永久歯が生えてこないという悩みを抱えている方は少なくないでしょう。もちろん、子供によって成長速度は異なるため、時間がかかっているだけかもしれません。しかし、本来であれば生えてくるはずの永久歯が何らかの理由によって生えてくることができない可能性もあります。

本記事では永久歯が生えてこない理由について解説いたします。対処法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1.永久歯が生えてこない理由

永久歯が生えてこない理由としては主に2つあります。それぞれのケースについて確認していきましょう。

①永久歯先天性欠如

永久歯先天性欠如は、生まれつき歯が生えてこない状態を指します。通常、永久歯は乳歯が抜ける時期に生えてくるものですが、先天性欠如の場合、歯の形成がうまくいかず、永久歯が生えてこない場合があります。

この症状は、遺伝的要因によって引き起こされることが多く、家族に同様の症状を持つ人がいる場合に発生することが多いと言われているのですが、厳密には明らかになっていません。また、一部の病気や症候群、染色体異常などが原因として考えられています。

永久歯先天性欠如については、持って生まれた資質のようなものなので対策をすることができません。自分の子供が永久歯先天性欠如だった場合は、そういったものだと割り切ることが大切です。

②歯茎が厚すぎる

永久歯が生えてこない原因の一つに、歯茎があまりにも厚すぎるため、永久歯が出てくるのに時間がかかることが挙げられます。

通常は1~2年程度で自然に永久歯が生えてきますが、レントゲンで観察しても歯茎の中の永久歯に動きがみられない場合は、何らかの処置が必要となります。このような場合には、レーザー治療によって歯茎を少し切り、永久歯が出てくる環境を作ることがあります。これによって、永久歯が生えやすくなるのです。

しかし、永久歯がまだ出てこない場合は、矯正治療を行うこともあります。歯を上に引っ張って、永久歯が出てくるようにするのです。この方法は、永久歯が動いていることが確認できる場合に適用されます。

乳歯が早くに抜けてしまった場合にも、永久歯が出てこないケースがあります。この場合、歯茎が硬くなっているために、永久歯が歯茎を突き破れずにいる可能性があるため、この場合もレーザー治療によって処置が必要です。歯茎を切ることによって、永久歯が生えやすい環境を作らなくてはいけません。

③過剰歯が邪魔をしている

過剰歯とは、本来生えてくるべき歯の数よりも多く存在する歯のことを指します。例えば、普通の大人の口には、上下合わせて32本の永久歯がありますが、過剰歯のある人はその数を上回ることがあります。

過剰歯は、生えてくる場所によって、上顎や下顎、前歯や奥歯など、様々な形態があり、それによって、本来生えるはずの永久歯が邪魔され、上手く生えずに埋伏したままになってしまうことがあるのです。

過剰歯が原因で永久歯が正しく生えてこない場合には、過剰歯を抜歯する必要があります。一般的に、過剰歯の抜歯は口腔外科領域で行われます。手術による過剰歯の抜歯は、一般的には簡単な処置ですが、場合によっては歯を抜歯するときと同じくらいの痛みや腫れが出ることがあるので注意しましょう。

2.永久歯が生えてこないと感じたら

永久歯が生えてこないと感じたらすぐに歯医者さんに相談をしましょう。もちろん、しばらくしていれば自然に生えてくるケースもあります。しかし、永久歯が生えてくるかどうかと不安に思いながら待つのはストレスがかかってしまいます。原因を明らかにすることで不安はかなり少なくなるので、早めに歯医者さんを利用するように心がけてください。

3.永久歯がない場合の対処法

永久歯が何かに邪魔されて生えてこれない場合は、その原因を取り除くことでスムーズに生えてくる可能性があります。しかし、そもそも永久歯が存在しない場合は生えてはこれません。その場合の対処法としては人工歯で補うというものがあります。

入れ歯やインプラントといった人工的な歯を使用して、永久歯を補うようにしましょう。利用するタイミングについては歯医者さんとしっかり相談することが大切です。早期に永久歯がないことに気づくことができれば、矯正治療によって全体のバランスを整えることで対策するという方法もあります。

治療法を明確にするためにも、早めに歯医者さんに相談することが欠かせません。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に永久歯が生えてこない状態についてまとめます。

1. 永久歯が生えてこない原因には元々永久歯がない、歯茎が厚すぎるといったものがある
2. 永久歯が生えてこないと感じたら早めに歯医者さんに相談することが大切
3. 永久歯が存在しない場合は人工歯で補ったり、矯正治療でバランスを取ったりする必要がある

永久歯が生えてこなくて悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考に早めに歯医者さんを利用してください。