歯医者さんが抗生物質を3日分出すのはなぜ?抗生物質の効果も解説!

歯科医院で抜歯や神経の処置などを行った際、痛み止めと一緒に抗生物質を処方されたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、抗生物質の効果や注意点、なぜ3日分処方されるのか詳しく解説します。

抗生物質は何のために処方されるの?

抗生物質とは、細菌を退治する効果を持つ薬で、歯科医院では主に感染症対策として処方されます。
通常、有害な細菌が体内に侵入してきたとしても、健康で体力がある状態なら免疫力が正常に働き、大きな問題が起こることはありません。しかし、病気やケガなどで体力を消耗して免疫力が弱まると、感染症にかかるリスクが高まります。そのため、抜歯などの細菌感染が起こりやすい処置をしたあとに抗生物質を処方するのです。

ただ、抗生物質は細菌に対抗する薬なので、ウイルスや細菌以外が原因の感染症には効果がありません。しかし、細菌感染に対するリスクヘッジとして有効なのも事実なので、多くの歯科医院で抗生物質の処方が採用されています。

ちなみに、抗生物質は抗菌薬とも呼ばれます。厳密にいうと抗生物質と抗菌薬は異なるものですが、似たような意味合いで使用されることが多いようです。

抗生物質が3日間分処方されるのはなぜ?

抗生物質を3日間正しく服用することで、その後1週間は薬の効果が持続します。その間に体力や免疫力が回復すれば細菌感染を起こすリスクが下がることから、多くの歯科医院では抗生物質を3日間処方しているのです。

ただし、抗生物質を処方されたからといって、感染症を起こす確率がゼロになるわけではありません。感染症を起こす原因は細菌だけではないのです。歯科医院での処置後しばらくは免疫力が落ちていると考え、無理をしないようにしましょう。

抗生物質を飲むときの注意点

処方された分は正しく服用する

抗生物質を処方されると、薬剤師からは「処方した分は用法・用量通りに飲んでください」と説明されます。なぜなら、抗生物質の過剰摂取や飲み忘れは、体内で薬に強い細菌「耐性菌」が生成されてしまうからです。耐性菌ができると、実際に細菌感染が起きたとき、抗生物質がうまく効かなくなってしまいます。

副作用が出る場合がある

抗生物質を服用すると、腸内細菌のバランスが崩れ、腹痛や下痢の副作用を起こす場合があります。症状がひどいと感じたときは、自己判断で薬を中止せず受診した歯科医院や薬を処方された薬局に相談し、適切な指示を受けることをおすすめします。

禁酒する

一部の抗生物質には、アルコールの分解を遅らせる作用があります。そのため、これらの薬を服用中にお酒を飲むと、悪酔いのような状態になってしまうことがあるため、抗生物質を服用している間はお酒を控えるといいでしょう。

処方された抗生物質はしっかりと飲み切ろう

抗生物質は、正しく服用しないと耐性菌ができるなど、大きな不利益があります。処方された分は、しっかり用法と用量を守って飲み切りましょう。
また、薬にはそれぞれに正しい服用方法がありますので、歯科医師や薬剤師の説明をよく聞き、正しく服用するよう心がけましょう。

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