自宅での歯肉炎の治し方を3つ伝授!歯周病との違いも押さえよう

口腔内の違和感を感じながらも、なかなか歯医者さんに通院する時間が取れていない方もいらしゃるのではないでしょうか。「歯茎が腫れている」「歯磨きをすると血が出る」などの症状が出ているのであれば、歯肉炎の可能性があります。

本記事では、自宅での歯肉炎の治し方や歯周病との違いを説明します。歯肉炎は、歯周病と違って自宅でも改善が見込めます。歯肉炎が疑われる方は、本記事を参考に改善に取り組んでみてください。

歯肉炎と歯周病の違いは?

歯肉炎とは、歯の周囲にあるピンク色の部分が腫れている状態のことです。一方で歯周病は、歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。

しかし、「歯肉炎だから大丈夫」と油断は禁物です。なぜなら、歯肉炎が悪化した結果、歯周病になってしまう可能性もあるからです。腫れ以外にも、出血や膿が出るなどの症状がある場合は、すでに歯周病になっているかもしれません。

歯周病を治療せずに長期間放置すると、最終的には歯が抜け落ちてしまう恐れもあります。歯を失わないようにするためにも、早めに改善しましょう。

自宅での歯肉炎の治し方は主に3つ

歯肉炎が生じる主な原因は、歯や歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に溜まった歯垢です。歯垢とは、口腔内に残った汚れから生じた細菌の塊のことです。この段階であれば、自宅でのケアでも除去できます。

ここからは、自宅での歯肉炎の治し方を3つ紹介します。

口腔ケアを丁寧に行う

歯垢が生じる原因は、セルフケアで取り除けていない汚れがあるからです。口腔内の汚れをきちんと落とすために、まずは日頃の口腔ケアを丁寧に行いましょう。

歯肉炎が起きている部位は、特に汚れが残りやすいところです。そのため、いつも通りに歯磨きをしてもなかなか磨けません。歯ブラシが当たっているか確認しながら、時間をかけて磨くようにしましょう。

また、奥歯や歯間は歯ブラシだけではきれいにできないため、歯間ブラシやデンタルフロスを活用してください。

最近では、炎症を抑える成分を含んだ歯磨き粉も市販で購入できます。1000円程度で販売されているため、歯磨き粉を変えてみるのもおすすめです。

食べ物の摂り方を見直す

歯肉炎以外にも虫歯になりやすい傾向がある方は、食べ物の摂り方を見直す必要があります。理由は、細菌が好む食べ物ばかりを摂取している恐れがあるからです。

砂糖がたくさん入っている飲食物は、菌のエサとなるためできるだけ控えましょう。また、清潔な口腔内を保つためにも、間食の頻度は少なくすることが大切です。間食が多いと唾液で汚れを洗い流せず、どんどん汚れが溜まっていってしまいます。

歯肉炎を改善するためには、食習慣を変えていくことも重要な要素の一つです。

鼻呼吸を意識する

普段から口呼吸になりやすい人は、鼻呼吸を意識しましょう。口呼吸だと口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病にかかりやすくなるからです。

また、外気に含まれるホコリや花粉などが口に侵入したり、強い口臭が生じやすくなったりと、さまざまな問題を引き起こす可能性もあります。

口呼吸が癖になっているとすぐに鼻呼吸をするのは難しいかもしれませんが、少しずつ改善していきましょう。

 

歯周病は歯科での処置が必要

セルフケアを頑張っても症状が改善できない場合は、歯周病になっている可能性があります。歯周病の場合は歯垢ではなく、歯石が原因だからです。

「歯周病用の市販薬があると聞いた」「歯周病に効く歯磨き粉を見た」という方の中には、自宅でも治せるとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、歯石はセルフケアでは除去できません。歯科医院で専用の器具を用いた処置を受けながら、正しいセルフケアに取り組む必要があります。

ここからは、市販薬や歯磨き粉はどういった効果があるものなのかを説明します。

軟膏や塗り薬など、市販薬の作用は一時的なもの

「歯茎の腫れや膿などに効く」「歯槽膿漏薬」などと書かれた市販薬を、お店で見たことがある方もいらっしゃるでしょう。このような薬は、腫れや赤みなど歯茎の症状を一時的に緩和するもので、歯や歯周ポケットの中ある歯石や汚れを除去するものではありません。

たとえ症状が和らいだとしても根本的な原因を解決できていないため、症状は再発してしまいます。率先して使用するのではなく、痛みや腫れが出ているのであれば先に歯医者さんで診てもらうようにしましょう。

洗口液や歯磨き粉は、治療ではなく予防に向いている

「虫歯・歯周病対策」を謳う洗口液や歯磨き粉も、ドラッグストアなどにたくさん並んでいます。これらは虫歯や歯周病を治すためのものではなく、予防の補助アイテムです。

歯垢や歯石は、歯ブラシや機器を使用した物理的な方法でなければ除去できません。そのためケアグッズを歯周病に効くアイテムに変えるよりも、歯医者さんで処置を受けたり、上手な歯の磨き方を教わったりした方が汚れの除去には効果的です。

 

まとめ

歯肉炎とは歯肉が腫れている状態のことで、口腔内に溜まった歯垢が原因で生じます。一方で歯周病は、歯を支えている骨が溶けてしまう病気で、歯石が原因で生じます。

違う病気のようにも思いますが、歯肉炎が悪化すると歯周病になってしまう恐れがあります。そのため、できるだけ早い段階で治療に取り組むことが大切です。

歯肉炎の場合は、日々のケアで歯垢を除去できれば治ります。菌のエサになる砂糖の摂取を控え、いつも以上に口腔ケアを丁寧に行いましょう。

セルフケアを続けても改善が見込めない場合は、歯石の除去が必要かもしれません。歯医者さんを受診し、状態を確認してもらってください。

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