「インプラント」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、実際どんな治療かご存知ですか？
インプラント治療は、失ってしまった歯の代わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。まるで自分の歯がよみがえったかのように、自然な見た目としっかりとした噛み心地を取り戻せるのが大きな魅力です。

インプラント治療の基本

インプラント治療は、一般的に以下のステップで進みます。

カウンセリングと検査: 歯科医師が患者さんの口の中の状態や全身の健康状態を詳しく調べ、治療計画を立てます。レントゲン撮影やCTスキャンなど、精密な検査を行うこともあります。

インプラント体の埋入手術: 顎の骨にインプラント体を埋め込む手術を行います。局所麻酔をするので、痛みはほとんどありません。

治癒期間: 埋め込んだインプラント体が骨としっかり結合するまで、数ヶ月間待ちます。この期間は、骨の状態によって個人差があります。

アバットメントの装着: インプラント体の上に、人工の歯を取り付けるための土台（アバットメント）を装着します。

人工歯の装着: 最後に、患者さんの口に合わせて作られた人工の歯をアバットメントに取り付けます。

インプラント治療中の「歯がない期間」とは？

インプラント治療を受ける際、特に気になるのが「歯がない期間」ではないでしょうか。
インプラント体を顎の骨に埋め込んでから、骨としっかり結合するまでには、どうしても時間がかかります。この期間、一時的に歯がない状態になることがあります。
一般的に、この期間は2ヶ月から6ヶ月程度と言われていますが、顎の骨の状態が良い場合は、もっと短くなることもあります。逆に、骨が弱かったり、骨を増やす処置が必要だったりする場合は、長くなることもあります。

歯がない期間の対処法

では、この歯がない期間、どのように過ごせば良いのでしょうか？ご安心ください。一時的に歯の代わりとなる方法がいくつかあります。

仮歯: インプラント体を埋め込んだ後、その上に仮歯を取り付ける方法です。見た目を気にせず、普段と変わらない生活を送ることができます。

接着式仮歯: 隣の健康な歯に接着剤で仮歯を固定する方法です。手軽に装着できますが、外れやすいというデメリットもあります。

入れ歯: 複数のインプラント治療を行う場合など、歯がない範囲が広い場合に用いられます。取り外しができるので、お手入れがしやすいのが特徴です。

どの方法を選ぶかは、患者さんの口の中の状態やライフスタイル、治療計画によって異なります。歯科医師とよく相談して、最適な方法を選びましょう。

歯がない期間の注意点

インプラント治療中の歯がない期間は、いくつかの注意点があります。これらを守ることで、治療をスムーズに進め、トラブルを防ぐことができます。

仮歯に負担をかけない: 仮歯はあくまでも一時的なものです。硬いものを噛んだり、強い力を加えたりすると、破損したり、インプラント体に悪影響を与えたりする可能性があります。食事の際は、仮歯とは反対側で噛むようにしましょう。

硬いものを避ける: インプラント治療中は、硬い食べ物を避けることが大切です。特に、インプラント体を埋め込んだ直後は、柔らかい食事を心がけましょう。

口の中を清潔に保つ: 口の中を清潔に保つことは、インプラント治療の成功に不可欠です。仮歯の周りも丁寧にブラッシングし、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用して、汚れをしっかり落としましょう。

インプラント治療を安心して受けるために

いかがでしたか？
インプラント治療は、時間も費用もかかる治療です。しかし、その分、得られるメリットも大きいと言えます。治療期間中の「歯がない期間」についても、事前にしっかりと理解しておくことで、安心して治療に臨むことができるでしょう。
もし、インプラント治療について気になることがあれば、遠慮なく歯科医師に質問し、安心して治療を受けられるよう納得いくまで相談してください。