゃるかもしれません。ラバーダムとは、歯科治療の際に使われる、治療する歯へ唾液がかからないよう、せき止めするゴムシートのことです。主に、唾液の侵入を阻止する染防止、器具や薬品が口の中に落下することを防止、削った歯や金属などの破片が口の中に刺さることを防止、詰め物をする際吐く息の湿気によって接着が阻害されることの防止を目的に使用されます。

特に、根管治療(歯の根っこの治療)は、無菌状態で行うことが重要であり、ラバーダムを使用して治療する歯を隔離し、細菌の侵入を防止することが可能です。このラバーダムですが、経験豊富な歯科医師でないと、装着させるだけでも時間がかかるものです。

根管治療の保険点数が少ないともいわれており、時間の削減とラバーダムを仕入れるコストを憂慮し使っていない歯医者さんが多いのが現状です。「当院はラバーダムを導入していますよ。」という歯医者さんは信頼できると考えて良いでしょう。

予防のための定期歯科健診を計画してくださるか?

歯科治療で大切なことに「定期歯科健診」があります。ついつい痛みがないと、遠のいてしまいがちな「歯医者さん」ですが、定期的に検診を行うことで、初期治療の虫歯は早く、安く対処することができますし、歯磨き指導やクリーニング・歯石除去を行うことも可能です。

定期歯科健診の頻度は、3か月~6か月に1度が理想的と言われています。「検診ですよ。」と積極的にお電話やメールなどで連絡を入れてくださる歯医者さんが増えているとも聞きますが、常に患者のことを気遣ってくださる、頼りがいのある歯医者さんであるといえますね。

あれ?また新人?スタッフの定着率の高さは?

歯科医院は、院長を中心に歯科医師や歯科衛生士や歯科助手、受付スタッフなどが協力して成り立っています。それらスタッフは、職場の環境が良くなければ、より良い環境を求めて転職してしまうことは想像に難くなく、スタッフの入れ替わりが頻繁である歯科医院には問題があると考えられます。衛生管理が不十分だったり、保険点数が不正確であったり、歯科医師に不信感がある場合など、様々な現実をスタッフは目の当たりにしています。

患者にはわかりにくいことでも、スタッフには隠しきれないものです。勤続年数が長いスタッフがいる歯医者さんは信用できる場合が多いようです。

患者アンケートを実施していますか?

どの業態にもいえることですが、アンケートなどで患者の声を聞いている歯医者さんは、向上心があり、丁寧な診療に自信を持っているとも考えられます。患者にとって歯科診療は大変デリケートなことであり、直接は言いにくいこともあるかと思います。そのような声をきちんと届ける手段を用意しているのは、誠実の表れです。

どのような意見でも真摯に受け止め、前向きに歯医者さんを経営している実直な歯医者さんであると評価できます。

リアルな口コミにハズレなし

「実際に通っている人に聞いてみること」は、やみくもに探すのではなく、大変身近な役立つ方法です。自宅近くで探すのであればご近所さんに、会社近くで探すのであれば同僚になど、信頼のおける方のリアルな口コミのパワーは、治療を受ける前の安心材料になること間違いないです。また、インターネット上では数多くの口コミサイトなどがあります。多くのさまざまな評判を参考に、その中から自分に合ったところを選ぶことも良いでしょう。

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