矯正期間を短くする方法はある?スピード矯正のメリット・デメリット

年単位でかかる矯正治療は、少しでも早く終わらせたいと誰もが思うでしょう。近年、歯科矯正の技術は進歩し、矯正期間を短縮する「スピード矯正」という選択肢も増えてきました。

今回は、代表的なスピード矯正の治療法と、それ以外の矯正方法について解説します。

スピード矯正とは?代表的な3つの治療法

スピード矯正とは、通常の矯正治療よりも短い期間で歯並びを整えることを目的とした治療法の総称です。代表的な治療法として、以下の3つが挙げられます。

1.インプラント矯正

歯茎に小さいインプラントのネジ(アンカースクリュー)を埋め込み、それを固定源にして歯を動かす矯正法です。
一度に複数の歯を動かすことができ、治療期間を数ヶ月~半年ほど短縮できます。また、アンカースクリューはチタン製のものがほとんどで、チタンは人体への害が少なく、矯正期間終了後には除去します。

デメリットとしては、アンカースクリューを埋め込む時に麻酔を使うことと脱落する可能性がある点です。また、アンカースクリューの費用が別途かかり、治療費が高額になることがあります。

2.コルチコトミー

顎の骨の一部に切れ込みを入れ、骨の代謝を活性化させることで歯の移動速度を早める方法です。

個人差はありますが、半年〜1年ほど全体の治療期間が短くなるとされています。

歯を動かす矯正期間はそこまで短くなりませんが、保定期間を短くできると言われています。なぜなら、骨が丈夫になることで歯が元の位置に戻ろうとする後戻りが起きにくくなるからです。

さらに、コルチコトミーには歯茎の色が綺麗になるというメリットもあります。骨を切る時にはもちろん歯茎も傷つきますが、切ることで歯茎の血の巡りが促進され、綺麗なピンク色に戻りやすいと言われています。

デメリットは、外科手術が必要で、費用が高額になる点です。また、コルチコトミーをした場合はワイヤー矯正しか選べないことが多いので、マウスピース矯正を検討してる方は歯科医師にその旨を伝えましょう。

3.オステオトミー法

歯が埋まっている歯槽骨全体を切除し、並び替えることで歯並びを整える方法です。コルチコトミー同様に顎の骨の手術が必要になります。コルチコトミーより矯正期間をさらに短くでき、矯正を早く終わらせたい方におすすめです。

骨を切るため矯正後の後戻りが少ないだけでなく、手術後の痛みや腫れもほとんどないと言われていますが、外科手術であることには変わりありません。

デメリットは、コルチコトミーより手術が複雑、手術時間が長い、費用も高額になる、オステオトミー法を実施している歯科医院が少ない点です。

スピード矯正以外の矯正方法

スピード矯正以外にも、歯並びを早く改善するための方法はあります。

1.部分矯正

全体を動かすのではなく、一部の歯並びを整える矯正方法です。全体矯正と比べると歯を動かす本数が少ないため、矯正期間を短くすることができます。
治療期間は歯を動かす範囲によりますが、平均2ヶ月~1年ほどです。費用も比較的安いのがメリットといえるでしょう。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正どちらも部分矯正はありますが、どちらも軽度な歯並びの乱れにしか対応できない、噛み合わせの改善は難しい点がデメリットです。

2.セラミック矯正

矯正とつきますが、歯を移動させて歯並びを整えるのではなく、歯を削ってセラミックの被せ物を入れることで歯並びや見た目を綺麗にする方法です。そのため、歯並びを根本的に改善する方法ではありません。

歯を動かす時の痛みはなく、歯を一気に削って被せ物を入れるため短期間で治療を終えることができます。治療期間は数ヶ月程度でしょう。

また、歯の色が気になっていた場合は被せ物によって白くすることができます。

デメリットは、歯を全周削って被せ物を入れるため、歯の神経を取ることになります。
一度も治療したことがない健康な歯を削り神経をとる場合、歯の寿命を縮めるリスクがあります。
また、被せ物はいずれ作り直す必要があり、その時再度費用がかかることもデメリットでしょう。

まとめ

矯正治療は、見た目を美しくするだけでなく、噛み合わせを改善し、歯の健康を維持するためにも重要です。スピード矯正は、治療期間を短縮できる一方で、費用が高額になる傾向があります。

それぞれの矯正方法には、メリット・デメリットがあります。
信頼できる歯科医師とよく相談し、ご自身の歯並びやライフスタイルに合った矯正方法を選びましょう。
まずは、複数の歯科医院で無料相談を受け、比較検討することをおすすめします。

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