歯医者さんでは治療の一環として歯周ポケットの掃除を行う場合があります。歯医者さんに通院している方の中には、歯周ポケットの掃除をするために定期的な通院を勧められたという方もいるかもしれません。

しかし、歯周ポケットの掃除とはそもそも必要なのでしょうか？歯医者さんで行っている歯周ポケットの掃除には、どのような効果があるのでしょうか？本記事では歯周ポケットの掃除について解説いたします。

1.歯周ポケットの掃除の意味

歯医者さんで行う治療とは、歯を磨くというイメージがあるかもしれません。歯のクリーニングといわれると、歯磨きでは磨ききれない歯の汚れを取り除くというイメージがあるでしょう。しかし、厳密には歯のクリーニングとは歯だけを磨くわけではありません。

口内に付着している汚れ全体を取り除いて綺麗にすることが、クリーニングの意義なのです。そこで重要になるのが歯周ポケットの掃除です。歯周ポケットは歯の状態によって大きさが変わり、広がっている状態はあまり好ましくありません。健康的な状態であれば、歯周ポケットも引き締まっているのですが、歯茎の状態が悪くなると広がってしまいます。

歯周ポケットが広がると、そこに汚れが溜まっていきます。当然ですが、歯ブラシでは歯周ポケットに溜まった汚れまで取り除くことはできません。一般的な歯ブラシは歯を磨くために作られており、歯茎の溝にまで届くようには作られていないからです。

取り除くことのできない汚れは、次第に史跡へと変わっていきます。歯石になると虫歯や歯周病の原因となってしまいます。つまり、さらに歯茎の状態が悪化して、広がってしまうのです。

こういった負のループを防ぐために、歯周ポケットの掃除は行う必要があります。特に歯石になると固まってしまうので、歯医者さんでクリーニングを受けない限りは取り除くことができません。歯石を放置しないために、定期的に歯医者さんを利用する必要があるのです。

日々の歯磨きできちんと汚れを取り除けば問題ないと考える人もいるかもしれません。しかし、磨き残しはどうしても生まれてしまいます。気付かぬうちに歯周ポケットに汚れが溜まっている可能性もあるので、それを確認するためにも歯医者の利用は欠かさないようにしてください。

2.歯茎を切り開く必要がある場合

汚れが少し溜まっている程度であれば、専用の器具を使って比較的簡単に取り除くことができます。しかし、汚れのつまりが多く、歯周病が重症化している場合は歯茎を切り開く必要があるため注意をしなくてはいけません。

歯周ポケットに汚れが溜まり続けると、歯医者さんでもどこまで汚れがあるのかを判断することができなくなります。もちろん、表面に溜まっている汚れを取り除くことは可能なのですが、その奥にも多くの汚れが詰まっている場合は、専用の器具を使った方法だけでは完璧に取り除くことができません。

そこで必要になるのが歯茎を切り開くという作業です。歯茎を切り開いて汚れを確認するため、どこまで汚れているのかを一眼で把握することができます。麻酔を使うため痛みはありませんが、大掛かりな治療ではあるため、一般的な方法と比べて費用も高くなります。

そもそもですが、こういった状況になるまで歯茎の汚れを放置しておくというのは、あまり好ましくはありません。歯周病の悪化はいろんな悪影響を招きます。一部分に汚れが溜まっているだけだったのが、歯全体の問題となる可能性もあるため、早めに対処しなくてはいけません。

そのためにも歯医者さんに定期的に通院するのが効果的なのです。歯医者さんに通院するのは、歯周ポケットの汚れを取り除くだけではなく、将来の病気を予防する効果もあると考えてください。

3.セルフケアも欠かせない

歯医者さんに通院さえしていれば、日頃のケアはほどほどで問題ないと考える方もいます。しかし、定期的に通院するといっても毎週のように通えるわけではありません。一般的には３ヵ月に一度通院する程度になるため、セルフケアは絶対に怠ってはいけません。

虫歯や歯周病によくなるという方は、ケアの方法を見直してみてください。歯医者さんに相談をすれば、歯磨きの正しいやり方について指導をしてもらうことが可能です。今まで行ってきた歯磨きの方法が間違っている可能性もあるので、一度相談してみることをおすすめします。

また、フロスを使って細かい汚れを取り除くなど、汚れがたまらないような工夫も行ってください。その仕上げとして歯医者さんを利用するのが最も効果的です。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に歯医者さんでの歯周ポケットの掃除の効果についてまとめます。

1. 歯周ポケットの汚れは自分で取り除くのが難しいので、歯医者さんで掃除をする必要がある
2. 歯周病が悪化すると、歯茎を切り開く必要がある
3. セルフケアを欠かさずに行うことも大切

歯周病は悪化すると歯全体に悪影響を与えてしまいます。早めに対処をするために、定期的に歯医者さんに通院するようにしてください。