「顎が痛い」のは「虫歯」が原因!?関係している症状を詳しく解説!

とにかく顎(あご)が痛いのだけど、なぜだろう?そのような経験はないでしょうか?もしかしたら、それは「虫歯」が原因かもしれません。今回はなぜ顎が痛くなるのか、詳しくお調べしました。

 

「顎が痛む」それは「虫歯」が原因の可能性

「虫歯を放っておいたら顎まで痛くなってきた」その場合の原因として「虫歯」であることが考えられます。腫れの症状がある場合は、腫れている部分を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。氷や保冷剤を使って冷やすと、冷やし過ぎることで循環障害や血行不良を起こす場合があり、虫歯の程度によっては、神経過敏になっているため、痛みを増大させる可能性があります。冷やしすぎに注意をしながら、頬の外側から市販の冷却シートなどで冷やす方法がおすすめです。

虫歯で顎が痛む場合の対処法

市販の痛み止め(鎮痛剤)を飲む

痛みの強さはどのくらいでしょうか?痛くて、痛くて眠れないような場合、薬局で売っている市販の鎮痛薬で一時的に痛みを抑えてみてはいかがでしょうか。睡眠不足や食べられず栄養が摂れないことから免疫力が低下してしまうと、症状が悪化する可能性があります。鎮痛剤は長期の服用は避けた方がよいと思いますが、状態が悪くなる前に、早めに歯医者さんを受診するようにしてください。

歯医者さんで相談する

突然の顎の痛み、まずは歯医者さんを受診してみましょう。夜間や休日などにどうしても痛みが我慢できない場合は、夜間・休日診療または急患対応をおこなっている歯医者さんを検索しましょう。自治体によっては、緊急対応用の歯科サービスをやっているところもあります。詳細については、住んでいる地域の歯科医師会のホームページなどの確認をすると良いでしょう。

なぜ虫歯で顎が痛くなるの?

「顎が痛い」のは虫歯が原因?なかなか信じられない方もいらっしゃると思いますが以下に、虫歯のどのような症状で顎に痛みがでてくるのかを調べてみました。

虫歯が原因で膿がたまってしまい炎症を起こしている

虫歯が原因となり、顎が痛くなる症状としては、顎下部の蜂巣炎(ほうそうえん)や歯根嚢胞(しこんのうほう)などがあります。蜂巣炎(ほうそうえん)は、細菌感染が組織の間に拡がって進む化膿性の炎症で、虫歯菌が原因で顎下部や頚部に蜂巣炎を発症させることで顎下部や頚部が赤く腫れてしまい痛みを生じさせます。蜂巣炎は虫歯だけではなく、歯周病でも起こる可能性があります。治療法は点滴で、炎症が消えた後に原因の虫歯を治療することになります。一方の歯根嚢胞とは歯の神経である歯髄にまで虫歯が進行してしまい、歯根の先にまで虫歯が侵食された場合に起こる炎症を指します。治療法は、根管治療や嚢胞の摘出手術を行います。

顎に炎症が起こるほどの虫歯とは?

虫歯は、虫歯菌によって歯が溶けていく病気のことであり、進行具合は状況に応じて「C0〜C4」まで分類されます。

  • C0―歯の表面の「エナメル質」が少し溶けはじめた状態のこと。(痛みはない状態)
  • C1―歯の表面の「エナメル質」が溶けはじめた穴があいた状態のこと。(疼痛などの痛みを自覚しにくい状態)
  • C2―エナメル質の内部にある神経を覆う「象牙質」まで虫歯が進行した状態のこと。(痛みや歯がしみるといった自覚症状がある状態)
  • C3―虫歯が神経まで達する状態のこと(強い痛みがある状態)
  • C4―虫歯菌により歯が溶け、根だけが残り神経が死んでしまった状態

虫歯を治療せずに放置してしまうと、虫歯菌によって膿が溜まってしまい、顎の骨が溶けだすことで、顎の痛みとともに、顎の腫れや発熱などの症状が出てくる場合があるようです。

 

虫歯ではないが、歯が関係して顎が痛くなるケースもあります

「親知らず」による痛み

「親知らず」は奥側のほうに生える永久歯のことで、最後に生えてくる大きな臼歯です。顎が小さく、親知らずが生えるスペースがない場合、斜めに生えてきたり、半分だけ埋まった状態で生えてきたりするので、歯磨きが上手に行えない場合が多いようです。「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」という親知らず(智歯)の周りで起こる炎症があり、その炎症の範囲が大きくなると親知らずの周りだけでなく、顎骨にまで炎症が及び、顎の痛みや腫れの原因になります。

歯周病による痛み

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気を指します。歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないと、その部分に多くの細菌が停滞し、歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みがほとんどないのが特徴です。歯周病を治療せずそのまま放置すると、症状が進行してしまうと虫歯と同様、顎の痛みを引き起こすことがあります。歯周病の予防には、日頃の歯磨きを丁寧に正しく行うことも大切ですが、定期的に歯医者さんに行き、検診やクリーニング(歯石や歯垢の除去)を行うことが大切です。

口腔顔面痛による顎の痛み

口腔顔面痛とは、口の中や顎、顔、頭部などに発生する慢性的な痛みの症状を指します。口腔顔面症の原因は、頭痛や蓄膿症、顎の筋肉や歯の神経、といった身体的なものからストレスなどの精神的なものまで多岐にわたります。治療方法も原因によって異なるため、気になる症状がある方は、口腔顔面痛学会の認定医に相談することをおすすめします。

 

【まとめ】

顎が痛む原因には、虫歯や親知らず、歯周病などがあげられます。いずれも進行してしまうと症状が悪化し、また別の疾患を併発してしまうこともあります。鎮痛剤などでの処置はあくまでも一時的なものであり、無理をしたり、そのまま放置したりせず、顎に痛みがある場合は、なるべく早めに歯医者さんを受診して治療を開始してください。

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