片方のエラを押すと痛い!その原因と治療法を徹底解説

片方のエラを押して痛いと感じたとき、なぜ痛むのか原因が気になりますよね。

そこで今回は、片方のエラを押すと痛い原因や歯科医院で行われる治療法、自宅でできる対処方法について詳しく解説します。

片方のエラが痛いと感じる原因と治療方法

片側のエラを押すと痛みを感じる場合、原因として、以下のような症状や疾患が考えられます。

顎関節症

【症状】

顎関節症とは、顎の関節や咀嚼筋(そしゃくきん)に異常が生じることで起こる病気です。
噛み合わせの乱れや歯ぎしり、食いしばりのほか、精神的なストレスや頬杖・うつぶせ寝といった習慣が発症の一因とされています。

  • 口の開閉時に痛みがある
  • 顎を動かすと顎関節から「シャリシャリ」「カックン」という音がする
  • 口を大きく開けることができない

【治療方法】

歯科医院では、鎮痛薬や筋弛緩薬などを用いた薬物療法、お口を開くための運動療法、噛み合わせの調整、マウスピース(スプリント)を使用した治療などを行います。

症状が進行すると、首や肩のこりが生じたり、口が十分に開かなくなったり、食べ物をしっかり噛めなくなることがあります。顎関節に少しでも違和感を覚えたら、一度歯科医院に相談することをおすすめします。

クレンチング症候群

【症状】

クレンチング症候群とは、ストレスや緊張などが原因で無意識のうちに歯を強く食いしばる癖のこと。この癖が続くと、次のような症状が現れることがあります。

  • 上下の歯の噛み合わせ面がすり減る
  • 舌の側面に歯型がつく
  • 顎のエラ部分の筋肉に痛みが生じる
  • 耳の穴から1㎝ほど手前の顎関節を押すと痛みを感じる

【治療方法】

歯科医院ではスプリント療法が一般的に行われますが、これは根本的な治療ではなく、歯や顎を保護するための予防法です。

クレンチング症候群を放置すると、歯の欠損・亀裂・破折や歯周病の悪化、顎関節症、顔の歪み、さらには偏頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす可能性があります。歯の食いしばりを単なる癖と考えず、早めの対策を心がけましょう。

智歯周囲炎

【症状】

智歯周囲炎とは、親知らずのまわりの歯ぐきに炎症が生じる疾患です。
親知らずが斜めや横向きに生えている場合や歯ぐきが一部を覆っている場合、清掃が行き届きにくく、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、炎症が起こり、悪化すると腫れや痛みが顎の骨にまで広がることがあります。

【治療方法】

痛みが出ている間は抗菌薬と消炎・鎮痛薬の服用や、殺菌剤入りのうがい薬を使用しますが、症状が落ち着いたあと、再発を考慮して抜歯を検討することがあります。

虫歯

【症状】

虫歯は歯が痛む病気という印象がありますが、悪化すると炎症が広がり、顎まで痛みを感じることがあります。顎にまで痛みが及ぶ場合は、虫歯がかなり進行している可能性が高いでしょう。

【治療方法】

虫歯が歯の神経まで進行している場合、通常の虫歯治療に加え、麻酔をして神経を取り除く処置が必要になります。

虫歯を放置すると症状が悪化しやすいため、少しでも歯に痛みを感じたら早めに歯科医院を受診しましょう。

すぐに歯科医院に行けないときの対処法

エラを押すと痛みを感じるものの、すぐに歯科医院を受診できない場合の対処方法を2つ紹介します。

外側からエラを冷やす

市販の冷却シートなどを使って患部を外側から冷やすと、痛みが和らぐことがあります。ただし、保冷剤や氷を直接当てると冷やしすぎて血行不良を起こす可能性があるため避けましょう。

また、お口の中に直接氷を含んで冷やすこともおすすめしません。

市販の鎮痛薬を服用する

痛みが強く、食事や睡眠に影響を及ぼすと症状がさらに悪化する可能性があります。そのため、市販の鎮痛薬を活用するのもひとつの方法です。無理に我慢せず、一時的にでも痛みを和らげましょう。

速やかに歯科医院に相談しましょう

片方のエラを押すと痛む原因には、顎関節症やクレンチング症候群、智歯周囲炎、虫歯などが考えられます。

痛みをそのまま放置すると悪化することがあるため、症状が続く場合は早めに歯科医院へご相談ください。

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