抜歯後におこる「ドライソケット」とは?ドライソケットになる原因や対処方法を解説!

抜歯を伴う治療をした際は、通常であれば数日で痛みが引き、歯を抜いた穴も自然とふさがります。しかし、穴がふさがらずに痛みが長引いている場合、「ドライソケット」を疑う必要があるかもしれません。
そこで今回は、ドライソケットの症状や原因、対処法などについて解説します。

ドライソケットとは?

ドライソケットとは、抜歯後に開いた穴がふさがらず、骨が露出したままになっている状態を指します。通常、抜歯後の穴には血の塊である「血餅(けっぺい)」ができることで、穴をふさいで細菌感染を防ぎ、治癒を促します。
しかし、なんらかの原因で血餅が形成されずに穴が開いたままになるとドライソケットとなり、痛みや炎症が引き起こされたり、細菌感染のリスクが高まったりします。

ドライソケットになる原因

ドライソケットの原因として、次のようなことが考えられます。

下顎の歯を抜いた

下顎は上顎に比べて骨の中にある血管が少なく、出血も少ない傾向にあります。そのため、上顎の歯と比べ血餅が作られにくい傾向にあります。

難易度の高い抜歯を行った

下顎の歯茎に埋まった歯や横を向いた親知らずなど、難易度が高い抜歯の場合は手術の時間が長くなりがちです。治療時間が長引いて麻酔を追加した場合、麻酔に含まれている血管収縮剤の影響で抜歯後に血液が十分に共有されず、ドライソケットになることがあります。

抜歯後に強く口をゆすぎすぎた

抜歯後に強く口をゆすいでしまうと、血が固まりにくくなったり、固まりきっていない血餅が流れてしまったりすることがあります。

必要以上に患部を触る

抜歯後の穴を必要以上に舌や指で触ってしまうと、形成されかけた血餅が剥がれる原因になります。触れたくなる気持ちはわかりますが、できるだけ触らないほうが賢明です。もし食べかすなどが付着して取れなくなったとしても、自力での除去はおすすめしません。

喫煙をする習慣がある

たばこに含まれているニコチンには、血管を収縮させる作用があり、血の流れを滞らせます。その影響で血餅が形成されにくくなったり、傷の治りが遅くなります。

ドライソケットになったときの対処方法は?

抜歯後、通常は1日以内に血餅ができて穴がふさがり、痛みは2~3日で落ち着きます。しかし、穴がなかなかふさがらない、1週間以上たっても痛みが治まらない、むしろ痛みが悪化するなどの症状がある場合は、ドライソケットかもしれません。また、抜歯部分から悪臭がするケースもあります。

ドライソケットは自然治癒が難しいため、自力で解決しようとせず、すぐに抜歯を行った歯科医院を受診することが大切です。歯科医院では、主に以下の治療が行われます。

  • 鎮痛剤や抗生物質の処方
  • ドライソケットになっている部分を洗浄し薬剤を詰めるなどの処置をする
  • 麻酔を行ってから傷口を刺激して再び出血を促す

また、ドライソケットにならないために、次のことにも気を付けましょう。

  • 抜歯後2~3日は、口を強くゆすいだりうがいをしたりしない
  • 舌や指で血餅をむやみに触らない
  • 血餅に汚れが付着しても自力で取ろうとせず、歯科医院を受診して除去してもらう
  • 硬い食べ物を食べない
  • 抜歯後はしばらく禁煙をする

ドライソケットを疑ったら速やかに歯科医院へ

ドライソケットになると、強い痛みを伴うことがほとんどです。放置してもメリットはないため、ドライソケットが疑われる症状が見られたら、速やかに歯科医院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

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