矯正後の歯の後戻りについて徹底解説!原因から予防法まで

「せっかく矯正したのに、歯並びが元に戻ってしまった…」

矯正治療を受けた方の中には、このような経験をされた方もいるのではないでしょうか。
矯正後の歯の後戻りは、多くの方が悩まされる問題です。しかし、原因と対策をしっかり理解すれば、後戻りのリスクを最小限に抑えることができます。

この記事では、矯正後の歯の後戻りについて、原因から予防法まで詳しく解説します。

矯正後の歯の後戻りとは

矯正治療によって整えられた歯並びが、元の位置に戻ろうとする現象を「後戻り」といいます。矯正治療後、歯はまだ不安定な状態にあり、元の位置に戻ろうとする力が働きます。この力が、後戻りを引き起こす主な原因です。

後戻りをするかどうかは、矯正治療の種類や期間、口腔内の状態によって異なりますが、特に歯を大きく動かした場合や、矯正期間が短かった場合は、後戻りが起こりやすい傾向にあります。

歯の後戻りの原因とは

歯の後戻りは、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。主な原因としては、以下のものが挙げられます。

歯周組織の不安定性

矯正治療後、歯を支える歯周組織(歯根膜や歯槽骨)はまだ不安定な状態です。そのため、歯が元の位置に戻ろうとする力が働きやすいのです。

歯を取り巻く筋肉の影響

歯は、周囲の筋肉(舌や頬など)からの力によって位置が保たれています。矯正治療によって歯並びが変わると、筋肉のバランスも変化します。この変化が、後戻りを引き起こすことがあります。

悪習癖

舌で歯を押す癖や頬杖をつく癖などは、歯並びに悪影響を与えます。矯正治療後にこれらの悪習癖が残っていると、後戻りを引き起こす可能性が高くなります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯に強い力を加えます。この力が歯並びを乱し、後戻りを引き起こすことがあります。

加齢

加齢に伴い、歯を支える歯槽骨が吸収され、歯並びが変化することがあります。

親知らず

親知らずが生えてくることで、歯並びが乱れることがあります。

歯の後戻りを予防する方法

後戻りを完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。

保定装置(リテーナー)の装着

矯正治療後、歯が安定するまでの期間(保定期間)は、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着します。リテーナーは、歯が元の位置に戻ろうとする力を抑え、歯並びを安定させる役割を果たします。
リテーナーには、取り外し式のマウスピースタイプや、歯の裏側にワイヤーを固定するタイプなどがあります。歯科医師の指示に従い、適切なリテーナーを選択し、指示された装着時間を守ることが重要です。

悪習癖の改善

舌の癖や頬杖などの悪習癖は、意識して改善するように努めましょう。
MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれる、舌や口周りの筋肉を鍛えるトレーニングも有効です。

歯ぎしり・食いしばりの対策

歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着することで、歯への負担を軽減できます。
ストレスや生活習慣の見直しも、歯ぎしり・食いしばりの改善に繋がります。

虫歯や歯周病を予防する

虫歯や歯茎が炎症を起こす「歯周病」などのトラブルを放置すると、炎症が骨にまで及ぶことがあります。
炎症により歯を支えている骨が溶けると歯が動きやすくなり、後戻りや以前とは違う方向に歯が動いたりしてしまう場合があるため、歯磨きなどのセルフケアは欠かさないようにしましょう。
また、リテーナーのメンテナンスなどで歯科医院を受診する際は、併せて口腔内の健康チェックもお願いすると安心です。

定期的なメンテナンス

矯正治療後も、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。
歯科医師によるチェックやクリーニングを受けることで、後戻りの早期発見・早期対応が可能になります。

まとめ

矯正後の後戻りは、決して珍しいことではありません。しかし、原因をしっかり理解し、適切な対策を講じることで、後戻りのリスクを最小限に抑えることができます。

もし、後戻りが気になる場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。早期に対応することで、再矯正などの負担を軽減できます。

美しい歯並びを維持するために、矯正治療後のケアも怠らないようにしましょう。

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