歯科医院が選ぶ歯磨き粉の特徴とは?目的別の有効成分もあわせて解説!

歯磨き粉を選ぶとき、味や価格で選んだり何となく同じものを手に取ったりしていませんか?
店頭にはどれを選べばよいか迷ってしまうほどの歯磨き粉がありますが、実は、歯磨き粉には虫歯予防や歯周病予防など目的に応じた成分が含まれています。

そこで今回は、歯科医院が選ぶ歯磨き粉の特徴や成分についてまとめてみました。
ぜひ歯磨き粉選びの参考にしてみてください。

歯科医院が選ぶ歯磨き粉の特徴

歯磨き粉を選ぶ際のポイントは、目的に応じた成分が配合されているものを手に取ることにありますが、歯科医院が選ぶ歯磨き粉に共通する特徴は以下の2つです。

研磨剤は無配合か低配合のもの

歯磨き粉には研磨剤や清掃剤として「シリカ」などの成分が含まれており、これらは着色や汚れを落としやすくします。しかし、過剰な研磨剤は歯の表面や歯ぐきを傷つける可能性があるため、無配合もしくは低配合の歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

低発泡のもの

歯磨き粉の泡立ちをよくする「ラウリル硫酸ナトリウム」などの発泡剤は、泡で薬用成分をお口の中にいきわたらせる働きがある一方、泡立つことで歯磨きを十分行った感覚になりやすい傾向にあります。
さらに、泡を落とすためにうがいの回数も必然的に多くなり、有効成分が流れやすくなるデメリットもあることから、歯磨き粉は低発泡のものを使用することをおすすめします。

低発泡のものは泡が立ちにくい反面、時間をかけて歯を磨くことができ、うがいの回数も少なく済むので有効成分が口腔内に留まり効果を高めることができます。

目的別歯磨き粉選びのポイントと有効成分を紹介

目的にあう歯磨き粉を選ぶには、パッケージに表記されている成分を確認しましょう。
ここでは、歯磨き粉に含まれている成分を目的別にご紹介します。

虫歯を予防したい

虫歯予防にはフッ素が高濃度で配合された歯磨き粉がおすすめです。
フッ素は歯の質を強化したり虫歯菌の働きを弱めたりする働きがあり「NaF(フッ化ナトリウム)」「SnF2(フッ化スズ)」「MFP(モノフルオロリン酸ナトリウム)」などと表記されています。
日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は最高1,450ppmなので、大人が虫歯予防で使用する場合は、この濃度のものを選ぶとよいでしょう。
ただし、誤飲による事故などを防ぐためにも6歳未満のお子様は使用しないようにしてください。
歯周病を予防したい
歯周病予防には、殺菌成分や抗炎症成分が配合されたものがおすすめです。

  • 殺菌成分

「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」や「CPC(塩化セチルビリジニウム)」などの殺菌成分は、歯周病の原因となる細菌を殺菌し歯周病の進行を防ぐ働きがあります。

  • 抗炎症成分

「トラネキサム酸」や「グリチルレチン酸」などの抗炎症成分は、歯ぐきの腫れや出血などの炎症を抑える働きをします。
また、歯周病予防の歯磨き粉には複数の抗炎症成分が配合されているものや、血行を促進し歯ぐきの活性化に特化した成分が配合されているものもあります。

知覚過敏を予防したい

冷たいものなどの刺激で歯がしみる知覚過敏の予防には、歯の表面を覆い神経への刺激を減少させる「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」などが入ったものがおすすめです。

歯を白くしたい

歯を本来の白さにするホワイトニング用歯磨き粉には、歯の表面の汚れや着色を取り除く成分が含まれています。
研磨剤で汚れを削り取るものではなく、汚れを浮かせて除去する「ポリリン酸ナトリウム」などの成分が配合されている歯磨き粉は、歯の表面を傷つけにくいメリットがあります。

口臭を防ぎたい

口臭を防ぎたい方は、口の中にある細菌を殺菌して口臭を予防する「CPC」「LSS」、口臭の原因物質を吸着する「ゼオライト」など、口臭予防成分が配合されているものを手にとってみましょう。

歯磨き粉の効果を発揮させるために

目的にあわせた歯磨き粉の成分などを紹介しましたが、その効果を発揮させるにはやはり正しい方法で歯磨きを行うことがなによりも大切です。
残念ながら毎日歯磨きをしていても、磨き残しは発生してしまうものなので、歯科医院で定期的にメンテナンスを行ったりブラッシング指導を受けたりしながらお口の健康を守りましょう。

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