仕事が忙しくなったり、体調が悪かったりと、心身ともにストレスを感じてはいませんか。ストレスが溜まると、口腔内にも変化が生じやすくなります。例えば、歯茎が腫れる、出血するなどです。

本記事では、ストレスが歯茎の出血につながる理由や悪化するのを防ぐためにできることを説明します。歯肉炎は、放っておくと歯周病になってしまい、完治が難しくなる恐れもあります。症状が軽いうちに対策を行い、悪化させないように注意しましょう。

 

ストレスが歯茎の出血につながる理由

心身のストレスが歯茎の出血につながる理由は、ストレスによって唾液の分泌量が減り、免疫力が低下するからです。

唾液には、「免疫グロブリン」という免疫物質が含まれています。抗菌作用やウイルスを洗い流す「自浄作用」がもともと備わっていますが、分泌量が減るとこれらの機能が十分に発揮されません。その結果、細菌が増殖しやすくなり口腔内のトラブルが生じるのです。

健康な方は歯茎が腫れる程度で済むこともありますが、中には出血したり、痛みが生じたりする方もいらっしゃいます。

 

歯肉炎の進行を防ぐためのセルフケア

歯茎が腫れている状態のことを、歯肉炎と言います。健康な歯茎は鮮やかなピンク色で引き締まっていますが、歯肉炎になると赤く腫れぼったくなります。放っておくとどんどん悪化してしまう恐れがあるため、できる限り早めに対策を行いましょう。

ここからは、歯肉炎の進行を防ぐためのセルフケアを2つ紹介します。

生活習慣を見直す

日々のストレスを軽減するために、まずは生活習慣を見直しましょう。食事の栄養バランスが乱れている、睡眠時間が十分に取れていないなど、不規則な生活習慣になってはいませんか。

仕事や子育てで忙しく、改善するのが難しい部分もあるかもしれません。しかし、食事は栄養が取れるものを選ぶ、スマートフォンを触らずにいつもより少し長めに寝るなど、できることから少しずつ始めてみてください。

口腔内の変化を実感できるのはもちろん、心身ともに良い影響があるはずです。

歯磨きを丁寧に行う

口腔内に異変を感じたら、いつも以上に丁寧に歯磨きを行いましょう。歯肉炎が生じる原因は、口腔内の細菌だからです。免疫力が下がっている時は細菌が増殖しやすくなるため、できる限りきれいな状態を保つことが大切です。

いつも何気なく歯を磨いている方は、磨く順番を決めましょう。そうすることで、磨き残しを減らせます。歯ブラシは歯に対して45度程度に傾けて当て、小刻みに動かすと汚れが落ちやすくなります。また歯茎に優しく当てることで、歯茎のマッサージも可能です。

注意点は、強く擦らないことと長時間磨きすぎないことです。やり過ぎると歯や歯茎を傷つけてしまい、逆効果になってしまいます。

歯ブラシだけでケアしている方は、歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れたり、歯磨き粉をフッ素入りのものに変更したりするのもおすすめです。

 

歯肉炎が悪化すると、歯周病になることもある

歯茎の腫れだけでなく、出血や痛みがある場合は歯周病になっている可能性もあります。歯周病は歯石が原因で生じる病気で、放っておくと歯を支える骨が溶けてしまいます。

歯肉炎と違い、歯周病の場合は歯医者さんでの処置が必要です。歯や歯周ポケットに溜まった歯石は、歯ブラシでは除去できないからです。

放置すればするほど、歯を失う可能性は高まってしまいます。腫れ以外の症状が出ている場合はセルフケアだけで治そうとせず、歯医者さんを受診しましょう。

 

まとめ

心身ともにストレスが溜まると、歯茎が腫れる、出血するなど、口腔内にもトラブルが生じやすくなります。その理由は、ストレスによって唾液の分泌量が減り、免疫力が低下するからです。

口腔内を健康的な状態で保てているのは、唾液に含まれている免疫物質のおかげです。分泌量が減ると免疫機能が十分に発揮されなくなるため、細菌の増殖につながります。

歯肉炎を悪化させないためには、ストレスの軽減と日々の丁寧なケアがとても大切です。栄養バランスや睡眠の質を改善する他、歯ブラシ以外のケアグッズを使用したセルフケアに取り組みましょう。

歯茎の出血や痛みなど、腫れ以外の症状がある場合は、歯周病へと悪化しているかもしれません。セルフケアだけでは完治が難しいため、一度歯医者さんへ相談しましょう。

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